千六百十話 ディアとクシュナーの再会
クシュナーは髪に顔はどことなく俺と似ているかな。
ディアが勘違いするのも分かるような氣がする。
すると、アドゥムブラリが、
「皮布だけでは心許ないだろうからこれを、サイズは貫頭衣だから大丈夫だろう」
と、己のアイテムボックスから貫頭衣をクシュナーに渡していた。
クシュナーは、「ありがとうございます。早速――」と貫頭衣を頭にかぶって身に着けた。そのクシュナーは、
「シュウヤ殿、アス家は、父や母は無事なのですか」
「にゃ」
頷いて、
「その筈、<筆頭従者長>のミスティが詳しいです、ミスティ?」
と、ミスティを見る。
ミスティは、
「はい、無事、アス家は大貴族のまま。ディアは、セナアプアの魔塔ゲルハットです」
「にゃお」
「そうでしたか、安心しましたが、セナアプアとは遠いですね」
「ンン」
クシュナーの言葉に、ミスティが、
「はい、ディアは【天凜の月】の皆と共に暮らしています」
「良かった……ディア……」
「にゃぁ~」
皆が頷いた。
クシュナーの足下に居る黒猫が何回かアピールしているが、クシュナーはディアと、呟いて、良かった……と、連続的に呟いている。
改めて、クシュナーに、
「……俺は【天凛の月】の盟主です。足下に居る黒猫の名はロロディーヌ。愛称はロロ、神獣で姿を自由に変化が可能。基本はネコ科です。そして、妹さんのディアとはセンティアの手というアイテムで繋がりがあります。【幻瞑暗黒回廊】をリスクなしで移動が可能なスペシャルなアイテム。そのアイテムを使う際には……少し話づらくなります。説明も後ほど、そして、……どうして俺たちがここに居るのか説明したいと思いますが、宜しいでしょうか」
「……はい、宜しくお願いします」
と、クシュナーは丁寧に礼をしてくれた。
俺も拱手をして、ディアとの絡みはお兄さんになんて説明したらいいのか、と少し焦りつつ……ラ・ケラーダの挨拶を行う。
俺の動作を見ていたレベッカたちが少し笑っていた。
構わず、クシュナーに、
「……はい、俺たちは、第二王子のファルス殿下を救い、オセべリア王国を救ったことになる」
「……殿下とオセべリア王国を……」
頷いた。
皆を見る、ヴィーネとキサラの顔色には、〝知記憶の王樹の器〟で共有すれば早いのでは? と言ったような感情が出ているように思えたが、今は、
「はい、貴方を殺したクリムは、王太子レルサンと守護聖獣アルディットを殺した。更に、第ニ王子のファルス殿下をも、殺そうとしたんです」
クシュナーの目が見開く。
「な……に……」
「更に、ルーク国王と宮廷魔術師サーエンマグラムと魔法学院ロンベルジュ魔法上級顧問のサケルナートは、闇神リヴォグラフの下僕でした。クリムや【闇の教団ハデス】と【セブドラ信仰】などとも通じていた」
「……」
クシュナーは唖然として、瞬きを繰り返して、「……え? も、もう一度……」と動揺を示す。
「はい、少し間違えました。下僕ではなく、ルーク国王と宮廷魔術師サーエンマグラムと魔法学院ロンベルジュ魔法上級顧問のサケルナートは、闇神リヴォグラフの大眷属や眷族でした」
「……では第三王子クリムも? 闇神リヴォグラフの大眷属?」
混乱気味か。
「違うようですね、闇神リヴォグラフですら利用しようとするような印象でした」
更に、
「ルーク国王は既に闇ノ淫魔獣グレバロスに乗っ取られていた。王の間で戦う寸前に、皆の前でファルス殿下と共にオセべリア王国の上層部の数々の裏切りの証拠を示しました。その時にルーク国王は怪物の闇ノ淫魔獣グレバロスの姿に変化を遂げた。戦いとなった」
「……ルーク国王が怪物に変化に……倒したのですか?」
「はい、もうルーク国王はもうこの世にいない」
「……そうなのですね……クリムは、そのルーク国王側で悪事を……」
「はい、クリムの悪事は多種多様。帝国の息の掛かった西方フロング商会と帝国の【外部商会】と闇ギルドの【御九星集団】と【錬金王ライバダ】の【天衣の御劔】と【ラゼルフェン革命派】に、十二海賊団【鵞峰ヴァクプドー】の人員と帝国特殊部隊と【セブドラ信仰】と【闇の教団ハデス】の魔人集団と手を組んでいた。更に、随分と前からアロサンジュ公爵の息子ナロミヴァスを洗脳し、貴方と同じく体を狙っていたかも知れませんが、ナロミヴァスを悪夢教団ベラホズマ・ヴァーミナ、別名【悪夢の使徒】のリーダーに仕立て、ペルネーテの地下に女性や子供たちを誘拐するように仕向け、儀式を行っていた。更に、その不当に集めた女性や子供たちを、この場所に送っていたようです。この地下施設で、無垢の人々を錬金術の実験台に殺しまくっていたようですね」
神魔の魂図鑑はその名残でここに仕舞っていたのかも知れない。
「クリムは酷すぎる……」
クシュナーの言葉に皆が頷いた。
「はい、第三王子クリムは、王族の地位を利用して他者を攻撃し、他者の顔色を見て満足感を得るような腐った心根を持ち、他者の心を省みない、己の欲望のままに行動していた。先程も言いましたが、国王ルークや闇神リヴォグラフの命令もあったとは思いますが、ラドフォード帝国と通じ、闇ギルド【御九星集団】のキーラたちや【闇の教団ハデス】、【セブドラ信仰】の魔人集団と手を組んで、オセべリア大平原の戦争では王太子を殺し、迷宮都市ペルネーテで戦乱を巻き起こした。無数の人々が犠牲になりましたが、ファルス殿下とレムロナとフランに俺たちの【血星海月雷吸宵闇・大連盟】の活躍もあり、最小限の被害に収まったとは思います」
「……はい」
と、肯定したクシュナーは目を瞑る。
……数回頷いてから、皆を見回して、
「……クリム、自らの兄を殺すとは、なんて非情な男か……そう言えば、〝僕をコケにしたレルサン、馬上槍で、僕を……〟と呟いていたが……ひょっとして根に持ち続けていたか。そして、そのクリムの父のルーク国王も国王だ……闇神リヴォグラフの傀儡と化すとは……永遠の王にでも、成ろうとしていたのか……」
と呟く。
「ルーク国王の詳細は知らないですが、クリムと同等か、それ以上に国民に残酷なことをしていたかもしれない」
「……それは、そうなのでしょう、王権を活かし、闇神リヴォグラフに捧げるために、魂を集めていたのかも知れませんね……」
「はい、闇ノ淫魔獣グレバロスに変化する時に女性の体を無数に取り込んでいるような肉のぶよぶよが見えていた」
「……それは……ファルス殿下は生きているのですよね?」
「はい、生きています。弟と父と違い、真っ当な方です」
「安心感を覚えますが、前途多難すぎる……」
「ですね、アス家として、そんなファルス王を支えてくれますか?」
「それは、はい……しかし……」
と、言葉を濁す。何かあるのかな。
ま、今の今まで、ここに硝子容器の中に居たんだ。
数年かな、時間は分からないが、今は家族と一緒に安静にしたいだろう。
そして、ファルス殿下とはまったく異なる男がクリム。
同じ血筋だから責められるかもな、だが、ファルス殿下は、これらのことを秘密にはしないだろう。
すべてを晒し、すべての真実を現したほうが、力になる。
クシュナーは、
「……サケルナートとサーエンマグラムとルーク国王……そいつらと共謀したクリムに、私は殺され、まんまと実験台にされていたということですね。そして、こうして、たまたま体が残っていたからシュウヤ殿たちが私を復活できたと……」
頷いた。
クシュナーはディアと同じく魔術師の素養が高いか。
錬金術師としての腕前も高いのかも知れない。
「はい、体を残していた理由は貴方の体が貴重だったからだと思います。俺は神魔の魂図鑑に魔力を込めて<神魔ノ魂使い>の恒久スキルを得られた。そうしたことで神魔の魂図鑑に格納されている魂を操作できるようになりました。貴方の魂の健全を選んだことで、貴方は復活ができた」
「……はい、ありがとうございます……感謝しかない。その神魔の魂図鑑とは、クリムが使っていた秘宝のアイテムでしょうか」
「はい、クリムは、そこの絨毯の下のスペースに蓋をして、バビィリナスの魔法力袋という名のアイテムボックスに入れて隠していました」
「……本人が出し入れしやすい場所にバビィリナスの魔法力袋ごと〝神魔の魂図鑑〟を仕舞ったのか……時折、私のような存在を復活させるのに利用していた?」
「そうかもです。他にも硝子容器と魔機械は複数ありましたから。そのクリムですが、ここに逃げる前にも無差別に人々を襲っては、凄まじい再生力を活かして復活しては、この第三王子邸を知るキュベラスを追い掛けていた」
「……キュベラスが道案内を、なるほど……」
「はい」
「クリムは、魂が入っている神魔の魂図鑑が大事なら本人が持っておくべきだったと思いますが」
頷いた。
「クリムのホムンクルスとは、一度ペルネーテの空で戦い、倒したことも影響があるかもです。神魔の魂図鑑を本人が持っていた場合、本人ごと倒されて消える恐れを避けるため、床に隠していたのかもしれません。ま、これは推測の域ですが」
「なるほど、クリムも計算外の連続だったと」
頷いた。ヴィーネが、
「クリムは、ここに来るまでの間、逆上しているように見えました」
その言葉に皆が頷く。
「神魔の魂図鑑が大切なら、自分で持ち運ぶほうが良かったとは思いますから、何か、突発的なことが、ここで連続で起きた後だった、とも推測はできます」
と言いながら、強かった【異形のヴォッファン】のライゾウを思い浮かべる。
「ん、シュウヤと戦ったクリムのホムンクルスが本人と記憶を共有しているのなら、シュウヤと当たれば倒されると思い、〝神魔の魂図鑑〟ごと消されてしまう恐れを避けたかったのかも?」
エヴァの言葉に皆が頷き、キサラが、
「そうですね、リスクの分散、クリムの魂の欠片は神魔の魂図鑑以外にもあるかもです」
「それは……あぁ、ありえるか」
皆も神妙な顔付きを浮かべて頷き合った。ヴィーネも、
「推測の域は出ませんが、はい」
と肯定。そのヴィーネは、
「キュベラスの裏切りと、わたしたちが、グロムハイム城に正面から乗り込んでくるとは、クリムもさすがに読めなかったか」
ヴィーネの言葉に頷いた。地下オークションが終わった直後に【御九星集団】と激突は予想していたと思うが、さすがにな。
「たしかに、クリムにしてみれば俺とキュベラスにアルケーシスの戦いを見ている側だ。それが手を組むなんて想像できないだろう」
「それはたしかに、まさに、昨日の敵は今日の友だ」
アドゥムブラリの言葉に皆が、頷いた。キュベラスは、アドゥムブラリたちに見つめられて照れたように微笑む仕種が可愛い。クシュナーは皆の言葉を聞きながら地下施設の天井など横壁を見ていくとレザライサたちを見て、
「……もしや【白鯨の血長耳】の……」
レザライサは、頷いて、
「はい、盟主のレザライサです。失礼ですが王国主催の何かのパーティ会場で?」
「そうです、その時に見かけておりました」
「そうでしたか」
レザライサがパーティか、クリドススとファスを見やる。
クリドススは微笑んでからシャルドネ風の挨拶を真似していた。
何かの任務でレザライサはドレスを着てパーティに出席していたのかな、ドレス姿は見たい。貴族の粛清とか裏切り者を探すための任務はありそうだ。
皆を見ながら、
「皆、クシュナーをディアの下に送ってこようと思うがどうだろう」
「ん、言うと思った」
「ディアの下に? ここは王都グロムハイム近くですよね、塔烈中立都市セナアプアはかなり北ですよ」
クシュナーの発言に、
「大丈夫です。マスターは二十四面体でパレデスの鏡が使える」
ミスティが言うと、クシュナーは俺を見て、
「二十四面体……」
と呟く。キサラは、
「はい、シュウヤ様は、転移のアイテムを豊富に持ちますし、クナが造り上げたサイデイルとセナアプアの大転移陣を起点とする転移陣は南マハハイム地方に点在している、キュベラスは<異界の門>が使えます」
キサラの言葉にキュベラスたちが満足そうに頷いた。
「おう、二十四面体の十八面のパレデスの鏡にワープし、塔烈中立都市セナアプアの魔塔ゲルハットに戻る。ミスティも行こう」
涙を拭ったミスティは頷いて、
「――うん! 戻ってディアが安心する顔が見たい。ここを調べるのはクナに任せるから」
「承知しましたわ、ですが、ここの物はあらかた……アマリアたちに隠し部屋があるか聞いてから、王都グロムハイムのルーク国王の私室など、あの城の内部を調べておきます。そして、皆様をお待ちしてから、【大墳墓の血法院】に行きたいですわね」
「はい、喜んで、待っててください」
「はい」
クナとファーミリアは笑みを交わし合う。
「ではメル、ここの指揮は任せる。ヴェロニカも、ビュシエとヘルメたちにファルス殿下たちと連絡をして、ここを封鎖するなら封鎖していい。グロムハイム城も、多数の者で徹底的に調べたほうが良いだろう。それと、ここに来るまで、クリムがそこら中に生み出した怪物、モンスターたちの掃討の確認も頼む、キッカにゼメタスとアドモスが居るから戦いは既に終わっていると思うが、一応、連絡し報告をしといてくれ」
「はい!」
「任せて~」
と、ヴェロニカは大きい血剣に乗って地下施設の天井を調べ始める。
「「承知しました」」
「にゃっ」
肩に黒猫が乗った。相棒に耳朶は叩かれず。
その相棒は己の頭部と耳を、俺の後頭部に押し当ててから項に背を衝突させてきた。
毛の温もりと、少し冷たい肉球が可愛い。
「――シュウヤ様、私も付いて行きたいです」
「私も共に移動しますわ」
「はい、私もです」
ファーミリアとシキとアドリアンヌの言葉に頷いた。
レザライサたちも頷いている。
「おう、皆も一緒に行こう」
「ふふ、はい」
「私たちも付いていきます、ミスティさんが言われましたように、<異界の門>で皆さんの移動に貢献できますし、塔烈中立都市セナアプアにも【闇の教団ハデス】のセーフハウスは数個あります」
「了解した。【闇の教団ハデス】の闇のブレジンスキーをぶっ殺したことは、俺の記憶を見て知っていると思うが、そこの支部は、俺たちを恨んでいるかも知れない」
「はい、セナアプアの上界のフクロラウドこと大魔術師ケンダーヴァルのサセルエル夏終闘技祭ですね、そして、闇のブレジンスキーは闇神ハデスに祝福された闇精霊と融合し、不滅とされていた。ですが、シュウヤ様が倒したということは【闇の教団ハデス】に合わない何かをしていたということでしょう。わたしが勧誘されていたように、闇神リヴォグラフの派閥入りを果たしていたのかもです」
「なるほど」
キュベラスは強く頷いて髪を揺らす。
真っ直ぐな蒼い瞳でジッと見てきた。
頬が斑に珠色に染まり始める。小さい唇と顎に鎖骨も魅惑的。
胸から左右に開くローブから見えている胸元とくびれた腰も良い!
炎極ベルハラディも頷く。
そこで、戦闘型デバイスのアイテムボックスから――。
二十四面体を取り出す。
その二十四面体の面を掌でコロコロと回した。
皆に、十八面を見せながら表面の溝へと、魔力を込めた人差し指を当てた。そのまま指の腹でぐりぐりとなぞっていく。なぞられた溝は光を強まると――。
二十四面体が持ち上がり、浮上しながら横回転し、折り紙が畳まれるような機動が何重と行われる。一瞬で、光輝くゲートとなった。
環状のゲート先には、ペントハウスの光景が映り込む。
ソファが机と左の硝子越しに、植物園と屋上にある庭が見えた。
「おぉ、シュウヤ殿は、ゲート魔法を使える。大魔術師クラスでもあるのですね」
「はい、魔法も結構得意です」
「にゃおぉ~」
と、黒猫は口から小さい炎を宙空に吐いた。
「おぉ……ロロ殿様は神獣様として、炎を吐ける!」
「炎なら、ナイトオブソブリンとペルマドンも吐ける~」
と、城隍神レムランの竜杖から二匹の小さいドラゴンを立体化させては、クシュナーの周りを廻らせていた。
「「「おぉ」」」
クシュナーと降伏したアマリアさんと二人の女性も驚いていた。
「にゃ~」
「ご主人様、わたしも共に魔塔ゲルハットに行きます」
ヴィーネは俺の右腕を奪うように抱きついてきた。乳房が二の腕をギュッと締めてくる。タマラン、とヴィーネの細い背に右手を当てながら、
「おう、戻ろう」と長い耳にキスを行うと「ぁ……」と微かな喘ぎ声を発しながら胸に顔を埋めてくる。可愛いヴィーネの温もりが嬉しかった。
「ちょ、隙を見せたら直ぐ! わたしもゲルハット経由よ!」
「ん、わたしも魔塔ゲルハットに行く」
「了解、ではメルたち後で」
「「「「「「はい!」」」」」」
皆でゲート越しに見えているペントハウスの内装を見ながらゲートを潜った。
レザライサたちとザガとボンもルビアも潜った。
一瞬でクシュナーと皆と共にペントハウスに帰還。
「ここが……もう塔烈中立都市セナアプアなのですね、あ……」
クシュナーの視線の先は、浮遊岩の前、そこにディアとペレランドラとドロシーがいた。
ディアは此方を見て、きょとんとしている
「お、お兄様……」
「ディア!」
と、駆けよっていくクシュナー。
ディアは両目を震わせて、「え、え……」と動揺していた。
クシュナーはディアの近くで止まり、ディアの身長を見るように腕を上げた。
「はは、眼鏡も変わらんか、そして、背が伸びたなぁ~」
と、なんか照れくさそうな家族の会話を行うと、指先をディアの前に伸ばす。
クシュナーは不思議そうな表情を浮かべてディアを見る。
ディアは「あっ」と発言し、俺とクシュナーを見比べる。
頷いた。「本物だ」と発言するとディアは涙を流して頷いていた。
良かったな、ディア。俺もたまらなく胸が熱くなってきていた。
皆も泣いている。レベッカを見ると鼻水が流して泣いてた。
ハンカチをエヴァに渡している。
ディアは涙を流してはクシュナーの人差し指を見ている。
クシュナーは、
「……ディア、元氣だったか? いつも通りの対応ではないから心配だぞ」
「……ふふ、はい、お兄様……」
と、クシュナーの人差し指に人差し指を当てていた。
妹と兄の挨拶か、そういえば、ディアとトイレで初めて合った時に……そんなことを言っていたな……。
「はは、そうだ、俺だディア――」
とディアとクシュナーは抱き合う、良かった。
続きは明日。 HJノベルス様から書籍「槍使いと、黒猫。1巻~20巻」




