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槍使いと、黒猫。  作者: 健康


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1485/2027

千四百八十四話 生きてるぅ~ってなんだろぉ~生きているってぇ、なあにぅぅ~~、フハハ、

「皆、魔杖槍犀花のサイファも見せておこう」

「あ、魔神ガンゾウ様の?」


 レベッカの言葉に頷いた。

 魔杖槍犀花を取り出した。まだ皆に見せていなかった<幻甲犀魔獣召喚術>を意識。

 ※幻甲犀魔獣召喚術※

 ※幻甲犀魔獣を魔杖槍犀花から生み出せる※


 魔杖槍犀花から犀花(サイファ)が出現。


「オゥゥン」

「「おぉ~」」

「わ!」

「サイファだ、格好いい~」

「っ!」


 ナナたちが興奮して犀花(サイファ)に近付いていく。

 幻甲犀魔獣犀花(サイファ)は、薄いエメラルドグリーンの瞳を揺らしつつ鼻先をアリスとムーに向けた。ムーは義手先から糸を出して犀花(サイファ)の鼻と触れていた。犀花(サイファ)も挨拶するように「オゥ~ン」とムーに何かを語る。


「ぁ……っ」


 と、犀花(サイファ)の返しが、よほど嬉しかったのか、ムーは可愛い声を発していた。その犀花(サイファ)は「オゥン」と鳴いてムーに近付き、糸を鼻息で弾きながらムーの髪の毛を鼻と口でわしゃわしゃとしてからムーの顔を舐めていた。


「……っ」


 ムーは最初、体が硬直したようになすがままだったが、直ぐにサイファの前足に抱きついていた。紫色の毛と白色の毛を小さい手で掴んでいた。

 前足の毛を掴まれた犀花(サイファ)は首を少し横に動かしてムーを抱く素振りを見せる。


 優しくて微笑ましい。


 犀花(サイファ)の四肢と頭部はやや馬で、鼻と口と歯牙はサーベルタイガー。

 頭骨後部が襟状はないが、トリケラトプスと犀が融合したような印象。


 褐色と紫色の毛で、色節は白色の毛だ。


 暫し、皆も犀花(サイファ)が子供たちと遊ぶ様子を眺めていく。

 ほのぼのとした時間だ。


「盟主、ほら」

「あぁ」


 とクレインから魔酒入りのコップを渡される。

 魔杖槍犀花を宙に放ってから右手で受け取った。

 昨日の時に密かにプレゼントしたゼガサッチ産の魔酒だ。

 その魔酒を飲む、四眼ベムハベの焼き鳥店に投資は成功だったな――。

 そして、戦公バフハールとそこで会っている。

 ゼガサッチ産の巨大な樽を抱えて飲み干していた戦公バフハールが、まだ【レン・サキナガの峰閣砦】の近郊にいるといいんだがな、返す品があるんだが……。


 ラムーに鑑定してもらった品の……。


『トウラン・バフハール。ヴァクリゼ族で、戦公バフハールの従兄弟、狂眼トグマの親戚で、四腕の魔剣師でもあったようです。ハザルハードが、トウラン・バフハールの四眼に内包されていた<戦眼ラララギ>を手中収めるために吸収したようですね』


 とあった、トウラン・バフハールの頭部をまだ持っている。


 更に魔蛙ムクラウエモンは、


『魔界の神々や諸侯の中で【極門覇魔大塔グリべサル】が気に入らないやつらがいたんだ。その結果、魔界大戦に巻きこまれた。吹き飛んだ地で俺とポーは……幻獣大魔事典パジースを扱う魔大公ペルスウェールや、幻魔百鬼夜行書を持つ戦公バフハールの戦いに巻きこまれて、魔法紋の書に嵌められた。力を抑制された俺たちは死なずに済んで、紆余曲折……後、更なる悲劇が……』


 と過去に語っていた。

 と、思い出しながら放った魔杖槍犀花を左手で掴む。

 その魔杖槍犀花で地面を穿ち、魔杖槍犀花を地面に射したままにしてからクレインに<南華魔仙樹>で魔杖槍を造るように真新しいトンファーを作ってあげた。


「クレイン、練習や組手の時にでも使ってくれ――」

「おっ、おぉ、ふふ、神界の南華魔仙樹のトンファーかい!」

「おう」

「ふふ、これに魔力を通せば……」


 杭に魔力の刃が伸びる。結構伸びた。剣のように使える、実は有用か?

 トンファーも魔杖槍南華と同じように扱えるってことか。


「シュウヤ、これ、かなりの武器になると思うが……」

「あぁ、さすがに愛用している金火鳥天刺と銀火鳥覇刺には敵わないだろうし、普段は先ほどもいったように練習用にしてくれていい、幾らでも造れるからな」

「それもそうさね、ありがとう、頂くさね」

「おう」


 クレインは<南華魔仙樹>のトンファーを胸に抱くと嬉しそうに微笑む。

 エヴァが少しジッと見ていたが、感想を聞くのは少し怖かったから、無難に訓練場の柵を数個作って設置。


 すると、レベッカたちが、魔杖槍犀花を引き抜いて、

 

「シュウヤ、この魔杖槍犀花だけど、放浪魔神や放浪神に魔神ガンゾウ様が、お師匠様になった話にもらったのよね」


 頷いた。レベッカはキッシュに魔杖槍犀花を手渡して、


「これが、あの記憶にあった……そして、目の前の犀花(サイファ)を宿せる、不思議な魔杖槍犀花か。魔杖槍南華とは違うのだな」

「おう、魔神ガンゾウ様独自の進化がある。神界と魔界の槍武術を活かすのが魔犀花流かもしれないな。犀刻獅子流や魔犀獅子流などもあるから、一概には言えないが」


 皆の顔色は納得顔ばかり。

 やはり、〝知記憶の王樹の器〟は凄すぎる。もっと早く取りに、てっそれはさすがに無理だよな、あのタイミングだからこそか。


 キッシュは魔杖槍犀花を振るって魔犀花流を試そうとしている。

 あぁ、記憶からキッシュもやはり武術家の面もあるよな、長く冒険者活動を続けていたんだから長剣が主力だが、長柄も使う機会は多々合ったはずだ。


 そして、俺が〝魔犀花流槍魔仙神譜〟を学んでいる記憶を得ている分、もしかして? と考えたんだろう。キッシュは、


「……なるほど、しかし、シュウヤが<魔神ガンゾウの恩寵>を得て〝魔犀花流槍魔仙神譜〟を学べたことは、わたしたち、光魔ルシヴァルにも非常に大きい成果の一つだな」


 キッシュの言葉に皆が頷く。

 その皆に向けキッシュは、


「眷属たちも魔犀花流の弟子になる。ということで、このキッシュ・バクノーダも魔犀花流の門下生となりました。総帥のシュウヤ様、〝巧手四櫂〟と無数の弟子の兵士たちのように、ご指導宜しくお願い致します――」


 と押忍と可愛くポージングしてから俺に魔杖槍犀花を差し出してきた。

 頷いて、


「おう」


 と魔杖槍犀花を受け取ると、キサラが、


「ふふ、シュウヤ総師、既に〝魔犀花流槍魔仙神譜〟を読み<無方南華>と<魔仙萼穿>と<魔仙花刃>を獲得しましたので、わたしも、魔犀花流の一員です。そして、

この〝魔犀花流槍魔仙神譜〟はヴィーネに渡してあります」


 とヴィーネが〝魔犀花流槍魔仙神譜〟を取り出した。


「はい、わたしも<無方南華>を学べました。そして、総帥ご主人様の記憶にあった動く刺繍は不思議でしたが……〝魔犀花流槍魔仙神譜〟は普通の見た目のまま変化せず。では、ジュカにわたしておきます」

「え、はい! ありがとう、ヴィーネ!」

「ふふ、ジュカなら<魔仙萼穿>と<魔仙花刃>も楽に覚えられるはず」

「はい! あ、シュウヤ様、いえ、そ、総帥様、わたしが得ても?」

「おうってか、総帥とか無理に合わせなくていいからな」

「「ふふ」」


 キッシュたちは笑っていた。

 ジュカは〝魔犀花流槍魔仙神譜〟を俺に見せながら「はい!」と元気に返事をしてくれた。すると、魔杖槍犀花を見ていたメルが、


「最初は、ガンゾウの眼球の数と雰囲気から、不気味でしたが、その不気味さは最初だけしたね」


 そのメルの言葉に皆が頷いた。

 メルに魔杖槍犀花を差し出すと、握ってくる。


「……長い棒術、魔界セブドラの槍武術の歴史を感じます」

「あぁ」


 と魔杖槍犀花を返してくれた。

 レベッカは、


「ガンゾウ様は【レン・サキナガの峰閣砦】で行っていたシュウヤたちの行動を密かに見ていたのかもね」

「あ、それはありえますね」

「ん、ありえる、神格の時旅馬車を使いながら強者を探してシュウヤを見つけた」

「うん、少し〝巧手四櫂〟たちの行動を思うとガンゾウ様も、もう少しみてあげてほしいと思うけどね」

「それはあるな」


 と俺が言うと皆が苦笑しつつ頷いていた。


「言い伝えも残して、幾星霜と放浪していたからこその放浪魔神だからな」


 アドゥムブラリの言葉に頷く。


「うん、己の魔犀花流を最大限に受け継げる存在を、なんとかして探したかったんじゃないかな」

「はい、ガンゾウ様は〝神格の時旅馬車〟を使い魔界セブドラを永く巡っていたようですから」

「己の槍武術、魔犀花流流を引き継げる存在のシュウヤ様を見つめた時には、宝でも見つけたって気分だったのかもしれません」

「……はい、だからこそ主様にガンゾウ様が魔犀花流の奥義を託した、あの場で、主様を見て、強者を見出した想いと嬉しさが凄く分かります」

「ガンゾウ様は、総長の気質を弟子たちをも託せると踏んだ可能性もありますね」

「……ん、そう考えると、あの時、戦っている時のガンゾウ様の楽しそうな表情が忘れられない」

「そうそう、すべてを知っている側から見ると、じんわりと心に沁みてくる、転移したこともね」

「はい、ガンゾウ様が世界を旅しながら盟主をどんな想いで見つけて挑んだのか……想像しつつ、その時の顔色を思い出すと、色々と泣けてきます……特にガンゾウ様の若い頃が切なすぎる」


 メルが少し瞳を震わせて語る。

 レガランターラを含めた女性陣の皆が数回頷いていた。

 ルシェルも、


「はい、ベルアンとガンゾウ様の若い頃の記憶は悲しく切ないお話です」


 と会話に加わる。


「そのガンゾウ様が絡む前も痺れるような展開だったわ」

「はい! ヴィナトロスたちで魔傭兵団ゴイアン、魔傭兵団モゼルダ、魔傭兵団ゼルタクスゼイアンの分隊、通称モゴゼ大隊が集結している建物に入った直前ですね」


 ジュカが興奮気味に発言していた。

 キサラたちが微笑みながら頷く。

 〝知記憶の王樹の器〟の記憶共有は便利だ。

 モガとネームスも


「あれか、シュウヤたちの交渉を破壊しようとした悪神ギュラゼルバンと恐王ノクターの連中が爆発させてきたんだったな」

「わたしはネームス……」

「ん、そう、そこからいきなりの追跡劇となった。わたしは残って、モゴゼ大隊のメンバーの治療を開始してからは、シュウヤにキサラたちの血文字を見るのが少し怖い状況が長く続いた」


 エヴァにも苦労を掛けた。

 

「はい、緊迫した状況でした。アキサダとオオノウチの叛乱に合わせた、悪神ギュラゼルバン側と恐王ノクター側の破壊工作の攪乱作戦」


 ヴィーネの言葉に頷いた。


「シュウヤの記憶だと建物の外に出た途端にポーション爆弾が飛来してきた。あの時は胆が冷えたわ、え、これだと、シュウヤでもっ……そこを見事に精霊様が防いでくれた」

 

 レベッカが俺とヘルメを交互に見ながら語る。

 頷いて、

「そうだな、あの時は、助かった。常闇の水精霊ヘルメは頼りになる」

「ふふ」

「うん、分かる。精霊様の液体が瞬時に拡がってシュウヤを守った時は、凄い精霊様! って思ったわ、精霊様シュウヤを守ってくれてありがとう」

「ん、ありがとう精霊様」

「常闇の水精霊ヘルメ様は大眷属様!」

「「「「ありがとう精霊様!」」」」

「ふふ、皆さん……閣下の水として、閣下の役に立てたと思うと、心が奮えて泣けてきます」


 皆の声と当時の自分の気持ちがリンクしたのか、ヘルメは両目から本当にツゥーと涙を流していた。

 そのヘルメの肩に手を当てて、


「あ、閣下、大丈夫です」


 と笑みを交換した。

 あの時は、俺も、皆も必死だった。


「ヴィナトロスたちに指示を飛ばしてからの追跡劇だな」


 皆、俺の考えを見ているだけに真剣な表情で頷いている。

 レベッカも、胸元に手を当て、


「そう、シュウヤが加速して子供を助けて、逃げるローブを着た敵を一人、また一人と屋根を飛び移りながら戦うところは本当に凄かったし、ドキドキした……あの時の記憶を見て体感できたことが、今でも信じられないけど、シュウヤが魔英雄だと実感できた記憶の一つよね」


 と<脳脊魔速>を使った時か、あの時を感激しているように語った。

 アリスたちにムーも瞳をキラキラと輝かせて俺を見て笑顔を見せていた。

 少し照れる。


「魔軍夜行ノ槍業のシュリ師匠も体を得て良かったと思える追跡劇です」

「たしかに」

「悪神ギュラゼルバンと恐王ノクターの眷属は分散して逃げましたからね、それを確実に仕留めた皆さんもさすがですよ」


 メルが魔界セブドラ組を褒める


「うん、わたしも協力したかった」

「あぁ、そうだな」

「はい、ご主人様の記憶と自分が記憶が交差すると、色々と鳥肌を覚えます」


 ヴィーネの言葉に、キッカとビュシエとエヴァが頷いた。

 ユイは、


「うん、〝知記憶の王樹の器〟は鳥肌もののアイテムよね。ゼレナード戦とかの記憶もシュウヤ側で見ると、臨場感がまったく違うし……そして、自分の立場とシュウヤの立場を考えると、やっぱり、シュウヤの行動力と判断力の機知さは、突出していると思う」


 と、皆が頷く。

 腰のぶら下がる魔軍夜行ノ槍業も頷くように揺れていた。


「そうね、特に、悪神ギュラゼルバンの大眷属ヴァドラ・キレアンソーと魔人武王の弟子ドヌガの連戦から魔神ガンゾウとの戦いよ? で、いきなり【魔神コナツナの丘墳】に転移させられちゃうし……その記憶を思い出すと、え? え? えぇ~? の連続なんだけど、シュウヤ、よく生きているわね」


 と笑っているレベッカの語りに皆が微笑みながらも少し真面目な表情に変化させていく。


「あぁ、生きてるってなんだろ、生きているってなあに~だ」


 と変顔を意識しつつフザケタ。

 そのまま犀花(サイファ)と遊ぶモガと子供たちの移動。

 

「「ふふ」」

「使者様って生き・て・る~、生きてるってなあに~♪」

「「――生きてるってなんだろ、生きているってなあに~」」


 イモリザと子供たちが並びながら真似を始めていく。


「「あははは」」

「「――生きてるってなんだろ、生きているってなあに~」」

「わたしは・ねー・むすぅ~、わたしは、ねー・むすぅ!」

「「あははは」」

「「「ふふ」」」


 ネームスもイントネーションが合うから面白い。

 皆も俺も笑った。

 

 そして、ネームスの面白い言葉を聞きながら、魔杖槍犀花を振るい――。

 ジュカと、エルザとオフィーリアたちと蛇騎士長ルゴ・フェルト・エボビア・スポーローポクロンたちを見てから――。

 魔杖槍犀花を地面に刺して、<南華魔仙樹>を使用し、短槍と短剣と長剣と先端がメイス状の武器と魔杖槍南華を十セット作ってから柵に立て掛けた。

 流星錘はさすがに造れない。


「――ジュカにルゴとヴェハノにエルザとオフィーリア、この南華魔仙樹の短槍と魔杖槍南華などの様々な武器を使ってくれ」

「「「え!」」」

「おぉ、我にも!」

「そうだ、投げ槍用でも使ってくれ、そして、蛇騎士長だった知見をここで活かしてくれると助かる。ジュカは愛用していいる短槍もあるが、練習用でもいいから南華魔仙樹製の武器を使ってくれたら嬉しい。いくらでも替えが効くからな、南華仙院の兵士とニナとシュアノの明櫂戦仙女も、この魔杖槍南華を主力に南華仙院の槍武術を使っていたから、かなり使えるはず」

「はい! ありがとう!」

「ありがとう、使わせてもらう」

「我も使わせて頂く、ありがとう主!」

「使わせて頂きますぞ、大主様!!」


 皆、受け取った。

 ルゴ・フェルト・エボビア・スポーローポクロンもガスノンドロロクン様と同じく俺を大主と呼ぶらしい。

 ビアは舌を蛇のように伸ばしながら、


「ルゴとヴェハノ、共に訓練に励むのだ サイデイルを強くするぞ」

「「はい!」」


 槍使いのジュカは南華魔仙樹の製の短槍を握って凝視中。

 ジュカに、


「ジュカ、まだ少し先になると思うが、闇遊の姫魔鬼メファーラ様と争う狩魔の王ボーフーンの傷場からか、普通にここから向かうか、どちらにせよ、俺たちはキサラと共にダモアヌン山に向かう」

「はい! 闇と光の運び手(ダモアヌンブリンガー)様!」

「昨夜の時にもチラッとヴィーネたちにも見せたが、〝髑髏魔人ダモアヌン外典〟の歴史物と〝ゴルディクス魔槍大秘伝帖〟もあるから見たいなら渡しておく」

「あ、〝魔犀花流槍魔仙神譜〟を先に学びますし、シュウヤ様はまだ〝ゴルディクス魔槍大秘伝帖〟を読んでいないはず、ですから遠慮します」

「それはそうだな、すまん」

「いえ!」


 笑顔のジュカは〝魔犀花流槍魔仙神譜〟を大切そうに胸元に抱く。


「ジュカ、その〝魔犀花流槍魔仙神譜〟を読み終えたら、キッシュやサラたちにも渡しておいてくれ、ビアには〝黒呪咒剣仙譜〟を渡してあるから、皆で読み回して強化を図ってくれ」

「はい!」

「承知した!」

「ジュカ、ヴァンラーの魔槍も入手しているからプレゼントしよう。魔力を込めると敵対している得物の刃を引き寄せるような効果がある、複数の場合の敵と味方の認識は不明だが、使ってたら分かると思う」


 とヴァンラーの魔槍も渡した。


「三叉のヴァンラー魔槍を! 吸引が可能な優れ物を、わたしにいいのですか!」

「おう、得て不得手あると思うから、無理には使わないでいい、合うなら使ってくれ。合わなかったら仲間内で回してもいい、俺に返すのもありだ」

「分かりました!」


 すると、闇鯨ロターゼが、


「――生きてるぅ~ってなんだろぉ~生きているってぇ、なあにぅぅ~~、フハハ、陰陽の龍レガランターラよ、お前も砂漠にくるなら、俺様のボディプレスを味わっておいたほうが念の為だぜ?」


 と浮遊しながら野太い声で歌いって、周囲を見回し始める。

 レガランターラは疑問げに、俺を見て「え?」と助けを求められた。


「レガランターラ、ロターゼは砂漠にあのような巨体を活かす砂漠ワームがいるってことを意味しているんだとは思う。だから、ロターゼはMだから体を穿って標的にしていいってことだろう」

「は、はい」

「主、えむとはなんだ、それに標的で穿ってはないだろうよ! 砂漠鯨に砂漠大鯨は急降下してくるんだぜ!」

「そ、そうだったか、すまん」

「おう!」


 ロターゼは、そう発言しつつ少し上昇。

 お尻からポポッポニョッと、放出されているドット風のオナラを、楽しそうなムーとアリスとナナに叩かれて消されていた。


 ロターゼは、


「フハハ、ガキ共はまだまだ軟弱な振りだな、俺がいなくなったサイデイルは少し不安だぜ――」


 と言いながら訓練場の低空を飛翔していく。

 さて、正義のリュートを使うかな。

 正義のリュートを取り出した。

続きは明日。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 徐々に無方南華が広まってますな。 南華魔仙樹の短槍と魔杖槍南華配り。幾らでも換えはききますし、そういう意味では使い勝手はいいな。 [一言] >やはり、〝知記憶の王樹の器〟は凄すぎる。もっ…
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