二百五十三話 峡谷のセーフハウスとアドゥムブラリ
大楼閣から続く階段を下る。
昇降台が並ぶ巨大な踊り場のテラスへと出た。
左右の巨大な楼閣がせり出している。清水寺のような継ぎ手を活かした懸造りと貫工法の建築技術が随所に施されている。
そして、俯瞰で見れば凹の字の形なのかな。
複数の魔商人たちが集まる板の間の縁に移動した。
前方は圧巻の光景だ。
【サネハダ街道街】の一部と【メイジナの大街】の賑わいが見て取れた。無数の建物が幾重にも連なり、碁盤の目のように整備された大通り……血管のように大地を走っている。
その規模は【城塞都市ヘカトレイル】が可愛く見えるほど。
ペルネーテの南側の無数の建物の連鎖や塔烈中立都市セナアプアの魔塔の群れのほうがインパクトはあるが、これもかなり巨大な街だ。だれかがグランドデザインを施したように、自然な営みから導線が発達したのが分かる。粘菌が成長する仕組みと、高度成長している都市の仕組みが少し似ているという論文などは昔読んだ覚えがある。
……遥か彼方の【メイジナ海】の手前まで、文明の光が力強く輝いていた。
そんな【メイジナの大街】の上空には、幾つもの角凧が空を泳いでいる。風に乗って泳ぐ姿は、ロマンチックに溢れていた。
東洲斎写楽の役者絵や、喜多川歌麿の美人画を模した浮世絵凧。
中には俺やレン、相棒とエヴァ、キサラ、光魔騎士グラド、ファトラ、ヴィナトロスを描いたものまである。
江戸時代を直に見たわけではないが、そのような活氣と遊び心を感じた。
源左を含めた黒髪の日本人風の異世界人たちが、この魔界の地に根付いている証拠だな。
【メイジナ大街道】の〝魔宿ケミカサン〟はあの辺りか。
新醸造所の場所はどこかな……。
『百足の覚醒』を作る新醸造所も順調に稼働中とは聞いているが、ここからでは分からんか。恐血大魚ボーダーゴウスを【メイジナ大街道】、【サネハダ街道街】、【ケイン街道】の市場へ搬入した際の効果予測資料も良い数字が出ていたし、魔商ホーブスルタンに『王家の葡萄酒酵母』を渡した件も進んでいる。
試飲した新作〝悪夢の幻想酒〟は、非常に美味だった。
そして、恐王ノクターとバフハール、ホーブスルタンと会合した〝魔宿ケミカサン〟には数種類の秘湯や岩風呂があった。
その際、会合を優先し、カードゲームのルクツェルンの暦も楽しんでいなかったから、今後、ヴィーネたちと岩風呂や温泉を楽しむのもありだ。マッサージをして労ってあげたい。
そう考えつつテラスの縁に移動した。
「にゃおぉぉ~」
相棒はすでに、大きい昇降機の上部にいる。
大型の黒豹で、俺たちを待っていた。大型だから、その体重で、昇降機が揺れている。中にはもう人が乗ってないから良いが。
その相棒は、そこから跳躍し、飛翔しては上昇しバレルロール、回転機動のまま神獣ロロディーヌに変化し、少しだけ【レン・サキナガの峰閣砦】に体を寄せると、体を傾けた。
黒い神獣の毛がブレ、無数の触手を繰り出してきた。
その触手が皆の体に優しく絡み付く。
「あ、ご主人様――」
「「ロロ様――」」
「ん――」
「「ロロちゃん~」」
「あぁう~」
「「ロロ殿様ァ」」
「ほっ」
「こりゃ癖――」
「神獣ぅ~」
「「神獣様~」」
と、各自何かを言いながら相棒の体に収斂されていく。
俺にも触手が飛来した。それを掴みターザンの如く、先を飛翔しているロロディーヌへと移動していく――。
巨大な神獣の頭部の片耳を掠めながら、その頭部に着地。
ふんわりとした感触の頭髪は、底のほうが、束子を踏むような感覚に変化することがある。クッション性が抜群だ。
そうして、神獣は、「ンン」と喉音を響かせつつ、旋回から飛ぶ方向を変化させた。
【源左サシィの槍斧ヶ丘】の北の方角――。
俺たちがいる【峰閣砦】からは南東に当たるレムラー峡谷、【ローグバント山脈】の中腹辺りの、【ベルトアン荒涼地帯】を目指していく。
闇雷の森も近くにあるはずだが、ナーガ・ロベの遊撃部隊と名があるように、その荒涼地帯は出没地域に過ぎない。
サシィに、
「サシィ、とりあえず、荒涼地帯に向かうが、そこにナーガたちが都合良く現れるわけではない。居なかったら、吸血神ルグナド様のルグナドの類縁地に向かうが良いかな」
「うん、構わないし、当然だ。すでにベルトアン荒涼地帯、ローグバント山脈の一部、古バーヴァイ族の集落の地域にかけて、源左&デラバイン&バリィアンの兵士たちが警邏している。先程の軍議の内容はあくまでも、大まかな作戦、懸念を話し合う場なのだからな」
「了解した」
「そうだぜ、この地域の支配率は光魔ルシヴァルが高いままだ」
アドゥムブラリの言葉に頷いた。
そのまま相棒は速度を上げ、【メイジナの大街】の活氣ある街並みを眼下に置き去りにしていく。
次第に建物の密度が疎らになり、景色は緑豊かな平原から、岩肌の露出した荒涼とした峡谷へと移り変わった。
【ローグバント山脈】の稜線が迫る。
この辺りが【ベルトアン荒涼地帯】の入り口か。
サシィやアドゥムブラリの言う通り、敵が都合よく行列を作って待っているわけがない。
だが、俺には相棒がいる。
「ロロ、臭いはあるか?」
「ンン……」
相棒はかすかなに喉を振動させ、速度を落とす。
峡谷の谷間を縫うように滑空を始めた。
鼻を鳴らし、何かを探るように首を巡らせる。
――特定の岩場の陰で、その視線が鋭く固定された。
「……あそこか」
魔力を瞳に集約させ<闇透纏視>を発動。
一見するとただの岩壁、風化した巨岩が折り重なっているだけにしか見えない。
だが、魔力の視界を通すと違和感があった。
岩の表面に薄い膜のような魔力が張り付いている。
風景に溶け込む高度な幻術の結界か。
サシィが、魔斧槍源左を強く握り直し、
「……あんな場所に。さすがロロ様、普通の斥候では見逃す偽装だ」
「あぁ、工作員のセーフハウスだろう。数は少ないが、中に氣配がある」
すると、ヴィーネが静かに前に出て、
「ご主人様、制圧しますか? あの程度の結界なら<血魔力>を活かした武器なら破れるはずです」
全身に薄らと薄赤い魔力が展開されていく。
<血魔力>ではない、ガドリセスの能力だろう。
「おう。情報は欲しいからな、殺さず無力化を目指すか」
「にゃ」
「「はい」」
「「御意」」
「「「承知!」」」
「「「「了解」」」」
「「ふむ」」
皆が音もなく並び立つ。
相棒の首筋を叩き、降下の合図を送った。
「ンン」
相棒が岩陰に音もなく着地するとヴィーネとユイが飛び出した。
結界の目の前で、ヴィーネが翡翠の蛇弓ではなく、愛用の古代邪竜ガドリセスの切っ先を真正面に向ける。そして<血魔力>と共に紅紫の雷光を体に展開、纏うと、その体が前方にブレた。
ヴィーネと共にガドリセスの切っ先が結界を貫く。
ガラスが割れるような音と共に、ヴィーネの銀髪が舞う。
周囲の岩壁の偽装が剥がれ落ち、人工的な洞窟の入り口が露わになった。
その前方にいた二眼四腕の魔族と、二眼二腕の魔族たちが、こちらを見て、
「なっ、敵襲!?」
「バカな、どこから……!」
中から慌てた様子で飛び出してきたのは、紫色の装束を纏った数名の魔族。
額に蛇の刺青がある。ナーガ・ロベの手の者か。
彼らが警報用の魔道具に手を伸ばそうとした瞬間――。
「……遅い」
ユイが影の中から現れていた。
神鬼・霊風の刀身に、硬質な白銀の魔力が纏わりつく。
身体能力を極限まで高めた踏み込みからの袈裟斬りが決まる。
――<銀靱・壱>だろう。
続けて、残像すら置き去りにする速度で敵の懷に潜り込むと、ガッ、ゴッ――峰打ちと、柄頭による的確な打撃を叩き込んでいく。骨と神経を正確に打ち据え、硬質で鈍い音が連続して響いた。
抵抗する暇もなく、見張り役か不明な魔族たちは、白目を剥いて崩れ落ちた。
「……一先ずは、倒したけど、強者の氣配は周囲にあるわよ。距離を取っている。右と左、魔素が揺らいでいるし、結構凄腕かも、でも逃げるのかな。まだ不透明ね」
たしかに、<隻眼修羅>を使うと、その魔素の揺らぎが感知できたが、消えることもある。
「ふむ」
「わしらの出番かの」
「あぁ、光魔ルシヴァルの眷族衆が動くようだが……」
バフハールと飛怪槍流グラド師匠と妙神槍流ソー師匠が語る。
俺たちも相棒から降りた。
「一先ず、この内部を調べてからにしましょう」
と、皆と共に洞窟内部へと足を踏み入れた。
中は意外に広い。簡易的な居住スペースと、奥には祭壇のような石造りの机が置かれている。
机の上には、地図や羊皮紙、そして奇妙な輝きを放つ魔道具が置かれていた。
「これは……」
机の上の魔道具を手に取る。
拳大の水晶球だが、内部で三色の光が混じり合って渦を巻いている。
「解析します」
すぐにレベッカとメルが近づいてきた。
二人は水晶球に手をかざし、魔力を流して構造を読み解いていく。
「……やはり、これは通信機兼転移マーカーね」
「はい、しかも魔力の波長が複合的です。ナーガ・ロベの蛇毒の魔力、それに魔王ベルトアンの魔力……そして、この燐光のような魔力は、魔蛾王ゼバルでしょうか」
メルの分析に、サシィが眉をひそめる。
「ベルトアンとゼバル、それにナーガ・ロベが手を組んで、この地点を中継地にしようとしていたのか」
「あぁ、そのようだな。大規模な軍を動かすのではなく、こうした『穴』を各地に作って、一氣に戦力を送り込むつもりだったのかもしれない」
羊皮紙の束も手に取った。
暗号化されているが、地図には【メイジナの大街】や【サネハダ街道街】の数カ所に印が付けられている。
「……どうやら、ただの小競り合いじゃなさそうだ。このセーフハウスを見つけられて良かった。この魔道具と資料、持ち帰ってレンたちと解析しよう」
「はい。敵の連携を断つ、良い手がかりになります」
その時だった。
洞窟の外、峡谷の空氣がビリビリと震えた。
強烈な殺氣と魔力が二つ、上空から急速に接近してくる。
「お、ユイが言っていた奴らだな」
即座に洞窟の外へと飛び出した。
そこには、峡谷の岩場を見下ろすように浮遊する二つの異形。
一人は背中から巨大な蛾の翅を生やし、燐光を撒き散らす魔族。
もう一人は、全身に蛇の刺青を刻み、四本の腕に曲刀を持った大柄な魔族だ。
サシィやヴィーネとルリゼゼとバフハールたちが、武器を構え、
「私も戦える」
「ご主人様とロロ様は見ててください」
「主に我らを見ても逃げずに残る。良い度胸」
「「あぁ」」
皆が殺氣を顕わにした瞬間、アドゥムブラリがスゥーッと前に出た。
「ここは俺に任せてもらおうか。久しぶりに体が疼く」
アドゥムブラリは、サシィたちを手で制す。
蛾の翅を持つ魔人を見据えながら、ふと俺の方を振り返った。
金髪に膨大な<血魔力>が一瞬で展開される。
<筆頭従者長>の一人としての双眸には、主に対する絶対的な忠誠と、自身の力の根源を誇る光が宿っていた。
「――主よ、篤とご覧あれ。主がその身を削り、血肉と魔力、神格を分け与え……復活させてくれたこの力の奔流を! フハハハッ!」
アドゥムブラリが、大きく笑った刹那、蛾の魔族が激昂したように赤黒い魔力を体から噴出させる。
「貴様ァ、どこを見ている!」
無視された屈辱か。
燐光を撒き散らしながら高速で突っ込んでくる。
だが、アドゥムブラリは魔族に視線すら向けない。
魔族が繰り出した迫る鋭利そうな爪を、「ハッ――」と笑いつつ、首を僅かに傾けるだけの最小動作で回避した。
「逃げずに、向かってくるとはな」
余裕を見せるアドゥムブラリに、後方にいたもう一人の大柄な魔族が叫んだ。
「バリガ、合わせるぞ――!」
大柄な魔族も赤黒い魔力を纏わせた曲刀を<投擲>してくる。
アドゥムブラリは、「ハッ、逃げれば、優しい主ならば見逃したと思うが――」と、偽魔皇の擬三日月を召喚し、曲刀を防ぐ。翅の持つ魔族は、
「――なんだァ、余裕を見せているつもりか!」
転移するような加速で、爪先でアドゥムブラリを突こうとしたが、アドゥムブラリには当たらない。
四腕の魔族も、間合いを詰めては、三つの曲刀による連舞が、繰り出されていく。
アドゥムブラリは<血液加速>を使い、それを見るように華麗に避けていく。
間合いを取ったアドゥムブラリは両手を拡げ、宙空に偽魔皇の擬三日月を浮かばせながら、
「――光魔ルシヴァルの勢力圏を舐めすぎだぜ……だれを相手にしているか、お前らは、分かっているのか」
偽魔皇の擬三日月を<導魔術>で扱うように操作、ブーメラン機動で、二人の魔族に向かう。
と、アドゥムブラリは加速――。
通り過ぎざま、流れるような動作で巨大な蛾の翅を持つ魔族の横顔に裏拳を叩き込む。
「――グッ!?」
「衣服と翼に宿りし<武装魔霊・バムソウル>……そして」
たたらを踏む魔族の眼前に、ルビーのような赤い輝きが集束する。
更に、ベキア・レサンビストからの愛情の印だと思われるアクセサリーが強く煌めいていた。
「ハッ、強化された、この<魔弓魔霊・レポンヌクス>の威力を見せてやろう――」
魔弓が出現。アドゥムブラリが弦を引くと、そこに<魔矢魔霊・レームル>が無数に生成された。
ヒュン、ヒュン、と風を切る音と共に放たれた赤い魔矢が、魔人の四肢と翅を的確に貫いていく。
「ガ、アアッ!?」
爆発こそしないが、赤い魔矢は深々と肉に食い込み動きを縫い止めた。
翅を破られ、飛行能力を失った魔族が地面に落ちる。
アドゥムブラリは、手にした魔弓を粒子のように消滅させると、掌に操作していた偽魔皇の擬三日月を呼び込んだ。身の丈ほどもある巨大な戦斧――<偽魔皇の擬三日月>が右手に納まる。
軽々と片手で旋回させるとアドゥムブラリは、魔人の頭上へと跳躍した。
「消え失せろ、アディオスだ――」
そう言い放ち、遠心力を乗せた一撃が唸りを上げて振り下ろされる。
「ひっ――」
ズバンッ、重く鋭い断裂音が響いた。
巨大な斧刃が頭部からわき腹までを容赦なく両断する。
絶叫すら上げる間もなく、魔族の体は二つに分かたれ、その命を散らした。
アドゥムブラリは斧を振るって刃についた血を払うと、口笛を吹きながら戻ってくる。
「……偽だが、キレ味は悪くない」
<偽魔皇の擬三日月>を消し、満足げだ。
「ハッ、見事な戦いだ」
「「あぁ」」
「「はい!」」
皆がアドゥムブラリを褒めていくと、アドゥムブラリはまんざらでもないように頬を朱に染める。
あの辺りは、単眼球だった頃を思い出す。
そして、
「次は俺の番だな」
残る一人、四本の腕を持つ魔族に向き直る。
奴は仲間がゴミのように処理された光景に、恐怖と怒りで顔を引き攣らせていた。
「貴様ら……光魔ルシヴァルの主力なのか……」
魔族が四本の曲刀を構えた。
「主力だ。で、見ているだけか? 逃げるならそこから逃げられるぞ」
「ぬかせ!!!」
と、叫びながら錯乱したように突進してくる。
そこで、ルリゼゼ、ビュシエ、キサラ、ヴィーネたちに『手出し無用』と目配せを送ると、白蛇竜小神ゲン様の短槍を構えた。
――間合いに入った刹那。
<超能力精神>で周囲の岩片を弾丸のように魔族へと飛ばす。
魔族が一本の腕で、それを弾いた刹那、懐へ潜り込み――。
<魔仙萼穿>――。
突き出された穂先を、魔族は三本の曲刀を重ねて防ごうとする。
だが、即座に左手に断罪槍を召喚。
「遅い――」
<断罪刺罪>――。
防御の隙間を縫い、切っ先が魔族の肩口を貫いた。
紫色の毒霧を吐き出そうとするが、<隻眼修羅>で予備動作を読む。
<血魔力>を遭えて、前方に広く展開させた、「グオォッ!?」四腕の魔族の四眼が赤く染まる。
四腕の魔族に近づく――。
白蛇竜小神ゲン様の短槍による<白蛇穿>――。
魔族は反応し、二つの曲刀の刃で防ぎ、もう一つの曲刀でカウンターを狙ってきた。
そこで、<断罪槍・撫牙岩崩し>――。
自らの体を前に押し出し、断罪の一撃をカウンターの曲刀にぶつけて相殺。そのまま前方に一回転しながら断罪槍で斬り下ろし、魔族の左肩口をぶち当てた。
胸中、腹を両断、豪快な力技が決まる。真っ二つにした。
傷口から大量の魔力が漏れ出し、それを吸収していく。
半分だけの魔族の体から、魔蛾王ゼバルの魔力が漏れ、奇怪な肉団子のような内臓の群を寄越してきた。
それを爪先半回転で避け、<鎖>を射出し、両手の断罪槍と白蛇竜小神ゲン様の短槍で凌ぐように斬り払いながら横移動を続けた。
「にゃご――」
相棒の声が響く。
俺と、四腕の魔族の機動に合わせて動いてくれたようだ。
「ロロ、決めるぞ!」
「ンン!」
相棒が黒獅子となって右側へ展開し、触手から出ている骨剣で、内臓の群れから出ていた食虫植物のような物を攻撃、牽制してくれている。
正面から、断罪槍と白蛇竜小神ゲン様の短槍を交差させ、味方の位置を把握――。
――《氷竜列》。
至近距離からの烈級魔法。
多頭の巨大氷竜が、奇怪な四腕だった魔族と内臓の群れを飲み込む。
氷縛柩も連続的に喰らわせていくと、衝撃音が響きまくった。
四本の腕と内臓を盾のような肉壁で、必死に防壁を作るが、もはや紙同然だ。
「グェェェェアァァ」
どこに口があるのか不明なクリーチャーと化した四腕だった魔族から不気味な声が響く。
「――終わりだ」
<仙魔・桂馬歩法>で肉薄。両手の武器を消し、神槍ガンジスに変化させ、
「<光穿・雷不>――!」
<光穿>が突き刺さる。
即座に、雷槍にも見える八支刀の光を伴った雷不が出現し、防壁ごと魔族のすべてを貫き、消し飛ばす。
背後の地面をもくり抜くようにして雷不は消えた。
神槍を消し、振り返った。
続きは明日を予定。HJノベルス様から書籍「槍使いと、黒猫。1巻-20巻」発売中。
コミック版1巻-3巻発売中。




