千四百八十二話 鳳凰ラーガマウダーとレガランターラ
レガランターラは皆に向け、頭を下げて、
「はい、妾は陰陽龍、乾坤レガランターラと言います。先ほど龍の罰の修了へと導いて下さったシュウヤ様の眷属に加えて頂きました。<光魔龍の従者>の恒久スキルも得ました」
「ん、六眼妄卵王アモダンの討伐と六幻秘夢ノ石幢の関係性は少し分かる。よろしく、レガランターラ。わたしの名はエヴァ。光魔ルシヴァルの<筆頭従者長>の一人、これからもよろしくお願いします」
「はい、エヴァ様」
とエヴァと握手したレガランターラは笑顔をとなる。
レガランターラはエヴァよりも身長は低い。
「レガランターラ、わたしの名はヴィーネ。光魔ルシヴァルの<筆頭従者長>の一人」
ヴィーネたちの自己紹介が始まる。
シェイルとジョディも何か嬉しそうだ。周りの蝶々と白い蛾を己の体に集めてブローチや衣服の装束に飾りを付けて、身なりを整えていた。ロターゼも、
「よぉ、龍のレガランターラ! 俺は闇鯨ロターゼが名だ。この体格だ、忘れられないだろう? フハハ、あ、キサラと主に特別な使役を受けている存在は、かなり珍しいんだぜ、しかも主は<闇大鯨クリスラブルの大頭領の資格>だ。並のクリスラ使いじゃねぇんだ!」
「え? は、はい、主は大統領なんですね、凄いです」
「おう、レガランターラは主の凄さが分かるか」
「はい!」
レガランターラは、俺もだが、たぶん大頭領の意味はあまり理解していないと思う。その間に、ダモアヌンブリンガー装備を解除。
「ンンン――」
黒豹が黒猫の姿になりながら足下に近付いてきた。俺の足に頭突きを行ってきたから姿勢を下げた。
黒猫の頭部から背中を片手の掌で撫でていく。頭部の黒い毛と耳に胴体の毛の感触がフサフサで可愛い。
目を瞑りながら撫でられる黒猫はゴロゴロと喉を鳴らしてくれた。と、少しずつ前に行く黒猫の尻尾を引っ張るように撫でると黒猫は背中の筋肉をもぞもぞと動かして「にゃん、にゃぁ~」と甘えん坊の鳴き声を発してUターンしてくると、上半身を少し上げて両前足を自らの頭部を掌に当ててきた、自ら撫でられにきた。
甘え上手な黒猫を撫でてから、その桃色がかっている鼻先を人差し指でツンツクしてから立ち上がる。
黒猫は「ンン」と鳴いて、俺のアーゼンのブーツに猫パンチをしてから、皆と挨拶しているレガランターラに直進し、足に頭突きを行ってからレガランターラの脹ら脛の匂いと和服の匂いを嗅いでいた。
少し幼さを感じさせるレガランターラが着ている和服の模様には陰陽の印がある。
すると、セリス王女に怒る調子で説教をしていたキッシュが、キッとした表情のまま近くにきて、
「シュウヤがいたからこその大勝利と分かっているな?」
「あぁ、悪かった。六幻秘夢ノ石幢は別のところで使うべきだった。子供たちにセリス王女もいたところでの使用は危険だったな」
「いやいや、それは謙遜だ、わたしたちを見損なっては困る。ムーたちも弱い子供たちではないし、セリス王女はたしかに不注意だが、シュウヤがいるだけでも不動に近い状況なのだぞ、そして、眷属たちと地下堀人たちとピュリンの狙撃に、一騎当千の将軍クラスの<筆頭従者長>が複数いる状況だ、今なら獄界ゴドローンと樹怪王の軍勢を同時に相手にしても対処ができる。と、思わせるほどの大戦力なのだからな。どんな危険があろうと対処可能と考えることが普通。更に今の戦いでルッシーが成長したぞ、まさに、棚ぼただ」
「うん~見て見て~」
とルッシーが精霊樹と融合したまま此方に枝が飛来すると、枝に新しい花々が咲いた。更に樹の射手と樹を<投擲>する部隊が増えている。
「このように、六眼妄卵王アモダンが<溶熟腐乱バルオンオ>を吐いた中身がいい具合に腐りをルシヴァルの精霊樹に与えた結果、ルッシー曰く、<霊血の秘樹兵>より柔らかくて弱い樹兵と新しい花を咲かせられるようになったと喋りも少し達者になった。魔王級の魔力を浴びて成長したようだ」
「……おぉ、だから身長が少し伸びたのか、ルッシーも凄い」
「俺も驚いたが光魔ルシヴァルの精霊樹に変化する前の精霊樹が普通ではないだろう?」
アドゥムブラリの言葉に頷いた。
「「「あぁ」」」
「邪霊樹イグルード!」
「たしかに……」
「シュウヤも、新装備を得たし、六幻秘夢ノ石幢の使用は正解だ、樹海のサイデイルにはいい刺激だったと言える」
「女王キッシュの言葉なら納得できる」
「うむ」
そこでヘルメに視線を移し、
「ヘルメ、少し熱波を感じていやかも知れないが、鳳凰ラーガマウダーを出すがいいかな」
「あ、はい、大丈夫です、火の鳥ちゃんを閣下の熱として慣れるようにがんばりますので」
と言いながら常闇の水精霊ヘルメは、己の前に何重もの《水幕》を展開させる。
水蒸気も腰元から発生させていた。
ヘルメの表情から『ご安心を!』と強気な面が見えて可愛いが、どことなく焦りもあるように見えるが、微笑ましさもある。少し笑顔をなってから、魔槍ラーガマウダーの漆黒が混じる柄を皆に見せつつ――。
「では、皆、記憶で見た者たちは、もう一度見てもらおうか! 鳳凰ラーガマウダーの姿を!」
長く持たせるために膨大な魔力を魔槍ラーガマウダーに込める。
そして<召喚魔槍・鳳凰ラーガマウダー>を意識し発動させた。
ドッとした魔風が魔槍ラーガマウダーから吹き荒れる。
と二メートルほどの鳳凰ラーガマウダーが魔槍ラーガマウダーの柄から出現した。
先ほどよりも力が強い鳳凰ラーガマウダーは、
「ギュアァァァ」
と鳴いて、蒼と橙と朱の炎の両翼を拡げる。
おぉ……凄い。と自ら召喚しておいてアレだが、驚いた。
鳳凰ラーガマウダーは、美しい炎の体から無数の炎の粒子が放出していく。
俺からは僅かな熱を感じるのみ。と魔槍ラーガマウダーの柄からも噴出した炎が右腕に絡むながら蜷局を巻いて肩から首に背中側に吹き抜けていく。
が、まったく熱くない。
魔槍ラーガマウダーの柄の表面に『飛翔:鳳凰ラーガマウダー』と魔法文字が浮かぶ。
「「「「「おぉ」」」」」
「「「陛下――」」」
「格好いい~」
「シュウヤ様が、炎槍使いになったように見えます」
「閣下――」
「「「「シュウヤ様――」」」」
「鳳凰様だぁぁ~」
「シュウヤ様が鳳凰使いに!」
「わぁ~鳳凰ちゃんが素敵すぎる~」
「うん、鳳凰ちゃんは可愛いし、炎を纏う右腕と魔槍ラーガマウダーを握るシュウヤが信じられないほど格好いい!」
「「はい!」」
「っ!」
「シュウヤ様が使役した鳳凰様……はい、素敵な幻獣です……」
ムーにサザーもフーも興奮している。
「先ほどに見てますが、やはり素敵です……ドキドキしてしまう」
「はい、胸がキュンとなりました」
サナとヒナから告白的に言われると照れる。
「ヴィーネたちが青炎槍カラカンとの二槍流を薦める理由も分かる」
「ふふ、はい」
「わぁ~サナ姉ちゃんたちが言うのもわかる! 鳳凰ラーガマウダーと魔槍ラーガマウダーを持つシュウヤ様はかっこいい~、さっきの地面を凹ませていたじゅうもんじの魔槍ラーガマウダーを扱って、つおい敵を倒していた!」
と、アリスが発言。
エルザは止めないが、少し恥ずかしそうに俺を見て、微笑んでいた。
「……ブリちゃんもシュウヤ様なら使えるかもしれない」
ナナの言うブリちゃんとは、恐王ブリトラの眷属か。
闇遊の姫魔鬼メファーラ様が戦っている【グィリーフィル地方】の勢力の中にいる。サシィのフクナガを狙った存在の中にも恐王ブリトラがいたんだよな。
すると、アドゥムブラリは「恐王ブリトラの眷属か……」とボソッと呟く。
<光魔王樹界ノ衛士>ルヴァロスとバーレンティンたちは、鳳凰ラーガマウダーに驚きながらも一斉に片膝の頭で地面を突く。そこで、頭を下げているバーレンティンたちに、
「バーレンティンにサルジンたちにルヴァロスも頭をあげてくれ」
「「「「「ハッ!」」」」」
<光魔王樹界ノ衛士>ルヴァロス、バーレンティン、サルジン、スゥン、イセス、キース、ロゼバトフが一斉に立ち上がり姿勢を元に戻す。
「ひゅ~さっきの炎の鳥! 鳳凰はかっこいいぜぇ」
モガも興奮。
「わたしはネームス!」
大きいネームスも鳳凰ラーガマウダーの姿を見て興奮しているようだ。
鳳凰ラーガマウダーのことは一度見ていると思うが楽しそうに見える。
クリスタルの目が輝く。
ネームスの樹の肩に住み着いていた数羽の小鳥たちが一斉に顔を出して、
「ぴゅゅっぴゅゅ」
と鳴き始めながら鳳凰ラーガマウダーを見ていた。
そう言えばムーは青い鳥と仲良くしていたが、見かけないな。
すると、血の妖精のようなルッシーの小人versionたちが鳳凰ラーガマウダーの周囲を飛翔しながら回る。
と不思議な踊りだ、シュールで楽しそう。
「ギュア!」
と、鳴いた鳳凰ラーガマウダーから炎の粒子が少し噴出した。
ルッシーの小人versionは一斉にバク転をしながら宙空で血飛沫状となって、少女よりも少し成長した感のあるルッシーの体に融合していく。そのルッシーの両足が着地したところは、ルシヴァルの精霊樹の小さい根が自然と持ち上がって切り株状の台座ベンチとなっているところだった。
「「おぉ」」
「鳳凰は、俺たちに応えてくれたのか」
「ギュゥ!」
「おぉ、また鳴いた!」
「あぁ、目と口が動いたぞ」
「ふふ、鳳凰ラーガマウダーは、皆に返事をしてくれたのですね」
「ギュァ~」
「「ふふ」」
「可愛い~」
「にゃ~」
と黒猫も鳳凰ラーガマウダーに挨拶している。
鳳凰ラーガマウダーも頭部を下げて「ギュッ」と黒猫に鳴いて挨拶をしている。どことなく、翼を少したためているし、頭を垂れたようにも見えた。
黒猫は小さいが、神獣ロロディーヌの魔力を感じたか。
すると、レガランターラとの自己紹介を終えていたミスティが、
「記憶の共有でラーガマウダーを実際に知ったつもりになっていたけど炎の翼と羽には、熱もあるし、迫力が段違い」
と発言。その言葉に皆が頷いた。
キッシュがレガランターラに挨拶を終えてラーガマウダーに近付き、
「炎の翼、炎の羽の群に炎の体毛は一つ一つが美しい……そして、炎の中に不死の可能性を感じさせる……」
詩を書くように美しい口調で語る。
キッシュは気品があるが、俺としては、魔竜王バルドークの討伐の緊急依頼を共にした冒険者時代の頃を重ねてしまい、何か淋しさを感じた。
と、皆もラーガマウダーと俺を交互に見ては、頷いていた。
「鳳凰ラーガマウダー……第二次アブラナム大戦と関わりがあるとしたら、名前的にホウオウ側なのでしょうか」
クナの言葉に頷いた。
皆が俺と鳳凰ラーガマウダーを注視、
「荒神と関係があるのなら、名前的にホウオウ側は確実だろうな」
と語り、メルたちを見る。
メルは胸元に手を当て頷いて、
「はい、既にわたしたちはホウオウ側、【迷宮の宿り月】の看板猫でもあり、【天凛の月】の守り神のマギットは、荒神マギトラの力を宿す、多頭の白狐ですから」
「にゃおぉ~」
相棒もメルの言葉に同意するように鳴いた。
黒猫も白猫と会いたいかもな。
「そうだな、荒神カーズドロウ・ドクトリンにアズラ側には付かないでくれと頼まれたが、アズラ側につく理由はない。状況は既に鳳凰側だ。高古代竜のロンバルアが生んだ、現在サジハリに預けている光魔ルシヴァルの高古代竜のバルミントも、ホウオウ側だ」
「はい」
「ん、バルちゃん元気かな、レガランターラを見たらどんな顔をするかな」
「ふふ、うん、会いたいわね、レガランターラにイゾルデとかも、そうよ、驚くと思う」
「ん、バルミントなら、ガォォって鳴く?」
「「ふふ」」
「もう、エヴァッ子! 両手でドラゴンの真似はかわいすぎ!」
「――ぁぅ」
とレベッカとエヴァが抱き合う。
なんか懐かしい絡みだ、面白い。
ペルネーテの自宅でポポブムと相棒と一緒に走り回っていたバルミントの姿を想起した。
「ふふ、わたしも、金属をオシッコで溶かされたのは良い思い出、貴重な素材になったし、また造ってほしい。でも、高古代竜としての狩りの仕方に、ドラゴンの生活を学ぶのも大切だからね……」
「うん」
「そうね、バルミントもそれを望んでいた」
「あぁ」
「にゃ」
黒猫の声も皆と同調している。
黒豹は、母親として、バルミントにおっぱいのミルクをあげていたからな。たぶん、時々空を見ている時があるのは、バルミントを思い出しているのだと思うからな。
黒豹が無垢のまま空を見上げるところは絵画になれる。
と、親指を見た。バルミントの印はしっかりと残っている。
乾坤ノ龍剣レガランターラを見せたらバルミントも驚くに違いない。
サジハリは、『龍を使役だと?』と少しいやな表情を浮かべるかもしれないな、そのサジハリとも会いたいが、また、いつか会える。
すると、キッカが、
「宗主、鳳凰ラーガマウダーの大きさは思念で操作が、可能なのですか?」
頷いて、
「おう、そうだ」
と言いながら鳳凰ラーガマウダーを見て思念で『少し大きく成れ』と念じるとラーガマウダーは「ギュ!』と可愛い声を発してムクムクと大きくさせた。
ばっさばさと炎の翼を羽ばたかせる。
炎の粒子が散って綺麗だった。少し感動を覚える。
「「「「おぉ」」」」
「ふふ~、本当に火の鳥の鳳凰ラーガマウダーちゃん」
と、レベッカもラーガマウダーに近付く。
レベッカのプラチナブロンドの髪に炎が付いても燃えない。
炎の髪飾りに見えた。絵になる。
レベッカは、
「燃えているようで燃えていない嘴といい、お目目も良く見たら、くりくりして可愛い~でも、迫力はある。ホウオウ側の荒神かも知れないけど、かなり珍しい幻獣でもある?」
と皆に聞くように発言。
「幻獣でもある荒神かも知れないな、<召喚魔槍・鳳凰ラーガマウダー>として使役したんだが」
「はい」
「そうですね、嘗ては荒神のホウオウ側の眷属か、鳳凰が力を失い十文字の魔槍と融合したのか、鑑定があれば分かるとは思いますが……」
メルの言葉に皆が頷く。メルはエヴァを見ていた。
エヴァは頷く。
レベッカも数回頷きつつ鳳凰ラーガマウダーから離れた。
と、城隍神レムランの竜杖からナイトオブソブリンとペルマドンの小さいドラゴンを宙空に出していた。
幼竜のナイトオブソブリンとペルマドンもラーガマウダーに挨拶をするように、
「ガォォ」
「ギュォ」
口から蒼い炎と赤い炎を吹きながら挨拶をすると鳳凰ラーガマウダーも、
「ギュァァ」
と鳴いて挨拶を返していたが、その鳴き声と共に放出された炎の勢いを二匹の幼竜ナイトオブソリンとペルマドンが受けると、二匹は仰け反りながら後転して後退していた。
エヴァは、その小さい幼竜ナイトオブソブリンとペルマドンを左手と右手を交互に伸ばして捕まえてから、
「ん、ふふ、鳳凰ラーガマウダー、よろしく、わたしはエヴァ」
と鳳凰ラーガマウダーに語りかけつつ、レベッカにナイトオブソブリンとペルマドンを渡してから鳳凰ラーガマウダーに近付いて手を差し伸べていた。
鳳凰ラーガマウダーは少し真上に浮遊しつつ頭部をエヴァに向けた。
口を拡げて「ギュァ~」と鳴く、エヴァの黒い髪が少し持ち上がった。
エヴァの紫色の眼に移る鳳凰ラーガマウダーが美しい。
と、鳳凰ラーガマウダーは細い炎の両足を出現させると、その足の炎を消した。鶴を思わせる足先をエヴァに向けた。
エヴァは、「ん」と右手を伸ばし鳳凰ラーガマウダーの細い足先に手を付けていた。
エヴァは<紫心魔功>を実行したのかな、鳳凰ラーガマウダーの眼をジッと見たエヴァは笑顔となって数回頷いた。
鳳凰ラーガマウダーは目元をエヴァに近づけて「ギュゥ」と鳴いて挨拶している。
エヴァは頷いて、俺の傍にくると、
「ふふ、鳳凰ラーガマウダーはシュウヤに尽くすつもり、十文字の魔槍を更に他の金属と融合して鍛え直すこともできるって、<鳳雛ノ翔穿>はシュウヤだから学べたって、あと、己が成長したら、炎の属性を付与できるようになるかもしれないって、後、荒神のホウオウ側で確定。荒神鳳凰族の中でも神格は高いほうだった。でも他の荒神と同じく神格は失っているって、契約は本気」
と語ってくれた。
エヴァの<紫心魔功>が効いたか。
エヴァが契約したように語る
「凄い、エヴァ、ラーガマウダーちゃんと意思疎通を!」
「ん、過去の記憶と念話で話ができた、あ、シュウヤが膨大な魔力を込めたからって言ってた」
「なるほど、たしかにかなり魔力を込めたからな、では、鳳凰ラーガマウダーは一旦魔槍ラーガマウダーに戻ろうか」
「ギュッ!」
と鳳凰ラーガマウダーは魔槍ラーガマウダーの中に戻ってくれた。
ずっと俺たちの様子を見ていたレガランターラを見てから、
「レガランターラ、何回か皆から話に出ていた、〝知記憶の王樹の器〟を体感してもらう」
「あ、はい! 知記憶の王樹キュルハの秘宝の〝知記憶の王樹の器〟記憶の共有が可能と聞いて驚きです。そして、妾の想像を超えた御方が水鏡の槍使い様、シュウヤ様なのですね」
レガランターラの言葉に、
「想像か。エロい面もある俺だから期待されると色々とギャップに困ると思うぞ?」
「ふふ、大丈夫です」
「はは、では、記憶を見れば一発だが、簡単に、俺は魔界セブドラ入りして、魔界王子テーバロンテを倒してから直ぐにモンスターたちカ゚流入してきた【ケーゼンベルスの魔樹海】に乗り込んで、そこにいた魔皇獣咆ケーゼンベルスを使役し、バーヴァイ地方の【バーヴァイ平原】を支配化に治めていたデラバイン族と協力体制を構築し、【源左サシィの槍斧ヶ丘】の源左たちを助けてから【バードイン地方】に遠征し、そこの【バードイン城】で戦って【バードイン迷宮】と【バードイン湖】に移動して、枢密顧問官ベートルマトゥルに魔皇バードインなどを倒した。他にも色々とあるがレイブルハースたちを助けることで【バードイン湖】が【レイブルハースの霊湖】に変化した。そうして俺は霊湖の水念瓶など入手し、神意力を周囲に発生させ一定の範囲内に己の言葉を飛ばせるスキル<水念把>を獲得した。戦闘職業も色々と進化を遂げた。結構な進化を果たしている。そこから【レン・サキナガの峰閣砦】のレンたちを助けて、悪神ギュラゼルバンたちと戦い勝利した結果だ。とりあえず――」
と説明しながら〝知記憶の王樹の器〟を取り出す。
<血魔力>を込めて指を入れる。そのまま記憶を操作し、今起きたばかりの戦闘と経緯の記憶共有してもらうためヴィーネたちに〝知記憶の王樹の器〟を手渡し、記憶入りの液体を飲んでもらった。
そのままレガランターラと話をしつつ、皆からもバルオンオを仕留めながら、俺と六眼妄卵王アモダンを戦う様子を見ていたことを聞いていく。
「シュウヤ、六眼妄卵王アモダンの止めはちゃんと考えていたのね、格好良すぎ――」と頬にキスされながらレベッカから〝知記憶の王樹の器〟を返された。
「うふふ」
レベッカは照れたように頬を朱に染めながら後退している。
追い掛けてラブラブモードに入りたいが、入らない。
〝知記憶の王樹の器〟に<血魔力>を込めて記憶を操作し、レガランターラに、
「レガランターラ、〝知記憶の王樹の器〟の中身の液体を飲めば、俺という人物がどんな性格か、行動理念も一発で理解できる――」
「あ、はい!」
レガランターラは〝知記憶の王樹の器〟を受け取って、液体を飲む。
そのレガランターラの傍にはエヴァが直ぐに付いた。
レガランターラは飲むと「……」涙を流して倒れかかる。直ぐにエヴァがレガランターラを支えてあげていた。「ん」と発言しつつレガランターラの小柄な背中を支えてあげていた。
すると、エヴァも体が硬直してから頷いた。
紫色の眼はジッとレガランターラを見てから、
「大丈夫?」
と聞いていたが、エヴァもレガランターラの記憶を見たようだな。
レガランターラは、
「は、はい。シュウヤ様と皆様の歴史は偉業の連続です……シュウヤ様の地下の経験からのギャップが凄まじい……それに、ここ、サイデイルを何回も何重も皆様は救っている……皆さんが英雄で魔英雄なのですね……」
「ん、皆が英雄はよく分かる」
と俺を見るエヴァはレガランターラから離れて俺の右手をぎゅっと握ってきた。
「ん、シュウヤ、レガランターラの龍の罰は厳しすぎると思ったけど、大龍王様に罰を受けるだけのことはしていたからね、そして、シュウヤへの念いもまた本気。八大龍王への想いよりも強いから頼りになる眷属の誕生。いずれは乾坤ノ龍槍も直にシュウヤがスキルとして獲得できると思う」
「へぇ、剣が先だったのは、乾坤ノ龍剣レガランターラだからかな」
「ん、わたしもそう思った」
続きは明日。
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