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槍使いと、黒猫。  作者: 健康


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1551/2000

千五百五十話 闇神リヴォグラフの【闇神異形軍】と【九紫院】と魔術総武会連合の戦い

 ◇◆◇◆


 ここは【幻瞑暗黒回廊】――。

 ミスランの法衣を着た古代ドワーフの大魔術師アウグストと弟子たち【ダークトラッカー】が、闇神リヴォグラフの眷族と【異形のヴォッファン】の怪物兵士たちを倒していく。

 彼らは【ミスラン塔】を統括する【輪の真理】の最上位組織【九紫院】。その実力は闇神リヴォグラフの眷族だろうと関係がないように次々に闇神リヴォグラフの軍を撃破していた。


 更に、魔術総武会本会議の執行部隊も居る。

 そして、セナアプア支部、エルンスト支部、ペルネーテ支部、グロムハイム支部、サザーデルリ支部、アセルダム支部、タンデート支部、レジーピック支部の【玲瓏の魔女】、フォルアン支部、イゾルガンデ支部、デニム支部、ソクテリア支部など各都市の魔法ギルドの連合チームも、【幻瞑暗黒回廊】の戦いに参加していた。


 今も、闇神リヴォグラフの眷属衆の一角【異形のヴォッファン】の【闇神異形軍】の大部隊と衝突している。


 総勢五十万は有に超えている【異形のヴォッファン】を率いるのは闇神リヴォグラフの大眷属ヴォッファン。


 配下に一番隊隊長ライゾウ・コヨブギ――。

 二番隊隊長ガイブ・デホヌラ――。

 三番隊隊長レグアル・ゲイネラボン――。

 四番隊隊長ベゲル・トナスゴダ――。

 五番隊隊長ボヌルハル・バベアサザス――。

 六番隊隊長フィロ・ケニエムル――。

 七番隊隊長アカ・ラグロモルデス――。

 八番隊隊長ゴフォルマー・ミィラネス――。

 九番隊隊長ガガルアン・トマルカゲボン――。

 十番隊隊長ラディット・サヤンバトン――。


 各隊の闇神リヴォグラフの魑魅魍魎のモンスター兵士の数は一万を余裕で超えている。


 それらと、【幻瞑暗黒回廊】の右側で戦っているのは、セナアプア支部の魔術総武会の大魔術師アキエ・エニグマ。


 魔塔ナイトレーンに幽閉されているはずだが、各都市の魔法学院と要所と繋がっている【幻瞑暗黒回廊】に闇神リヴォグラフの眷族たちが多数現れ、戦争状態となったことで、魔術総武会本会議の執行部隊とセナアプア支部は揉めていたが、一転して協力し、闇神リヴォグラフの眷族たちと戦うことになった。


 彼女はセナアプア組の前衛組を率いる隊長として躍動中。

 転移魔術<幻転移>と幻魔法<泡鴉>を巧みに使い大暴れ。


 次々に【闇神異形軍】に所属する魔族たちをラモンの巨大な爪で薙ぎ払う。


 ラモンの巨大な爪が左右に行き交うだけで数百の魔族兵士が切断される。


 恐竜のようなアラゴネスは口から無数のカメレオンのような長い舌を繰り出す。


 カメレオンのような長い舌が、複数の【闇神異形軍】の異形の兵士を絡め取る。

 動きを封じると、そのアラゴネスの舌ごとラモンの巨大な爪が異形の兵士たちを一度に切断していた。

 

 アラゴネスの悲鳴が轟く。

 と、アラゴネスは体を大きくさせながらラモンの巨大な爪に突進――。

 【闇神異形軍】を吹き飛ばしつつラモンの巨大な爪と衝突し、大爆発が起きた。

 

 その影響で【幻瞑暗黒回廊】の一部に罅割れが起きる。

 罅割れた【幻瞑暗黒回廊】の欠片が刃となって闇神リヴォグラフの眷族たちを襲撃し――更に崩壊した【幻瞑暗黒回廊】から提灯鮟鱇のような深海魚の大怪物が口を拡げながら出現した。


「『ゴォォォォォォォン』」


 と、神意力を有した奇怪な重低音を響かせながら直進。

 その提灯鮟鱇のような深海魚の大怪物は【闇神異形軍】の眷族たちと、九番隊の殆どを飲み込みながら反対側の【幻瞑暗黒回廊】の異空間に突入して【幻瞑暗黒回廊】の一部を破壊しながら消えていた。


 【幻瞑暗黒回廊】は異空間ごと喰らったように超巨大な歯形が【幻瞑暗黒回廊】に出来ていた。

 歯形の中身に異次元の銀河系を覗かせるが、そこに奇怪な眼球を擁した卵の形の大怪物が、こちらを覗いていた。

 その大怪物を見た闇神リヴォグラフの【闇神異形軍】の一部の怪物たちは、ゆらゆらとオカシナ動きを取り、その奇怪な眼球を擁した卵の形の大怪物に近付いていく。

 奇怪な眼球を擁した卵の形の大怪物は眼球から電磁波を放出し、怪物たちを洗脳したのだ、卵の形が崩れるほどに口を拡げた大怪物は、闇神リヴォグラフの【闇神異形軍】の怪物兵士たちを喰らっていた。


 こうした現象も大魔術師アキエ・エニグマの作戦通りだろう。

 その大魔術師アキエ・エニグマはルガルゥを召喚。

 ルガルゥは巨大な拳を遠距離近距離問わず一瞬で生み出せる。


 一瞬で数百回以上の<ルガルゥの魔拳>を使いながら転移魔術<幻転移>と幻魔法<泡鴉>を繰り返す大魔術師アキエ・エニグマは【幻瞑暗黒回廊】の内部を神出鬼没に行き交う。

 

 無数の闇神リヴォグラフの眷属たちを確実に潰すように屠っていた。


 ――大魔術師キュイジーヌも前衛組。

 彼女は体を【幻瞑暗黒回廊】の異世界との境目を利用し、同化するように姿を消すと片手で器用にアイスクリームを食べながら、反対の指先から<氷結魔皇レファールソードの大爪>を繰り出す。


 <氷結魔皇レファールソードの大爪>は【幻瞑暗黒回廊】の一部を切り抜けることも可能な巨大な氷の大爪だ。


 <氷結魔皇レファールソードの大爪>は直進し一瞬で相対していた【闇神異形軍】の二番隊の数千の異形のモンスター兵と二番隊隊長ガイブ・デホヌラを屠る。


 ――大魔術師ラジヴァンも前衛組。

 彼は周囲に魔槍の幻影を生み出しながらの、自らの体から火炎を発し、右手に持つ魔槍の突貫と左右に廻る薙ぎ払いから突き上げの槍舞を繰り出し複数の闇神リヴォグラフの眷属たちを屠る。


 大魔術師スプリージオも前衛組。

 前線に立ち「雷風魔速」を発動。周囲に無数の雷風の刃を生み出しながら、自らの魔槍を突き出し螺旋回転を加え、幻瞑暗黒回廊を駆け抜け、異形のヴォッファンの五番隊の隊員たちと隊長ボヌルハルの体を貫いて倒していた。

 

 ――大魔術師ダルケル・ロケロンアと古代ドワーフの大魔術師ガレルハンと大魔術師アモアススと大魔術師ケメルスと大魔術師インベスル後衛組。


 大魔術師ダルケル・ロケロンアは碁盤のような四角い物体を前衛の大魔術師の死角を守るように幾つも召喚し、守っていた。

 

 他にも魔術総武会の本会議議長で執行部隊を率いる赤い閃光こと大魔術師ベリル・エルレイが縦横無尽の活躍を見せる。


 ――両手に赤星聖剣と赤霊骨魔剣を持つベリル・エルレイは加速しながら、その二振りの特殊な剣を振るう。

 <赤ノ連剣舞>を繰り出し、複数の【異形のヴォッファン】のモンスター兵を屠ると直進――。


 ――【幻瞑暗黒回廊】の異空間に大魔術師ベリル・エルレイの赤い閃光が迸る。

 その大魔術師ベリル・エルレイは両腕を高速に振るい――。

 <赤星連剣エルレイ>と<赤霊残像剣>を連続発動――。

 

 赤い綺羅星のような残像剣を宙空に残す――。

 凄まじい連続斬りを繰り出し、七番隊の魑魅魍魎の怪物兵士たちを一瞬にて細切りに処すると大柄の隊長アカ・ラグロモルデスをも斬り刻んで倒していた。


 その本会議議長の活躍に古代ドワーフの大魔術師アウグストが、


 「赤い閃光は噂通りの実力者じゃな! が、我らミスラン塔を本拠にする【輪の真理】の【九紫院】こそが、魔法ギルドの頂点! 智恵の神イリアス様と秘密の神ソクナー様に最も愛されている者と、自負がある!」


 古代ドワーフの大魔術師アウグストが、そう叫ぶと、両手を翳す。

 大魔術師アウグストは<輪の真理>と<九紫ノ環>を発動すると、両手の前方の空間が歪む。

 そこに、特殊な魔法陣が生成された。更に魔法陣の前方に幾つも魔法円が生成される。

 一瞬で、それらが重なると、九つの知恵の輪のような巨大な環となって、直進――。

 転移をしては【異形のヴォッファン】の大部隊に突入し、【幻瞑暗黒回廊】が揺れるほどの大爆発が起きた。

 衝撃波が発生し、周囲の【幻瞑暗黒回廊】も幾重に切断される。

 次元ごと切断された。周囲の次元界の法則が狂い始めた。

 無数の宇宙次元の【幻瞑暗黒回廊】と重なり、何事もない【幻瞑暗黒回廊】に変化すると数万の【異形のヴォッファン】軍と、十番隊隊長ラディット・サヤンバトンが一瞬で消えていた。


 【ダークトラッカー】を率いる古代ドワーフの大魔術師アウグストと、魔術総武会の執行部隊とセナアプア組などの活躍もあり【異形のヴォッファン】の闇神の精鋭たちを押し込めることに成功していた。


 すると、


「ハッ、【九紫院】か。が、その程度――そろそろこの景色も仕舞いにするか――」


 【異形のヴォッファン】の一番隊隊長ライゾウが突出――。

 セナアプア組の後衛大魔術師ケイ・マドールが生み出した多数の毒魔刹爆弾ポーションの爆風を潜り抜けたライゾウは加速し、体がブレた刹那――ケイ・マドール大魔術師の前に居た大魔術師ルィネス・カルアドとの間合いを零とした。


 【魔術総武会】本会議執行部隊の大魔術師ルィネス・カルアドは油断はしていないが、ライゾウの目に物とまらぬ速度に対応が遅れる。


 一番隊隊長ライゾウは両手に召喚していた魔刀リヴォルスターを振る抜く――。

 

「<神威薙ぎ>――」

「な!?」


 大魔術師ルィネスカルアが驚く間もなく魔刀リヴォルスターの剣刃を浴びた。

 魔杖ごとルィネスカルアの頭部と胴体が切断される。

 

 魔刀リヴォルスターの<神威薙ぎ>は大魔術師ベリル・エルレイの渾名のお株を奪うほどの赤い閃光を起こした。


 背後のケイ・マドール大魔術師の右下腹部も切断し、執行部隊の大魔術師エイシスと大魔術師スペクターと大魔術師ペシュアにセナアプア組の大魔術師インベスルと大魔術師ラジヴァンの胸と腕をも切断していた。


 ライゾウの体が魔刀リヴォルスターごとブレが止まった背後では大魔術師ルィネス・カルアドだった死体が四散――。


 大魔術師ケイは傷を受けながら、


「そんな、ルィネス!」


 と叫ぶ。そこに高級回復薬ポーションをケイに放りながら、前に出た大魔術師アキエ・エニグマが、


「――ケイ、退いて――<嵐渦ノ王槌ヴォルティクスキングハンマー>――」

 

 巨大な渦の暴風が、ライゾウに向かう。

 更に傷を回復させた大魔術師ラジヴァンと無傷の大魔術師ケメルスが繰り出した魔刃もライゾウに向かう。

 ライゾウは魔刀リヴォルスターで、飛来してくる<嵐渦ノ王槌ヴォルティクスキングハンマー>ごと複数の魔刃と六属性の魔法攻撃のすべてを切り裂き前進し――大魔術師ラジヴァンに近付く。


 大魔術師ラジヴァンは「げぇ、【闇神異形軍】にこんな存在が!?」と大魔獣ベルガルを前面に押し出す。

 ライゾウは袈裟懸けに魔刀リヴォルスターを振るい<神威斬り>を繰り出すと、ラジヴァンが召喚していた大魔獣ベルガルごとラジヴァンの胴体を両断して、大魔術師ラジヴァンを倒していた。


 そのライゾウに反撃が集中する。

 ライゾウは加速して危険な【幻瞑暗黒回廊】に突入し、大魔術師たちの連続攻撃を避けていた。


 ライゾウが突入したのは、亜空間と亜空間が衝突しては連鎖的に魔法の扉が生成されていく異空間――ライゾウの体は、亜空間と亜空間との衝突に巻きこまれ、幾重にも切り離されるように分割されて魔法の扉に吸い込まれて消える。


 が、闇神リヴォグラフの大眷属としての能力を活かすように、最後に残った魔刀リヴォルスターを振るい回すとライゾウは体を再生させて、それらの亜空間と魔法の扉を切断しながら前進。

 

 魔術総武会の本会議執行部隊の副長リアカリスタ・ペイラスラとの間合いを一瞬で潰すと、彼女の左腕を<闇神異形斬り>で斬り、胸に<心擬斬り>を浴びせて気絶させる。

 

そのリアカリスタの体を〝ゲッペルスの魔宿〟に吸収し拉致をしては、闇神リヴォグラフの大眷属ヴォッファンが繰り出した大規模攻撃<異形の飛怪群>に紛れるように後退し、

 

「ははは、<パピヨンの幻影>――」


 と、周囲に魔法の蝶の幻影を発生させて異空間の環境を利用するように【幻瞑暗黒回廊】を離脱していた。


 一番隊隊長ライゾウ・コヨブギが抜けた先は――。


 ◇◇◇◇

 

 ここは王都グロムハイムの王宮最下層の王の隠し部屋。

 天井から吊り下げられた闇のシャンデリアから血が混じる闇の炎が発生し、隠し部屋を怪しく照らす。


 シャンデリアから放たれる血と闇の炎には、異形の陰モンスターを生み出す魔法がかけられており、部屋全体が、その異形の陰モンスターの不気味な陰影によって蠢いて見えていた。


 左の壁と天井にかけては巨大な闇神リヴォグラフ像がある。

 その闇神リヴォグラフ像から大量に噴出している闇の炎は隠し部屋を覆い尽くすほどの量だが、その闇の炎は前方の黒曜石のような壁にあるアーチ状の門が囲っている【幻瞑暗黒回廊】の漆黒の霧に吸い込まれていた。


 【幻瞑暗黒回廊】は鳴動し、蠢いている。

 【幻瞑暗黒回廊】を囲うアーチ状の門には闇神魔王宝石が鏤められてあった。


 後ろと右の壁には積層型魔法陣と魔方陣が仕込まれ、巨大なタペストリーと壁画も刻まれてある。

 タペストリーには禍々しい闇神リヴォグラフのシンボルと眷属たちが描かれてあった。


 私室の中央には、闇炎魔王宝石と深紅魔王石の大きい祭壇がある。 

 

 その祭壇は闇神リヴォグラフと深紅の大魔公爵ヴェデルアモボロフの魔力が込められており、上面に複雑な魔法陣が彫り込まれてあった。

 周囲には床と壁に刻まれている魔法陣と連動した複数の燭台が置かれ、黒い蝋燭の炎は揺らめていた。


 祭壇には四肢が切断されたまま生きている女性の供物が並べられおり、近くには、闇の賢者石リヴォグラフと闇神ノ魔導書ヴェテルノ魔法書が開かれたまま浮いている。

 

 ルーク国王と宮廷魔術師サーエンマグラムと闇神リヴォグラフの大眷属ルビルコンによって<闇神の儀式>が執り行われていた。


ルーク国王が右手に持つのは闇神リヴォグラフの骨杖。

 闇神リヴォグラフの骨杖から生贄の供物に闇の炎が発せられていく。四肢が切断されている女性は溶けるように消えて、闇の炎として【幻瞑暗黒回廊】と闇の賢者石リヴォグラフに吸い込まれていく。


 ルーク国王は、


「――ふむ。これで、【異形のヴォッファン】に通じであろう」

「はい」

「サーエンマグラム、ゲィンバッハの動きはどうなっている」

「はい、サケルナートの子飼いによる情報ですと、まだ王太子を担ぐ算段のままです。戦場で第三王子に討たれたことを知らない様子」

「情報統制されているのだ、無理もないが、<王の手>もその程度。奴の子飼いも大したことがないな」

「しかし、ここで唯一正気を保ちながら王に意見する気概の持ち主ですからな、油断はできませぬぞ」

「クリムと同様に注意が必要か」

「はい」


 宮廷魔術師サーエンマグラムは、【幻瞑暗黒回廊】を見る。

 闇神リヴォグラフの大眷属テルガ・モルサから授けられた武具を出現させせた。


 <闇神の儀式>に使う器具が血に染まるボーグマイルデルの魔布も出現させて、王の右の前に出る。


 ルーク国王は、


「警戒は必要ないだろう、闇神リヴォグラフ様の大眷属様がこられる時間だ」


 半身の宮廷魔術師サーエンマグラムは頷き、


「はい、しかし、【幻瞑暗黒回廊】ですから」


 すると、【幻瞑暗黒回廊】の影が揺らめく。

 そして、そこから現れたのは【異形のヴォッファン】の一番隊隊長ライゾウ・コヨブギ。


 ライゾウは、闇神リヴォグラフの大眷属ルビルコンに会釈し、ルーク国王と宮廷魔術師サーエンマグラムを見やる。


 ルーク国王と宮廷魔術師サーエンマグラムは片膝の頭で床を突き、頭を下げていた。


「「闇神リヴォグラフ様の大眷属様――」」

「おう、【幻瞑暗黒回廊】だが、暫くは心配しなくていいだろう。それで、指示通りの大戦の……」


 と、ライゾウは祭壇の浮かんでいる闇の賢者石リヴォグラフを見て、表情を顰めた。チラッと闇神リヴォグラフの大眷属ルビルコンを見ると、ルビルコンは四腕を拡げて『さぁ? 知らない』とボディランゲージで意思を示す。


 ライゾウはルーク国王と宮廷魔術師サーエンマグラムを見て、


「……まだまだ魂、魔力の吸引が足りてないな」

「それは、はい。申し訳がありませんが、邪魔者するものがそれなりに出現しまして」


 宮廷魔術師サーエンマグラムの言葉にライゾウは睨みを強める。

 ルーク国王は何も言わず。

 

 ライゾウは、


「邪魔者だぁ? たっく、人族共、つかえねぇ……」


 〝ゲッペルスの魔宿〟から本会議執行部隊の副長リアカリスタ・ペイラスラを取り出して、ルーク国王と宮廷魔術師サーエンマグラムの足下に放る。


「ほら、まだ生きている。魔力も十分だ、それを生贄に利用しとけ」

「はい」

「ありがとうございます」

「で、邪魔者とは?」


 ルーク国王は頷くと、宮廷魔術師サーエンマグラムが、


「……ファルス王子を堂々と匿った【天凛の月】の盟主の槍使い、シュウヤ。それと神獣の黒猫に、その眷属たち。更に吸血神ルグナドの<筆頭従者長(選ばれし眷属)>の女帝ファーミリアのヴァルマスク家とシキのコレクターの部下たちと、聖鎖騎士団と魔族殲滅機関の一桁が手を組みました」

「あの槍使いと黒猫と、その連中か、それは分かるが……吸血神ルグナドと宵闇の女王レブラに光神ルロディスの教皇庁連中が手を組む? お前たち頭大丈夫か?」


 ◇◆◇◆

続きは明日。HJノベルス様から書籍「槍使いと、黒猫。1~20」発売中。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 魔界ゼブドラが忙しすぎてアキエ・エニグマ関係は放置気味だったから無事で良かった。 あれから結構時間が経っているだろうし、シュウヤに対してちょっとキレてそうw 敵対的だったとはいえ、同じ槍…
[一言] 【幻瞑暗黒回廊】でも戦中。そしてアキエ・エニグマ釈放されたみたいだなぁ。 大魔術師の群を突っ切ったライゾウは、今回の敵陣営の中ではかなり強いか。 分かってはいた事だが、完全に国王は闇神リヴ…
[一言] >お前たち頭大丈夫か? そりゃ、何も知らなければ、そんな言葉も出てくるのはごもっともでww
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