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槍使いと、黒猫。  作者: 健康


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1665/2002

千六百六十四話 タカルガンとモウカクとの戦い

 魔将ごと、前衛部隊の数百人を倒したハンカイの活躍により、【メリアディ要塞】の北側を攻めていた破壊の王ラシーンズ・レビオダと憤怒のゼアの連合部隊の前進が鈍くなる。が、まだまだ敵は大軍だ。

 魔命を司るメリアディ様たちが用意したであろう巨大な石壁は崩壊しているし、【メリアディ要塞】の最後の防御陣はまだ健在で多数のアムシャビス族らしき姿が見えているが、それが突破されたら、完全に落ちるだろうな。

 そして、メリアディ軍の魔族兵士の死体を踏みしめて前進してくる敵は全員が血走っていて、血に飢えている猛獣に見える。

 

「短足野郎が、調子にのるんじゃねぇ!」


 血に濡れた地面から立ち上る瘴気のような魔力が、四眼の魔族たちの憎悪の叫びと共に渦を巻いていく。彼らの体からは怒りの魔力が漆黒の炎となって噴き出し、戦場全体を不吉な光で染め上げていた。


「……ラガムルの仇だ」

「ゾゲベンは魔族女を抱いたことがなかったのに!」

「エイザルの仇だ!」

「くそがァ……モモガルは、憤怒のゼア様から炎を得ると言葉を授かっていたのに!」

「メリアディを滅ぼすために、破壊の王ラシーンズ・レビオダ様の言葉を受けた者もいるぞ」

「……隊長の仇だ!」

「二眼の短足野郎!」

「あの黒い大型の豹は鳴き声が猫じゃねぇか! 怖がる必要はねぇ!」

「「あぁ!」」

「……多少できる奴らのようだが、砕鎧のゾルガーダス様たちがやられるわけがねぇ!」

「「あぁ!」」


 憤怒のゼアと破壊の王ラシーンズ・レビオダの連合軍の士気はまだ高い。

 ハンカイは余裕に身構えるが、さすがに前に出すぎだ。


 すると、体長三メートルは超えている相棒の黒豹ロロディーヌが、俺を見て耳をピクピク動かしている。アイコンタクトをするように瞬きを行ってから頷いた。

 すぐに相棒は『にゃ』と心の声を発するように咥えていた魔雅大剣を地面に落とし、サーベルタイガーを彷彿させる輝く牙を晒すと首元から伸ばしてきた触手の先端を少しだけ平たく変化させ、その先端の裏側を俺の首下に付けてきた。


 ――冷えピタのような吸着感があるのが良い。


 『ハンカイ』、『まもる』、『まんまる』、『くちゃいあし』、『だいじ』と気持ちを伝えてくれた。


 その気持ちに笑ったが、黒豹(ロロ)は真剣だ。

 その黒豹ロロディーヌは、

「にゃごぉぉ~」

 

 と、気合い声を発し、魔雅大剣の柄を咥えると前に駆け出した。

 魔雅大剣と似合う体格だから、かなり格好良い。

 その黒豹ロロディーヌは「ンンン――」と喉音を鳴らしつつハンカイを跳び越え、ハンカイは屈んで「ぬお! 了解した、前は任せたぞ神獣!」

 と黒豹(ロロ)を応援しつつ、己に飛来した魔矢を金剛樹の斧で防ぐ。


 宙にいる相棒のロロディーヌは長い尻尾でハンカイのことを押し出す。

 少しだけ俺たち側に移動させてくると、己の胸と腹周りから無数の触手を前方へと繰り出していく。


 無数の触手の先端から出た骨剣は夜雷光虫を穿ち、煌びやかな光景を宙空に生む。

 ハンカイを襲おうとしていた憤怒のゼアと数百人の破壊の王ラシーンズ・レビオダの兵士たちの頭頂部や肩に背へと太い骨剣が突き刺さっていった。


 触手は一つ一つが大きく、先端から出ている骨剣は幅広い。

 直進する速度も速いから衝撃波を生み出していた。

 

 それら無数の触手骨剣を体に喰らっている兵士たちは、アンチマテリアルライフルの弾丸を食らっているように欠損し吹き飛ぶ。

 数百の兵士がドミノ倒しで倒れる様といったら、なんという迫力か。


 憤怒のゼアと破壊の王ラシーンズ・レビオダの中衛と後衛の一部は瓦解した。

 憤怒のゼア側のほうが多いのは情報通り十万の軍の主力だからか。

 そして、紅蓮の炎を使わずとも、戦場の一部を制する凄さは神獣ならではか。


 と、魔矢を飛来、それを避けた。

 その魔矢を寄越した射手に<鎖>で攻撃を、


「シュウヤ、大丈夫、あいつはわたしが――」


 ユイが<ベイカラの瞳>を発動させながら射手に向かう。

 <血液加速(ブラッディアクセル)>を使った如くの加速力で、射手との間合いを零とした。


 居合ではなく、左手が握るイギル・ヴァイスナーの双剣の片方を突き出し、光を帯びる聖剣の突きが射手の胸を穿つ。

 血飛沫を出させないまま右腕がブレると、その双剣の刃が胸を捉え斬る。

 斬られた傷に縦の血線が生まれたようにユイは跳躍しながら口に咥えた神鬼・霊風を斜め上に振り上げていた。そのまま射手の胸と肩を斬り付けなが後方一回ひねり――からの一閃。

 射手の頭部が真横に両断された。

 射手は物言わぬまま複数の肉塊に分断される。


 南無――。

 

 と、お祈りはしては要られない。

 火球と雷球と短剣が飛来してきた――。

 右に半身を開くように金漠の悪夢槍を振るい――。

 火球と雷球を柄と穂先で叩くように防ぎつつ、爪先半回転を繰り出しながら横に移動し右腕を振るい上げた――魔槍ハイ・グラシャラスのスノープラウのような穂先が短剣を捉え、それを破壊。短剣を<投擲>してきた魔族兵士を凝視――。

 魔槍ハイ・グラシャラスの穂先を向けた。

 魔槍ハイ・グラシャラスが月光のような白銀の輝きを示す。

 柄の魔紋が脈打つように明滅し、片鎌槍の穂先からは氷霧のような冷気が立ち昇っていく。


 ユイとハンカイと相棒の位置を把握しつつ――。

 《氷竜列(フリーズドラゴネス)》を発動。

 

 気温が急激に下がる。

 魔槍ハイ・グラシャラスの前方が凍てつく。

 と、大気中の水分が複数の氷龍の頭部へと凝固し結晶と化して、巨大な氷竜へと成長し、遠雷のような咆哮を轟かせると蒼白い氷の刃を体から生み出し直進していく。


 四眼四腕の二眼四腕の魔族たちは、


「げ、ここで魔法――」

「げぇ――」


 巨大な氷竜を見て逃げる者も出た。


「逃げろ!」

「邪魔だ――」


 逃げる魔族を許さない他の強者の四眼四腕の魔族が魔刃を飛ばしてきた。


 味方を裂いた魔刃と衝突した《氷竜列(フリーズドラゴネス)》の巨大な氷竜は氷の刃が数十と折れただけ、本体は潰れることなく二眼四腕の魔族たちと衝突、爆散し、吹雪となってダイヤモンドダストのように散った。

 複数の魔族たちが氷の彫像と化す。

 右前の戦場が雪化粧となった。


 ハンカイに注目していた憤怒のゼアと破壊の王ラシーンズ・レビオダの兵士たちが俺に向け、武器を掲げながら叫ぶ者が続出。

 喚声があちこちに響きまくってくる。

 何を言っているかここからでは聞き取れない。


 そして、俺に火球を寄越していた二眼四腕の体から炎を発している魔族は己の前に防御層を構築し、《氷竜列(フリーズドラゴネス)》を防いでいた。


 魔宝石を嵌めた赤黒いスタッフを此方に向けている。


 そいつに向け、両手の金漠の悪夢槍と魔槍ハイ・グラシャラスに膨大な<血魔力>を込めながら前進し、両腕を振るう<投擲>を行った。


 ――宙を直進した金漠の悪夢槍と魔槍ハイ・グラシャラス。

 スタッフ持ちの体が燃えている魔族が生み出していた魔法防御層を貫いて、その胴体をぶち抜く――。


 その二つの魔槍の間に薄らと【白銀の魔湖ハイ・グラシャラス】の幻影が拡がった。そこから、血が混じり白銀が溶け掛かったような複数の魔刃が現れて敵兵士たちに向かう。


 雪化粧を踏み潰しながら押し寄せていた憤怒のゼアと破壊の王ラシーンズ・レビオダの兵士たちは不意を突かれ、その魔刃を喰らい、体が斬り裂いていく。

 歪な魔刃の中には<血魔力>と反撥したように爆発する物もあった。爆発に巻きこまれた四眼四腕の魔族は体が溶けていた。が、一部は<血魔力>に適応したように子鬼に変化、その子鬼が田楽踊りをしながら消えていく、不思議だ。

 

 一方、金漠の悪夢槍と魔槍ハイ・グラシャラスは直進を続け、複数の敵兵士を穿つ。

 二つの鬼の頭部を持つ大柄の体をも貫き数十人の魔族兵士を倒すと自動的に飛来して戻ってきた――。

 

 <握吸>を使わずとも戻ってくるとは、便利だ。

 左右の両手で、その金漠の悪夢槍と魔槍ハイ・グラシャラスを掴む。


 ここは堀と塹壕の稜線と、地形が崩れた影響で、平らなところが少ない。

 紅蓮に燃えた溶岩のようなモノを口から吐き出す、大怪物もいた。

 大怪物の周りには、体が燃えている魔族が多い。

 あれは確実に憤怒のゼアの部隊で、山越えの部隊にはいなかった。


 ビュシエのような<血道・石棺砦>とは異なるスキル持ちもちらほらといるようだ、天然トーチカを思わせる物がいたるところに出来上がっていた。


 と、悪夢の女神ヴァーミナ様の大眷属の黒兎シャイサードの本体と分身体が率いる鬼魔人と子鬼のような魔族部隊数千が、次々に蠍頭の魔族兵士を撃破していく様子が遠くに見えた。

 そして、破壊の王ラシーンズ・レビオダの魔印を掲げている四眼四腕の強者と、憤怒のゼアの魔印を体のあちこちに発生させている強者がいるが、その度にシャイサードが分身体を多数引き連れながら、近づき、右拳から左前膝蹴りに、中段回し蹴りから太い体を武器にするように土手っ腹に生やした無数の刃を押し当て、四眼四腕の強者たちの体を蜂の巣にして倒していた。

  

 様々な混乱が【メリアディ要塞】の北側で巻き起こっている――。

 と、俺に手斧が左から飛来してきたから斜めに後退し、避けた。

 手斧を<投擲>してきた野郎は――蠍頭の四眼四腕の魔族、そいつにユイが向かう。

 

 四つの腕で、複数の手斧をお手玉のようにユイに向かわせていくが、ユイには当たらない、ユイは口元のホルダーを消し、イギル・ヴァイスナーの双剣のみとなると、銀色の魔力を目元から発生させながら双剣を振るい抜く。

 蠍頭の四眼四腕の背後に立っていた。

 

 ユイは振り返らず、前にいる二眼四腕の魔族と相対。


 ユイの背後にいた手斧を繰り出していた蠍頭の四眼四腕は絶句したまま、頭部と胴体に血の線が発生すると、それがズレ落ちる、頭部と体が輪切りにされた死体のまま前のめりに倒れていた。


 ユイの剣術は敵が倒れることも含めて、芸術だな。

 と、まだまだ敵兵士の数は多い――。


 すると、【メリアディ要塞】側にいた炎の炎を纏う大型のラマが此方に近付き、


「……うぬら、十万の先鋒隊をここまで……ドワーフの光魔ルシヴァルか……しかし、これ以上は、いいようにやらせんぞ!」

 

 と、怒りを滲ませて語る。

 そこに、左右から、朱色と漆黒の魔力を放つ大柄の魔槍使いが前に出て、


「閣下、ここは我らが……」

「タカルガン」

「はい、我らが憤怒のゼア様の大隊と破壊の王ラシーンズ・レビオダ様の援軍が分断されましたな……」

「ふむ……」

「ここは一先ず、我らに」

「はい、ババラートス様は悪夢の女神ヴァーミナの軍に対応を」


 ババラートスは、二人の側近の言葉に、庇から覗かせる鋭い双眸をギラつかせながら、


「ふむ、タカルガンとモウカク、任せよう」

「ハッ、では、ご緩りと戦場を見つつ悪夢の女神ヴァーミナの軍を挟撃してくだされ」

「ハイ! このモウカクが、あの者たちの首級をあげてみせまする!」


 その間に<勁力槍>を発動。

 魔槍ハイ・グラシャラスで<白鳳夢槍籠手>をも発動した。

 炎の炎を纏う大型のラマに乗っている将軍が、


「期待しておこう。あの者たちを倒せば、憤怒のゼア様から褒美も出るだろう」

「「ハイッ」」


 タカルガンとモウカクか。

 ひとまず、


「相棒とユイとハンカイ!」


 戦場に満ちる魔力の渦を感じながら、


「そのまま対峙している連中を屠っていろ――」


 業火に包まれた大将の姿を捉えつつ、魔槍を握り締める手に力を込め、


「あの二人と、憤怒のゼア側と目される大将首は、この俺が──必ず、仕留める」


「にゃご」

「うん、分かった――」

「おう、此方の憤怒のゼアの兵は任せろ!」


 ハンカイの言葉の後、タカルガンとモウカクの四眼四腕の魔族が直進してきた。

 加速、速度を上昇させる。

 タカルガンとモウカクの体は憤怒のゼアの印を宿す者特有の業火に包まれていた。

 朱色と漆黒の炎は彼らの魂そのものが具現化したかのように脈打ち、その業火は周囲の空気すら歪ませ、大地に焦げ跡を残していく。憤怒のゼアの眷族特有の禍々しい威圧感が、戦場に重く垂れ込めていた。

 筋肉の組織もあるが、それが燃えているのが不思議だ。

 溶岩のように溶けている部分もある。


 体内を巡る魔力の流れを一気に加速させ、<無方南華>と<闘気玄装>の相乗効果を引き出す。

 全身の魔点穴と経絡が光を放つように熱を帯び、<魔闘術の仙極>が覚醒するように発動した。

 更に<血道第三・開門>の発動により、血液が逆流するような轟音と共に体内の魔力が暴れ出す。

 そして最後に<血液加速(ブラッディアクセル)>――。

 血管を駆け抜ける魔力が音速を超え、世界の時間すら引き延ばされた感覚を得ながらタカルガンとモウカクに直進し、魔槍ハイ・グラシャラスを動かすフェイクを入れ、<光魔・血霊衛士>を発動。


 血の雫が空中に浮かび上がり、渦を巻きながら人型へと変容――。

 紅い霧が凝縮され実体化する中、<光魔・血霊衛士>二体が具現化した。

 血に染まった錫杖を手にした血霊衛士たちは、生と死の境界を超えた者特有の威厳が漂っている。


 タカルガンとモウカクは驚いた。


「「なにっ!?」」


 タカルガンとモウカクの瞳孔が一瞬収縮した。

 二人の体から放たれる朱色と漆黒の炎が激しく揺らめき、その魔力の波動が周囲の空気を歪ませていく。戦場に満ちた緊張が、まるで糸が切れる寸前まで引き絞られた弓のようだった。


 <光魔・血霊衛士>の二体は、血に染まった錫杖から朱色の符文を描き出しながら前進する。

 その動きは人の世のものとは異なる。

 時空間そのものを歪ませているように血の錫杖を交差させて突き出すと、そこに展開された血色の結界が、タカルガンとモウカクの放つ業火の魔槍を受け止めていた。

 血液が逆流するような轟音と共に、二つの力が相殺しあう。

 モウカクとタカルガンの朱色と漆黒の炎が揺らぎ、


「――なんだ、この血の騎士は!?」

「モウカク、この二体だけではない、横が!」


 すかさず、<魔闘術>系統の<龍神・魔力纏>を使用し――加速、速度を上昇させてからモウカクの横に出て、右足の踏み込みから左手が握る金漠の悪夢槍で<戦神流・厳穿>を繰り出した。


 モウカクは「ぐっ」と、体の一部から朱色の炎を発してきたが、遅い。

 金漠の悪夢槍の片鎌槍はモウカクの左太股を捉え、蒼白い閃光を放ちながら膝をぶち抜き地面をも穿つ――ドッと鈍い音が響くと地面が窪んだ。

 

 サイデイルの戦神ツユキラ様の遺跡で得られた<戦神流・厳穿>の威力は申し分ない――。

 

 モウカクの上半身から噴き出していた朱色の炎が命の灯火が消えるように揺らめくと蒼白く変色し、赤み帯びて塵となった。時の流れそのものが凍結した如く、砂漠の岩山のように干からび、風化した古城が音もなく崩れ落ちて暗紅色の塵となって戦場の風に消えていくようにも見えた。


「――モウカクがぁぁぁ」

 

 二体の血霊衛士の血の錫杖の攻撃を往なしたタカルガンが――。

 <魔闘術>系統を強めて加速し、俺との間合いを詰め、魔槍を振るってきた。

 あえて、右手が握る魔槍ハイ・グラシャラスを斜めに掲げ、その魔槍を柄で受け、白鳳夢槍籠手にまで流すように角度を微妙にズラし、その白鳳夢槍籠手で、魔槍を横に強く叩き付けた刹那――。


「お!?」


 白鳳夢槍籠手から零れ出るような【白銀の魔湖ハイ・グラシャラス】の霧がタカルガンに降りかかるまま、四肢に力を入れ<メファーラの武闘血>を発動。

 跳躍しながら金漠の悪夢槍の握りを強め<握吸>を発動――。

 金漠の悪夢槍に漆黒の魔力を纏わせ<悪夢・烈雷抜穿>を繰り出した。片鎌槍の穂先から漆黒の雷光が迸り、タカルガンの纏う業火と共鳴したような音が響く。

 その業火と雷光が交錯するよう金漠の悪夢槍がタカルガンの上半身を突き抜け、穂先から無数の魔力の糸が紡ぎ出され、それらが一斉に収束していく――。

 俺自身も加速しながら、タカルガンと金漠の悪夢槍を追い抜き、前に出た。

 炎を纏う大型のラマに乗った炎怒のババラートスを睨みながら、背後から金釵(きんさい)の糸を発しつつ、タカルガンの体を突き抜けきた金漠の悪夢槍を左手で握ると柄から出ていた金釵(きんさい)の糸が腕に絡み付き、俺の<血魔力>ではない闇の魔力を好むように吸収していく。

 

 炎を纏う大型のラマに騎乗している炎怒のババラートスは、


「ハッ……タカルガンとモウカクを一瞬で屠るか……」

続きは明日。HJノベルス様から「槍使いと、黒猫。1巻~20巻」発売中。

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― 新着の感想 ―
タカルガンとモウカクは助さん格さんみたいにでてきたのにw
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