千五百一話 【血星海月雷連盟】
2024年6月22日 13時42分 最後追加
キーラの背後にいた人物は四腕か。
ローブの頭巾の両端を背に運び素顔を晒した。四眼の魔族か。
眼窩は深く左の眼球は大きい。
金色の瞳孔で白目と結膜は血の筋が目立つ。
三つの黒色の眼球は普通の大きさ。鼻筋は高い。
それだけなら端正な顔立ちだが所々の皮膚の一部は破けて、頭蓋骨と筋肉繊維を覗かせていた。首とローブの間から覗かせている強化外骨格のような分厚い体から屈強さを感じる。
大魔術師のようなローブを着ているが、魔剣師か、魔槍使いの近接も可能かも知れない。
するとカザネが、
「ありがとうございます。八頭輝、否、現在、九頭輝という名目は仮ですが、それに似合う【御九星集団】のキーラ様のお言葉でした。ありがとうございます。次、ラドフォード帝国象神都市レジーピックが本拠、【星の集い】の盟主、アドリアンヌ・リーカンソー様、お願いします」
アドリアンヌは黄金の仮面を光らせる。
「はい、あ、私の番ですわね。うふふ♪ わたしで十頭輝ですわね。力のある闇ギルドたちが、ここに集結したということ。あ、【星の集い】のアドリアンヌです。迷宮都市サザーデルリと迷宮都市イゾルガンデで仕入れた品と象神都市で入手したアイテムを大商会経由の第二部で出品予定です。是非、皆様も競売に参加して高く買い取ってくださいね」
とアドリアンヌは頭を下げてから俺を見てくる。
仮面の中から覗かせる魔力を内包している白い瞳は健在か。
鼬柄のネッカチーフは前と変わらないが、衣服は貴族が着るような上服とスカートを穿いている。
そのアドリアンヌに皆が拍手した。
カザネは、
「はい、ありがとうございます。これにて南マハハイム地方最王手の闇ギルドたちの会合は終了です。尚、明日の朝、予定通り地下オークションを開催致します。会場は同じ建物内の地下にある大広間です。そこの廊下の先に階段があり、階段を下りて直ぐが開けた地下の大広間となります。そこが地下オークション会場です。通り道の廊下も幅広く、ここの部屋以外は一本道となる。朝も玄関口からミライと係りの者が、地下の会場までの案内を予定してますので安心してください」
カザネの言葉の後、闇ギルドの盟主たちは、
「「「了解した」」」
「「「はい」」」
「「分かった」」
と発言し、一斉に立ち上がって背後にいた部下たちの顔を見合わせる。四眼四腕の魔族らしき人物も一睨み効かせてからキーラに頭を下げていた。
するとキスマリが、
「主、あの四眼は魔界のヴァクリゼ族、シクルゼ族、デクルゼ族に連なる者か」
と小声で聞いてきた 頷いて、
「そうかもだ、キーラの用心棒か」
と言うとキスマリは頷いている。
たぶんだが魔剣アケナドと魔剣スクルドなどで斬り込みをかけたいんだろう。
すると、【髑髏鬼】の盟主、アルカル・メメルアと【御九星集団】のキーラは小声で何かの話をしながら部下たちを連れて部屋を後にした。
紅のアサシンらしき人物も仮面の孔越しに鋭い眼光を寄越す。
<血魔力>を有した片腕を、これ見よがしに上げて、掌に血の太刀を作り、消すと身を翻し部屋を出た。廊下の板の間に<血魔力>の足跡が出来ていた。
紅のアサシンか、戦う氣は万全と意味するような感じだった。
「あいつはわたしが……」
いつもは冷静なメルは踝から黒い翼を少し出していた。
「……ペルネーテの南で前に戦った連中も【御九星集団】に入ったようなもの?」
とユイが発言。
「ん」
「そうね」
「はい、情報通り【髑髏鬼】と【錬金王ライバダ】の【天衣の御劔】は【鉄角都市ララーブイン】の争いを止めて組んだということ、更に、【御九星集団】とも組んでいる。オークション時にここから出たところでも油断はできません」
とキサラたちの言葉に頷いた。
カザネとミライも言っていたが【髑髏鬼】と【天衣の御劔】の仲介をしたのが【御九星集団】のキーラ。三者が新たな同盟を組んだことは確実。
更に【ラゼルフェン革命派】と十二海賊団【鵞峰ヴァクプドー】が【御九星集団】に付いているからキーラたちは結構な戦力か。
それらの戦力で、一気に戦いを仕掛けてきたら当然やり返す。
キーラの背後にいた大魔術師級の存在たちと、魔槍使いも気になるところだ。
だから【星の集い】のアドリアンヌが、あからさまに、俺たちとの同盟を顕わにしたのも頷ける。
そんな争いは気にしていないような表情を浮かべている【ベイカラの手】のガロン・アコニットと【雀虎】の虎獣人のリナベル・ピュイズナーが、
「ユイ様とシュウヤ殿、また」
「では、シュウヤ殿、これにて」
と発言し、先に廊下に出る。
<ベイカラの瞳>を有したユイを様付けか。
【ベイカラの手】のアコニットは【ベイカラ教団】の幹部でもあるから、まだ狙っている?
【大鳥の鼻】の盟主バメル・ドアキルイは俺をチラッと見て微笑む。バメルは女性。茶色の髪。
外套を着ているから鎧は見えないが、<魔闘術>系統で戦士系統と読んだ。
と、胸元が開けた外套の間からバックルと腰ベルトにぶら下げている魔剣の鞘が見えた。
そのバメルは俺と話がしたいような雰囲気を醸し出す。
が、背後の部下のガイとヨミたちに呼ばれるように廊下に出た。
廊下を真っ直ぐ進めば会場だが、そこには向かわず、右の玄関口から外に出るようだ。
七色長太刀使いガイと影使いヨミとは惨殺姉妹のララ&ルルとロバートとポルセンとアンジェたちが戦った相手でもあるが【御九星集団】とは同盟を組んでいないようだ。
【鉱山都市タンダール】を本拠にしている【大鳥の鼻】は【鉄角都市ララーブイン】が本拠の【髑髏鬼】と【錬金王ライバダ】の【天衣の御劔】とも戦っていることもあるだろう。
その【大鳥の鼻】側はバメルの態度からして俺たちと手を結びたい?
と分析していると【シャファの雷】のガイ・ギュルブンたちが此方を見る。
とんがり帽子を懐に持つギュルブンは、笑みを浮かべてから、
「今からやることは、分かっているとは思うが、敵対行動ではないので、気にするなよ」
と言いながらアイテムボックスからスクロールを取り出して、それを宙に放る。
スクロールは瞬く間に半透明な立方体に変化し、半透明な立方体はギュルブンを包むように風の鎧に変化していた。ギュルブンの顔の一部も覆われている。
中身は多面体的な、カラビ=ヤウ多様体っぽいモノが、ぐにょぐにょとうねっている。
指向性電磁場や電磁アークやプラズマのフォースフィールドのような鎧か?
左目にいる常闇の水精霊ヘルメが、
『風の魔法のスクロール、大きい風の精霊ちゃんロード・オブ・ウィンドと小さい風の精霊ちゃん、パプアプルーちゃんとラスプーチンちゃんが集積して、風の肉鎧となっています! 閣下の<砂漠風皇ゴルディクス・イーフォスの縁>と少しだけ似ています』
『おぉ、風の肉鎧とは面白い』
俺の近くにはレザライサとアドリアンヌとブルーの盟主が居たが、その三人は少し後退。
その風の鎧を纏ったギュルブンは前進。
胸元の血色が光るアクセサリーを見せつつ、
「シュウヤ殿たち少し宜しいか? 因みに、スクロールは、風の王の戦鎧。俺の周囲の振動と、声を、他の風や魔力の探査からの遮断ができる。風神セードの<風神・戦防鎧>のスキルに似て物理防御も高いから、戦いに使える代物が、風の王の戦鎧だ」
「はい、風の鎧は見事で渋いですね。そして、ギュルブン殿、クナとルシェルと古代狼族のハイグリアがお世話になったと聞いています」
「はい、その節はどうも、クナたちも元気そうだ。副長メル殿に最高幹部の方々宜しくお願いする」
「「はい」」
「「よろしくお願いします」」
ヴィーネたちも頭を下げた。
そのギュルブンに、
「用件はなんでしょう」
「はい、協定通り、俺は大海賊私掠免許状を得ました。更にオセベリア王国のドロティア・フォン・オセシル侯爵と共にオータイム魔滑蛇車内で【天凛の月】の銀の不死鳥と黒猫海賊団のメンバーと会いましたよ、直に特別な銀船も確認しました。マジマーンに文句を言われましたが、あれはカーフレイヤーよりも凄い船だ。そして、サスベリ川や八支流に名もなき町とアルゼの街の事務所にも確認済みです」
頷いた。
【湾岸都市テリア】を治めているドロティア・フォン・オセシル侯爵の件は、報告にないが?
と、メルとクナとベネットとヴェロニカたちを順繰りに見やる。
「はい、此方で進めていた件です」
メルの言葉に頷いた。
ハンカイとルマルディとユイは重に知っているように頷く。
魔界組のヴィーネとアドゥムブラリたちも知らなかったようで、メルたちを見ていた。
とんがり帽子を懐に持つギュルブンに、
「了解した。【シャファの雷】もオセべリア王国側の大海賊私掠免許状を持つ海賊として、対サーマリア王国へと、隠蔽私掠船を率いて動くと」
「はい、サーマリア王国側の商船の拿捕を狙う。そのサーマリア王国も各都市の闇ギルドと、海に生きる十二海賊団の幾つかと組んではハイム川とハイム海とローデリア海を押さえようと躍起です」
ハイム川と海を巡る争いも激しそうだ。
「……【古都市ムサカ】の戦いは、ハイム川とハイム海を巡る戦いでもあるか」
「その通り、サーマリア王国の海軍も、許可のないフリーの商船など拿捕が激しい。そうした状況から【湾岸都市テリア】で暮らす者として、オセべリアの王政に繋がっている【天凛の月】の伝は非常に重要でした」
ギュルブンの言葉に皆が頷いた。
そのギュルブンは、
「更に、昨日と一昨日にも第二王子ファルス殿下と面会しました。殿下も俺たちへの依頼は重要視していると分かりました。第二王子ファルス殿下はシャルドネ侯爵とドロティア侯爵とも連絡を密にしているようです」
と発言、メルたちは頷く。
「そうでしたか」
「はい、シャルドネ侯爵は絡んでいるか分かりませんが、ファルス殿下と【湾岸都市テリア】のドロティア侯爵が組んだ事業。そして、サーマリア王国は、ローデリア王国と正式に同盟を結んで【湾岸都市テリア】の内外への攻撃を激しくしています。同時にハイム海とローデリア海の海賊たちの戦いも活発化しました」
シャルドネは和平と戦争を天秤に掛けているってことか。
両建ては戦術の基本だが、平和の道は険しいな。
「傭兵や海賊の前哨戦の後は、正式に正規軍が動く頃がくると思うが、その兼ね合いで、第二王子に面会に?」
「あ、地下オークションを兼ねた侯爵の顔を立てての使いです。そして、ファルス殿下には、【シャファの雷】も【血星海月連盟】入りか? と冗談を言われましたよ」
ギュルブンの冗談にアドリアンヌたちも笑う。
俺も、
「はは、実際、【血星海月雷連盟】だと思いますが、違いますか?」
と言うと、
「フッ、そう言っていただけると嬉しいですね、レザライサ殿とブルー殿にアドリアンヌ殿もよろしいか?」
「構わない、現にお前の部下、ナキュとは数度話をしている」
レザライサの言葉にギュルブンの背後にいた【シャファの雷】の最高幹部の女性が頷いた。
胸に十字架のネックレスを掛けている。Aラインスカートが似合う。
頷いたが、実際【血星海月雷連盟】なのか。五つの闇ギルドが組んだ状態。
「殿下には、サーマリア王国の海軍と陸軍に盗賊ギルド【ロゼンの戒】とピサード大商会、バーナンソー商会、ヘヴィル商会の傭兵と【幻獣ハンター】の連中も動いていると報告しました」
「あぁ、ハイグリアたちも、狼月都市ハーレイアに侵入していた幻獣ハンターと繋がるバーナンソー商会とヘヴィル商会、その軍産複合体と、元上院評議員ドイガルガを追い、【湾岸都市テリア】や【王都ハルフォニア】で暴れていると聞いている」
「はい」
ヴィーネが、
「十二海賊団【鵞峰ヴァクプドー】が【御九星集団】に付いた理由には、こうしたオセべリア王国とサーマリア王国の背景がありそうですね」
「たしかに、様々に関係があるだろうな」
「あぁ、カリィは十二海賊団などとも喧嘩しているからねぇ、そこにカットマギーの狂言教も加わるから、本当に様々な組織が絡み合っているさ」
クレインの言葉に皆が頷いた。
ギュルブンは、
「そうした背景の、八支流の交易と十二大海賊団と海賊船に自由戦船の監視、または拿捕は俺たちもいい商売になる」
「はい」
「ですから、俺たちも【御九星集団】のキーラは敵側となるので、【血星海月雷連盟】は半ば本気ですよ」
ギュルブンの言葉に皆が頷く。
俺は、
「【シャファの雷】もオセべリア王国側の認識です。それに俺は正義の神シャファが好きですから都合がいい」
「はい!」
「私たちはオセべリア王国側よりもラドフォード帝国ですわよ」
「おい、アドリアンヌ、帝国に肩入れしすぎると【血星海月雷連盟】にも罅が入るぞ」
とレザライサが強面で発言した。
「ふふ、勿論、第一は【血星海月雷連盟】ですから、【オセべリア大平原】に【大湖都市ルルザック】や【緑竜都市ルレクサンド】の戦には関わっていません。ただし、私たちの共通の利益を模索するのなら、さっさと帝国と王国の戦争を終わらせるべきかと思います」
それはごもっともだが、西に東に色々だ。
「ハッ、【白鯨の血長耳】にそれを言うとは」
「ふふ、血濡れた戦争屋、元ベファリッツ大帝国陸軍特殊部隊白鯨の血長耳だからこそですよ……歴史は繰り返す。と言うように、五十年続いている戦争で、武器商人だけでなく様々なコングロマレートな利権構造が絡んでいるのは百も承知。ですがそんな利権を悉く潰せるほどに【天凛の月】は強くなっているのでしょう?」
とアドリアンヌが魔声を強めながら語り、俺に話を振る。
【血星海月連盟】の面々にギャルブンの【シャファの雷】の面々たちも俺を見てきた。
レザライサとメリチェグにクリドススとファスとレドンドもキューレルも血長耳の最高幹部たちも何かを懇願するように俺を見る。
パイプオルガンの音と共に杯を持ったレザライサが、涙を流していた【白鯨の血長耳】の葬式の時を思い出した。
『ノウン、ツイン兄弟たち、勇敢なる同志よ。安らかに眠れとは言わない。亡き戦友の魂は我らと共にあるのだからな』
『お前たちの復讐は血長耳の糧となる。神だろうと帝国だろうと、血長耳に立ちはだかる奴らの顎を喰いちぎるだろう』
その時に、クリドススとメリチェグは手に持った松明を振るっていた。
松明は軍の記号で、鎮魂の意味があった。
エルフ語で戦に使う号令のような言葉も響いていったけ。
更に、言霊のお陰か……戦場で散ったエルフたちの幻影も見えた。
レザライサは、
『そして、喜べ、お前たちはベファリッツ軍事特例により大元帥に出世だ。紅い蓮の花弁がある魔界地獄だろうと、花畑の神界天国だろうと、白鯨の血長耳を頼むぞ……』
その時、一斉に血長耳たちが儀礼兜を脱いでいた。次にメリチェグが渋い口調で弔辞を述べてから言葉を紡ぐように幹部たちが誄歌を歌い始めた。
クリドススはソプラノ系で歌が上手い。ファスも綺麗な声だったな。
祖国が消えた血長耳たちは、血濡れた戦いの中で自分たちを見出してきたが……そろそろ平和を知っても良い頃のはずだ。ヴィーネにエヴァたちもそんな思いで俺を見ては微かに頷いている。
その想いで、
「俺なりにがんばろう」
「はい、大規模な戦争云々よりも、わたしたちにも戦いがありますからね、そして、今回は前回の経験を踏まえて戦いに備えてますことよ……」
「了解した、地下オークションの直後が怪しいが、アドリアンヌたちにも期待しよう」
アドリアンヌはカザネを見てから、俺に向け、
「――はい、わたしたちよりも【天凛の月】による、ビッグなサプライズを……期待しておりますわ……ふふふふ」
と発言してきた。俺たちが何かを起こすことを予知しているんか?
「……あぁ……」
「【御九星集団】だが、コレクターとも通じている噂があるが、どうなんだ」
レザライサが、カザネたちに聞いていた。
アドリアンヌはカザネを見る。カザネはミライを見て、ミライが、
「はい、接触はあったようですが、コレクターの事務所付近で、剣戟音と建物の一つが消し飛んだって情報があります」
と報告していた。
メルたちに視線を向けると頷いていた。
「はい、第一の円卓通りは、冒険者たちのいざこざもあるので……」
「なるほど、分かった」
「では、メリチェグ、細かな調整は任せたぞ」
「ハッ」
「槍使いたちも明日の朝に備えろ、ではな」
「おう」
とレザライサたち【白鯨の血長耳】の面々は外に出る。
メリチェグはカザネとレザライサたちが泊まっている高級宿などのことなど会話をしていた。
「では、俺たちも屋敷に帰るか、アドリアンヌとブルーとギュルブン、また明日」
「「「「はい」」」」
「「承知」」
「かえろ~」
「「はい!」」
「「了解」」
「そうですね」
「面白かったぜ」
「あぁ、皆、戦う氣マンマンに見えたが、緊張感があった」
「中でも【大鳥の鼻】と【御九星集団】のメンバーがヤバイな……」
アドゥムブラリとアルルカンの把神書と会話しながら廊下から普通に外に出た。
「ンン――」
相棒は廊下を走り玄関から跳ぶように外に出て行く。
俺も掌握察を発動させつつ幅広い廊下を滑るように走る――。
日本家屋の取次のような板の間だから気持ち良い。
その端、上がり框の端から、式台を踏まずに跳躍しては――宙空でアーゼンのブーツを装着させて土間を低空で飛翔しながら玄関口から外に出た。
右の黒猫は樹のような縦長の石幢を登っている。
【髑髏鬼】は黒服を着た【天衣の御劔】の最高幹部と合流しては大所帯となって漆黒と朱色のツートンカラーの馬車に乗り込んでいる。
【御九星集団】の盟主と最高幹部は、他の幹部たちと合流し、これまた五人近くの強者を周囲に用意させて血長耳の位置に得物を向けながら、左に留めていた専用の馬車に乗り込んでは直ぐに坂の下に向かう。
【大鳥の鼻】の盟主バメル・ドアキルイと七色長太刀使いガイと影使いヨミと最高幹部たちは馬車に乗らず斜め右にいる。
相棒がいる石幢近くの日本家屋の上に跳び乗っていた。
アシュラー教団の兵舎と塔にいる射手を確認。
左前方の屋根から血長耳のメンバーが下りてきた。
更に、左斜め前方の空に大量の魔素――。
白い蝙蝠に蝙蝠か――。
続きは明日。
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