表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
槍使いと、黒猫。  作者: 健康


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1562/2002

千五百六十一話 魔人キュベラスとの激戦と……

 <握吸>と<闇透纏視>を発動――。

 手応えの強い紫色のエネルギー刃を聖槍アロステで押し込みながら<血道第一・開門>を発動し、体から血を流しつつ<生活魔法>の水もを周囲に撒きながら<無方南華>を意識し、実行――。

 魔人キュベラスは、


「力も強いし、水の魔法と<血魔力>か。そして、引き手がブレて見えたわよ、さすがは槍使い――」


 と、発言し、魔杖の紫の魔刃の幅を広げると聖槍アロステを押し返しながら斜め右上に弾いてきた。


 こちらを見ながら後退し――反転。

 袈裟掛けに紫のエネルギー刃を振り下げてきた。

 それを聖槍アロステの柄で受けて、右側からの石突で<豪閃>を繰り出すが、魔杖の角度を下げた紫のエネルギー刃で<豪閃>は防がれた。


 魔人キュベラスは紫のエネルギー刃で円を描くように魔杖を持つ右腕を回す。


 紫のエネルギー刃が聖槍アロステの柄を這うように迫った。指と腕狙いに合わせた<魔手回し>を実行。


 聖槍アロステを回し、柄で紫色のエネルギー刃を弾きながら十字矛で<刃翔刹穿>――。

 聖槍アロステを強引に押し出し、魔人キュベラスの左腕を狙う。

 <刃翔刹穿>は魔人キュベラスの左のローブを少し焦がすように散らすのみで、魔杖の紫色のエネルギー刃に防がれると魔人キュベラスは体勢を低めながら前に出る。

 右腕を前に伸ばし魔杖を突き出してきた。

 その魔杖の放射口から迸る紫色のエネルギー刃が首に迫る。

 風槍流『異踏』で右に体を横にズラし、避けるまま聖槍アロステを下げて、紫色のエネルギー刃と柄の下部が衝突し続けたエネルギー刃の一部が白銀の衣装に衝突し、一部のヒラヒラが燃える。

 気にせず、横に移動しながら左腕が持つ聖槍アロステを左から右へと振るう<血龍仙閃>を繰り出した。


 ――長柄を活かした一閃は、


「――ふふ」


 笑顔を見せた魔人キュベラスは後方に飛翔し<血龍仙閃>を避けると全身の魔力を強めた。更なる<魔闘術>系統を発動したように体から放出されゆく膨大魔力の噴出で、ローブの頭巾は完全にはだけ、黒と紫が混じるミディアムの髪が風を孕んだように持ち上がる。


 胸から左右に割れていたローブがはためいた。

 前身頃の魔法衣の下とハイネックとスカートが露出。

 胸の膨らみの谷間にネックレスをぶら下げている。

 ネックレスの虹色の魔宝石には膨大な魔力が内包されていた。

 その魔人キュベラスは前進し――。

 上段から魔杖の紫色のエネルギー刃を振り降ろしてきた。

 と、下からも紫色のエネルギー刃が突き出てきた。

 その二つの紫色のエネルギー刃を聖槍アロステの柄と石突で防いだ。

 魔人キュベラスは左手にも魔杖を持っていたのか、二刀流か。


「――<魔十字ノ秘剣>を防ぐのは見事だけど――」


 と魔人キュベラスは消えた。

 背後か――<仙魔・龍水移>――。


「え――」


 魔人キュベラスの背後を取り返す。

 ローブの背に向け、右手が握る聖槍アロステの<血刃翔刹穿>を繰り出した――。

 魔人キュベラスの背を突き抜ける。否、残像か――。

 魔人キュベラスの本人は左前にパパッと連続転移を行い<血刃翔刹穿>の聖槍アロステの穂先から迸る無数の血刃を避けていく。

 

 魔人キュベラスたちは浮遊しつつ左に移動していくと宙空で制止して、


「――驚き、転移に血の礫を飛ばす槍スキル……四天魔女といい聖鎖騎士団とヴァルマスク家を組ませられる秘密も、その強さからくるのかしら――」


 と口から――衝撃波を飛ばしてきた。

 後方に吹き飛ばされる。


「<魔晶力ノ礫>――」


 魔人キュベラスの腕先からドッと重低音が響くと、彼女の眼前と宙空に魔宝石のような無数の欠片と塊が出現し、それらが飛来、直ぐに<仙魔・龍水移>で右の宙空に転移を行い、避けたが、俺がいた空間が小規模な爆発が起きる。

 

「にゃご!」

「くっ」


 黒虎(ロロ)とヴェロニカにも衝撃波と<魔晶力ノ礫>の無数のキラキラした魔宝石のような礫が向かっていたか。


 黒虎(ロロ)は魔人キュベラスの左を旋回していく。

 黒虎(ロロ)を追跡するように、連鎖的に爆発が宙空に起きていた。ヴェロニカも同様に右斜め上空を上昇しているが、ヴェロニカを追跡するように爆発が上昇していく。


 <魔晶力ノ礫>の魔宝石のような欠片は爆発するのか。


「そこ――」


 と、魔人キュベラスの指先からビーム状の魔弾が飛来――。 

 直ぐに上昇し、ビーム状の魔弾を避けたが。


「<魔晶力ノ礫>――」


 またもや無数の礫が飛来――。

 ショットガンの散弾的な遠距離攻撃に、それが爆発するとか超絶厄介だ――。


 が、<夜行ノ槍業・召喚・八咫角>はまだ使わない――。

 <武行氣>を強めて高速飛翔を行い――。

 <魔晶力ノ礫>を回避し続けた。


 魔人キュベラスは、ヴェロニカのフランベルジュの一閃と突きの連続攻撃と相棒の炎を避けると、俺を見て、特攻――。


 周囲に複数の魔杖を生み出しながら――。

 右手の魔杖の紫色のエネルギー刃の突きから――。

 

 左手の魔杖で左肩を畳ませるような挙動の袈裟懸けを仕掛けてくる。


 後退し、突きと袈裟斬りを避けた――。


 続けざまに、魔人キュベラスが<導魔術>で操作しているだろう五本の魔杖が迫った。


 紫と黒のエネルギー刃を凝視し、呼吸を整える。

 『一の槍から無限の枝(技)が生まれ風の哲理を内包した一の槍をもって万事を得る』を意識し、内観法を実践。


 ――聖槍アロステで風槍流『上段受け』と風槍流『中段受け』を駆使し、連続的に三つの紫と黒のエネルギー刃を防ぐ。


 柄が振動し、衝突した箇所から火花が散る。

 指に火の粉が掛かったが構わず、右手に白蛇竜小神ゲン様の短槍を召喚し――。


 魔人キュベラスの体がブレるほどの紫のエネルギー刃の連続斬撃を白蛇竜小神ゲン様の短槍と聖槍アロステの柄で防ぎまくったところで――。


 反撃に<断罪刺罪>と<血龍仙閃>を繰り出す――。


 魔人キュベラスは左右の手が握る魔杖を振るい回す。

 左右に移動を繰り返し、紫のエネルギー刃で<断罪刺罪>と<血龍仙閃>を連続的に弾くように防ぐ、構わず、「行くぜ、魔人キュベラス――」と、聖槍アロステと白蛇竜小神ゲン様の短槍で<水極・魔疾連穿>を繰り出した。


「――くっ」


 魔人キュベラスは反応している。

 魔杖を掲げて一撃、二撃の突きを防ぐ。

 両腕がブレルほどの速度で突き出ていく聖槍アロステと白蛇竜小神ゲン様の短槍の<水極・魔疾連穿>は止まらない。


「チッ、回転力が異常――」


 魔人キュベラスは後退しつつ忙しなく両腕を動かし、魔杖の放射口から迸っている紫のエネルギー刃で<水極・魔疾連穿>を防いでいく。

 

 周囲に浮かぶ魔杖も魔人キュベラスが操作しているように――。

 体の表面や周囲を動き回り、魔杖から出ている紫と黒のエネルギー刃で<水極・魔疾連穿>の聖槍アロステの十字矛と白蛇竜小神ゲン様の短槍の杭刃を弾き続けた。


 <水極・魔疾連穿>から体を守り続けている。

 魔人キュベラスの周囲で無数の火花が散った。


 と、魔杖の放射口が煌めいた。

 <水極・魔疾連穿>を止める。


「二槍流の情報は得ていたけれど、本物は違うっ、だけど――」


 紫のエネルギー刃の放出が強まった。

 横に出た魔人キュベラスは半身から魔杖を連続的に突き出してきた。 

 紫色のエネルギー刃が迫るが、<暁闇ノ歩法>を発動――。

 空間の闇を足で掴むように斜め前に加速移動し、紫のエネルギー刃の飛来を避けながら、魔人キュベラスの側面を取った瞬間――。


 <暁闇ノ跳穿>を繰り出した。


 魔人キュベラスは、ブゥン、ブゥゥン、ブゥン――と音を発している複数の魔杖を操作し、紫と黒のエネルギー刃で、ジャンピング<刺突>のような<暁闇ノ跳穿>を防いできた。

 

 魔人キュベラスは、


「<愚王・魔加速>――」


 と加速し、速度を上昇させながら、両手に持つ魔杖を突き出し、紫のエネルギー刃で、俺の正中線を狙ってきた。


 更に周囲の魔杖を<導魔術>で操作し――。

 突きと一閃の剣舞を繰り出してくる。


 白蛇竜小神ゲン様の短槍と聖槍アロステで、連続突きと剣舞を防ぎながら後退したところで、


「ふふ、硬いけど――<魔晶力ノ礫>――」


 と、<仙魔・龍水移>で無数の礫を喰らわず避けた。

 やや遅れて、俺が居た空間は魔宝石の欠片のような物が爆発した。


「――<魔晶力ノ礫>に<魔死眼刹>――」


 無数の礫を左に移動し避けた、が、俺がいた空間は爆発――。

 そこに極めて速いビーム状の攻撃はヤヴァい――。

 <血道第三・開門>――。

 <血液加速(ブラッディアクセル)>――。

 加速し、<魔死眼刹>を避けた。


 が、避けたところに<魔晶力ノ礫>が置かれていた。


 動きを読まれた、ショットガンの礫の攻撃か――。

 即座に斜め左上に<仙魔・龍水移>し、<魔晶力ノ礫>を避けて、<魔死眼刹>が飛来してきたから、また右手に<仙魔・龍水移>で避けた直後――。


 魔印のような物が、目の前と――。


「背後にも魔印が浮いている!」


 と、ヴェロニカの声が響くと周囲の空間が歪む。

 歪んだ空間から無数の魔杖が飛び出てきた刹那――。


 視界が急激に暗くなる。

 即座に<夜行ノ槍業・召喚・八咫角>を召喚――。


 <滔天内丹術>を実行。

 <ルシヴァル紋章樹ノ纏>を実行――。


 <魔晶力ノ礫>の無数の礫と爆発を、大きい駒の<夜行ノ槍業・召喚・八咫角>ですべて防ぎ魔力を得た刹那、<仙魔・龍水移>し、前方に移動、俺がいた背後では、魔刃の塊が破裂し、魔刃だった欠片が炸裂していく。

 四方八方に破片の破片のような魔刃が飛んでいた。

 魔人キュベラスは<導魔術>で操っているだろう複数の魔杖の一部も<魔晶力ノ礫>の無数の礫と爆発の影響で破壊されていた。


 盾代わりの<夜行ノ槍業・召喚・八咫角>を横にズラしながら魔人キュベラスの横を飛翔する。


「――チッ、指摘があったとはいえ、なんて勘の良さ、魔法の盾か。ここまで読みが外れるとはねぇ、槍使いは大魔術師級でもあるのか――」


 魔人キュベラスは速度を上昇させて寄ってくる。

 余裕感は消えた印象だ。

 その魔人キュベラスに、相棒の触手骨剣が迫った。

 

 魔人キュベラスは両手の魔杖を消す。

 

 両手の数本の指先に小形の魔法陣を発生させると、そこから魔法のカーテンのような防御魔法が幾つも展開し、触手骨剣と衝突する。と、骨剣はカーテンの表面を貫かず滑るように跳ね返った。「ンン――」黒虎(ロロ)は触手を引っ込める。


 魔人キュベラスは、ヴェロニカに向け指先から――。

 <魔死眼刹>を放つ――。

 口からも衝撃波を発し、爆弾ポーションを<投擲>し、ヴェロニカの攻撃を封じている。

 ヴェロニカは両手に持つフランベルジュの血剣と無数の血剣による剣舞のラッシュが可能だが、魔人キュベラスは上手く往なして、近づけさせていない。魔人キュベラスは戦い方が上手い。


 その魔人キュベラスの背後に――。

 エヴァたちが戦う大柄の魔人アルケーシスが見えた。

 ハミヤの言葉を信じたようで、レングラットとチャンヴァルとケキミラに魔族殲滅機関(ディスオルテ)の隊員たちは<血道・石棺砦>で生成したと分かるモール状トンネルに転がり込んでいく。


 皆は大丈夫そうだ。

 即座に魔人キュベラスに向け<超能力精神(サイキックマインド)>の衝撃波を喰らわせる。


「――な!?」


 魔人キュベラスの横に風の魔法陣でもあるのか<超能力精神(サイキックマインド)>は威力が減退されていたが、吹き飛ぶ魔人キュベラス、そこに相棒が突進――。


「にゃご――」


 と鳴きながら左前足の爪を突き出す。

 宙に浮かぶ魔杖の一部が魔人キュベラスを守るように飛来し、魔杖から伸びている黒と紫のエネルギー刃が相棒の爪を連続的に防ぐ。


 反対側から血色に煌めいたヴェロニカが「<血白狐閃>――」を繰り出した。


 前傾姿勢だった魔人キュベラスは左手の魔杖の紫のエネルギー刃を縦に構えた。

 ヴェロニカのフランベルジュの斜め右上から左下に向かう<血白狐閃>の袈裟斬りを防ぐ。

 鋭い視線のキュベラスは強い。

 更に、相棒の左前足の爪の斬撃も複数の魔杖のエネルギー刃で払う。

 <導魔術>系統で動かしているう複数魔杖は、魔人キュベラスを守る衛星のように、周囲を旋回し、黒と紫のエネルギー刃で、相棒の「にゃごっにゃごお!」と連続的な爪の引っかき攻撃を防いでいた。


 と、反撃に複数の魔杖が黒虎(ロロ)に向かう。


 魔人キュベラスに《連氷蛇矢フリーズスネークアロー》を連続的に射出。

 やや遅れて<鎖>も射出した。


 相棒は、後転し橙色の魔力を宿した後ろ脚の爪で魔杖の紫のエネルギー刃を防ぐと、そのエネルギー刃ごと魔杖を切断しては、「にゃごぁぁ」と魔人キュベラスに紅蓮の炎を吐いた。

 

 魔人キュベラスは周囲に魔法陣を生成し、《連氷蛇矢フリーズスネークアロー》と<鎖>を正確に防ぐ――。


 その魔人キュベラスに紅蓮の炎が直進、炎に呑まれたかと思いきや――魔人キュベラスは転移し、紅蓮の炎を避けると、転移した先の宙空で、指先を組み出し、「<幻獣バ・ラギロス――>」と呪文を発動。

 魔杖の群れが相棒に直進し、頭上の空間から半透明な怪物の頭部が出現。


 半透明な怪物の頭部は急降下し、黒虎(ロロ)を狙う。

 続いて、魔杖の紫のエネルギー刃と黒のエネルギー刃が、独自に拡がって積層とした魔法陣のボックスが造られると相棒を封じ込められる。相棒は上を向いて紅蓮の炎を吐いた。


 紅蓮の炎をまともに浴びた怪物の頭部は消えた。


 更に黒虎(ロロ)の体から出た無数の触手骨剣が、魔杖の紫のエネルギー刃と黒のエネルギー刃で生成した魔法陣のボックスを切り裂いて破壊。


 ヴェロニカは魔人キュベラスに向かうが、その魔人キュベラスを守るように二つの魔杖から出ている紫のエネルギー刃に襲われていた。


 魔人キュベラスに<鎖>を連続射出しつつ間合いを詰めた。


「<鎖>の攻撃とは――」


 転移した魔人キュベラスの右斜めに<仙魔・龍水移>し、いきなりの<龍豪閃>――。

 聖槍アロステの薙ぎ払いが魔人キュベラスの頭部に決まるかと思ったが、魔人キュベラスは、左右の両腕を振るいながら己の体も捻る――<舞斬>のような回転連続斬りのスキルを繰り出してきた――。


 <龍豪閃>は相殺されたが、左手の白蛇竜小神ゲン様の短槍で<白蛇竜異穿>――。

 魔人キュベラスの<舞斬>のような回転斬りは止まらない。


 至近距離から<超能力精神(サイキックマインド)>を回転中の魔人キュベラスにぶち当たると止まった。


「ぐぁ」


 即座に聖槍アロステに魔力を込めて<投擲>――。


 魔人キュベラスは、右手の魔杖の紫の魔刃で聖槍アロステを受け止める。

 聖槍アロステを払いながら前に出た。


 <血想槍>を意識し発動しながら前進――。

 魔人キュベラスは<刺突>系の連続突きから袈裟斬りを繰り出す。

 <水月血闘法>を実行――。

 <血魔力>を活かしながら横に移動し、<握吸>で聖槍アロステを引き寄せるまま<闇光の運び手>を実行――。


「なに――」


 と、俺の動きに混乱したような魔人キュベラス。

 そのまま右手に義遊暗行剣槍を装備し、左手の武器を神槍ガンジスに変化させた。続いて<義遊暗行装具>に変化させた。

 【義遊暗行師会】の装備のまま前傾姿勢で左足の踏み込みから、牽制を意識した<刺突>を繰り出した刹那、左手で握る神槍ガンジスで<夜行ノ槍業・壱式>を繰り出した。


「な――」


 左腕ごと直進した神槍ガンジスの双月刃が魔人キュベラスの右手が持つ魔杖から迸っている紫のエネルギー刃と衝突。

 左腕を引きながら伸ばした右腕の右手が握る義遊暗行剣槍の穂先が紫のエネルギー刃と衝突。

 続けざまに両手がブレる速度で突きまくり、魔人キュベラスの「加速技なら幾らでも――」と連続斬りを繰り出してくるが、<夜行ノ槍業・壱式>の一撃、一撃で、相殺していく――残り二撃の<夜行ノ槍業・壱式>が魔人キュベラスの腕と脇腹を捉えた――。


「げぇ――」


 穿たれた片腕と魔杖が上空に飛ぶ――。

 吹き飛んだ魔人キュベラスは即座に片腕を回復させながら<導魔術>を活かした無数の魔杖で、<夜行ノ槍業・壱式>の終わり際を狙ってくると、左に転移しながら魔杖を振るってくる。


 紫のエネルギー刃が迫った。

 

「――槍使い!」

「おう――」 


 薙ぎ払いを神槍ガンジスで受け止める。

 魔人キュベラスは背から膨大な魔力を噴出させた。


 刹那、魔人キュベラスは分裂したように分身し、それらの分身と本人が魔杖を振るってきた。魔刃から迸る紫のエネルギー刃を連続的にスウェイの動きから屈んで後退し、避けて、左足を後ろに下げ半身でエネルギー刃を避け、そのまま旋回機動を取りながら――。

 <仙魔・暈繝飛動(うんげんひどう)>を発動し、<水月血闘法・水仙>を実行し、旋回するように、移動して、複数の魔杖の攻撃を避ける。

 複数人の剣豪がムラサメブレード・改のような鋼の柄巻を持ち、俺を振るい突いてくる斬撃を避けていく気分のまま、魔人キュベラスが操作している魔杖の放射口から出ている紫のエネルギー刃を避けていく。


 紫のエネルギー刃は時折太くなるから厄介だ――。

 

 ※仙魔・暈繝飛動※

 ※仙王流独自<仙魔術>系統:奥義仙技<闘気霊装>に分類※

 ※使い手の周りに霧と白炎を発生させる※

 ※魔法防御上昇、物理防御上昇、使い手の精神力と体力の回復を促す※

 ※仙王流独自<仙魔術>の様々な仙技類と相性が良い※


「「「「白炎の霧で視界を奪うつもりのようだけど――」」」」


 無数の魔人キュベラスは両手の魔杖から迸っている紫のエネルギー刃を太くした。

 ――それを振るってくる。

 右斜めに上昇しながら避けたが、血の分身は切断されまくる。


 五月雨の如くの紫のエネルギー刃により白炎の霧の一部が根こそぎ消えた。


 即座に<滔天魔経>――。

 <光魔血仙経>――。

 複数の魔人キュベラスたちに<暁闇ノ幻遊槍>――。


 即座に周囲に武器を出す。


「な!? 魔槍が無限? これは――」


 両手を合わせ拝み――。


 血を纏う夜王の傘セイヴァルト――。

 血を纏う聖槍ラマドシュラー――。

 血を吸う魔槍杖バルドーク――。

 血を纏う魔槍ラーガマウダー――。

 血を纏う霊槍ハヴィス――。

 血を纏う王牌十字槍ヴェクサード――。

 血を纏う聖槍アロステ――。

 血を纏う雷式ラ・ドオラ――。

 血を纏う独鈷魔槍――。


 <闇透纏視>で分身を見破り、魔人キュベラスの本体を狙う。


 夜王の傘セイヴァルトで<断罪刺罪>――。

 血を纏う聖槍ラマドシュラーで<攻燕赫穿>――。

 血を吸う魔槍杖バルドークで<血刃翔刹穿>――。

 血を纏う霊槍ハヴィスで<刃翔刹閃>――。

 血を纏う王牌十字槍ヴェクサードで<魔仙萼穿>――。

 血を纏う聖槍アロステ――で<杖楽昇堕閃>――。

 血を纏う雷式ラ・ドオラ――で、<血刃翔刹穿>――。

 血を纏う独鈷魔槍で、<刃翔鐘撃>――。

 血を纏う魔槍ラーガマウダーで<鳳凰ノ炎翔穿>――。


「げぁぁぁ――」


 魔人キュベラスの体は一瞬でミンチ状に潰れるがゼロコンマ数秒で体が再生し、また直ぐに体がズタズタに裂かれて散るが、散った肉片ごと一カ所に移動し、即座に再生したところで、ぐったりとした表情を浮かべ、


「くっ」


 と、右斜めから殺気――。


『――閣下! <精霊珠想>――』


 即座に<精霊珠想>の常闇の水精霊ヘルメが僅かに左目から出たお陰で助かった。

 

 黒い閃光が目の前を通り抜けた。

 血を纏う夜王の傘セイヴァルト――。

 血を纏う聖槍ラマドシュラー――。

 血を吸う魔槍杖バルドーク――。

 血を纏う魔槍ラーガマウダー――。

 血を纏う霊槍ハヴィス――

 が、黒い閃光により吹き飛ぶ。


 俺の周囲に<血想槍>を構築している血の世界のような<血魔力>も一部が切り裂かれるように消えた。


 ヘルメの<精霊珠想>から結構な魔力を得たが、<精霊珠想>の液体ヘルメは半分ほど削られていた。

 その<精霊珠想>ヘルメを見ながら


「ヘルメ、外に出て、新手とそこの魔人キュベラスを見といてくれ」


 <精霊珠想>のヘルメは俺の左目から出て直ぐに女体化すると、<珠瑠の花>を魔人キュベラスに伸ばす。


「く、くるな――」


 魔人キュベラスは両手に生み出した魔杖から紫の魔刃を発生させるが、<珠瑠の花>の速度に追いつかず、全身が拘束される。

 

 

続きは明日。HJノベルス様から書籍「槍使いと、黒猫。1~20」

コミックス1巻~3巻発売中。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 魔人キュベラスも中々強いが、余裕綽々感が無くなった様にシュウヤの実力を過小評価してましたな。 [一言] <暁闇ノ幻遊槍>と<血想槍>の合わせ技か。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ