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槍使いと、黒猫。  作者: 健康


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1444/2002

千四百四十三話 <飛怪槍・赤斂ノ戦炎刃>

17時56分 修正&加筆


 赤い点のような瞳になったグラド師匠は「カッ」と発言してはガンジスの横に転移し、左手に出現させていた鋼の魔槍を突き出した。

 ガンジスは左腕を上げて、神槍ガンジスの螻蛄首で<刺突>系の突きを受け止めたが勢いに押されて後退し、背後の石灯籠を魔斧槍の石突で突いて破壊し、衝撃を殺した刹那、左腕ごと神槍ガンジスを捻り回し、グラド師匠の鋼の魔槍を回し外そうとしたが、グラド師匠は、「それは先ほども見たのじゃ――」と言いながら体を回し、ガンジスの腕の回転に合わせて、左手の鋼の魔槍を下に振るい回し、ガンジスの足を狙う。


 魔人武王ガンジスは「ハッ」と笑ったように掛け声を発しながら横に回り左腕と右腕を上げた。円錐の円を銀杏穂先で描く軌道で迫っていた攻撃を、見るように避けながら「<轟煉・極壱>」と反撃、その動きは、右肩を左側に畳ませるような魔斧槍の払い、下から左上に斧刃を向かわせる。


 ――あれはハディマルスが使っていた。

 <轟煉・極壱>を学べないのは、何か理由があるんだろう。

 グラド師匠は鋼の魔槍の一つを己の盾代わりに<轟煉・極壱>を目の前で受ける。

 影のような魔力で鋼の魔槍を操作している<導魔術>系統の技術は高い。

 そのグラド師匠の本体は赤い点のような瞳を輝かせながら後退しつつ四本の鋼の魔槍を遠隔操作し、銀杏穂先をガンジスに差し向ける。

 <導魔術>系統の影のような魔力は速度も異常に速い。鋼の魔槍が生き物にも見えてくる。ガンジスは冷静に爪先半回転のような爪先を活かすような避け技を駆使しながら神槍ガンジスと魔斧槍を振るい回し、鋼の魔槍の連続的な攻撃を往なす、<導魔術>系統の魔力が覆う鋼の魔槍は、一瞬で、魔人武王ガンジスの槍圏内から一斉に弾かれたように見えたが、飛怪槍のグラド師匠は、片方の赤い瞳を散大するや否や、鋼の魔槍を覆う影のような魔力が強まり銀杏穂先が煌めく、と、その鋼の魔槍が加速し直進。魔人武王ガンジスに向かう。魔人武王ガンジスは、四眼を煌めかせつつ冷静だ。

 神槍ガンジスの武器破壊を狙うように影の魔力が覆う鋼の魔槍を叩き落として槍の間合いを絶妙に保ちながら後退を続けた。


 グラド師匠は坂上の広場で待機。

 叩き落とされていた鋼の魔槍を引き寄せるように影の魔力も己の足下に集積させる。

 グラド師匠の皮膚に増えている皺は、老化を促すようなスキルを使用し代わりに何かを得たか? と、そのグラド師匠から凄まじい殺気が放たれていく。

 足下に集積している影のような魔力はグラド師匠の両腕と体の各所と衣装にも魔線状に引き寄せられていた。足下から操り人形のように操作されているようも見えなくもない勢いで細い魔線と繋がっている。

 その影のような魔力は独自に動いている?

 グラド師匠は鋼の魔槍を両手に再度生み出した。

 そして、影のような魔力が、握り手の位置を隠すようにも見えるし、指が増えているようにも見えるからフェイクにも使えるか。


 しかし、先ほどの<陽目陰閃>のスキル獲得はならずか。

 ガンジスは神槍ガンジスの穂先から魔力刃を発生させていたし、<雷飛>のような加速から直進し魔刃と穂先で相手を斬る<闇雷・飛閃>かと思ったんだがな。そして、陽の神界と陰の魔界の刃を意味する薙ぎ払い系か。もう一度注視して見れば<陽目陰閃>を獲得できるかも知れない。

 

 影のような魔力の中にグラド師匠の魔槍を握る指の数だけが増えていくと鬨の声と雷のごとくの陣太鼓が響いた。

 魔人武王ガンジスは音に合わせ魔斧槍の角度を僅かに変化させるとグラド師匠も右手の鋼の魔槍の角度を変化させる。


 ガンジスは四眼の内の一つ魔眼を煌めかせ、


「その赤い魔眼は暴虐の王ボシアドなどが用いる<朧赤眼>か?」


 と語る。皺の数が増えたグラド師匠は赤い点のような双眸で魔人武王ガンジスを凝視すると「<赤斂ノ戦瞳>」じゃよ。と発言。

 またも魔城ルグファントの城内に連続とした鐘の音が響く。


 次の瞬間、グラド師匠は「カッ!」と気合いを発して石灯籠から消えた。

 否、赤い瞳の残像を発生させて奇怪なグラド師匠の分身が魔人武王ガンジスの前後に現れて襲い掛かる。

 影のような魔力を纏う魔槍もガンジスの斜めの四方から襲い掛かった。

 グラド師匠本人は、赤い瞳の残像を収斂させながら魔人武王ガンジスの横に転移――。

 半身のガンジスは「<轟煉・極捌>――」とスキルを繰り出す。

 グラド師匠の奇怪な分身をゼロコンマ数秒も掛けず神槍ガンジスと魔斧槍で両断。

 斬られた分身は戦旗のような布切れに変化し燃焼し消える。

 ガンジスはそれらを見ず、俄に重心を下げながら半身の姿勢となりつつ斜め前に出ながら魔斧槍と神槍ガンジスの柄を掲げた。

 転移してきたグラド師匠は、左手の鋼の魔槍を突き出す。

 右腕を振るい、鋼の魔槍の薙ぎ払いを繰り出した。

 魔斧槍と神槍ガンジスの柄で、それらの攻撃を防ぐ。


 グラド師匠は引き手の動きを消すように両手の鋼の魔槍を消して再召喚し、再度、その鋼の魔槍を振るった。銀杏穂先が煌めく。

 ガンジスは神槍ガンジスと魔斧槍でクロスさせた柄で鋼の魔槍の連続とした薙ぎ払いを防ぐと即座に魔斧槍を下に、振るいグラド師匠の足を狙い、神槍ガンジスでグラド師匠の腕を狙う。グラド師匠は鋼の魔槍を上下に突き出し、足払いと突きを弾く。

 ガンジスは左に回りながらグラド師匠の体の両断か首を狙うように魔斧槍と神槍ガンジスを振るう、「見えるのじゃ、ガンジス――」とグラド師匠は左右の鋼の魔槍を上下に伸ばし、方天画戟の穂先と虹色の斧刃を弾きつ防ぐと石の階段を蹴って横に跳ぶと同時に、グラド師匠は、影のような魔力で三本の鋼の魔槍を操作し、グラド師匠を追うガンジスの頭部と背中を狙うカウンターを繰り出した。


 ガンジスは横に跳ぶ。


「ふむ――」

 

 と納得するように声を発しながら四眼の内の二眼で魔槍を見ていたように体を動かした。

 三本の鋼の魔槍を魔斧槍と神槍ガンジスで弾く。

 否、一本の鋼の魔槍の螻蛄首を破壊していた。

 神槍ガンジスの方天画戟と似た穂先が振動している。

 蒼い槍纓はなくとも効果は同じか。

 グラド師匠は構わず影のような魔力が覆う、残りの四本の魔槍を操作し、グラド師匠を凝視するガンジスに差し向ける。


 ガンジスの横と背後を狙った。

 

 ガンジスは「ハッ」と笑ったような気合い声を発し、魔斧槍と神槍ガンジスを前後左右に振るい回し、一つの魔槍を破壊。

 残りの三本の魔槍の突きと払いを弾く。

 ガンジスは、影のような魔力が覆っている三本の魔槍を引き戻したグラド師匠に向け「噂に聞く存在か試させてもらう――」と己の口から何かを吐いた。


 吐いた物は歯か?


 歯のような礫をグラド師匠は「なんだ?」と受けず体を横にズラして避けたが歯のような礫は、グラド師匠の影のような魔力を穿ち、貫き、一部の影のような魔力をグラド師匠から引き剥がす。


「ぬお?」


 とグラド師匠は驚いたまま皮膚の皺が元通り――。

 三本の魔槍がグラド師匠の足下に落下、ガンジスが放った歯のような礫は背後の石灯籠の根元と石坂と衝突し爆ぜていた。


 その瞬間、魔人武王ガンジスは駆けた。

 <雷飛>か不明なスキルで、グラド師匠との間合いを詰める。

 と魔人武王ガンジスは神槍ガンジスと魔斧槍でダブルの<刺突>系統のスキルを繰り出した。

 グラド師匠は赤い点のような双眸を煌めかせた。

 両足で足下の鋼の魔槍を蹴り、ガンジスの神槍ガンジスと魔斧槍のダブル<刺突>系統のスキルを防ぐ。

「なに――」

 ガンジスも驚くと、ガンジスの方天画戟と似た穂先が、グラド師匠の鋼の魔槍を破壊した。


「足下に炎立つ赤き光は天を衝き、殺気は千筋の煙を吹きぬ! <赤炎刹筋万>!」


 グラド師匠の<魔謳>? 殺気が己を活性化させた?

 グラド師匠の体に衣装にルグファントの戦旗が絡み付いていくと、


「カッ――」


 グラド師匠は気合いを発した。

 己の体から紅き燃えたような煙のような魔力を噴出させながら己の両手に新たな魔槍を出現させながら炎を一瞬で纏わせながら突き出した。

 

「飛怪槍――」

 

『飛怪槍と赤斂ノ戦氣』

『飛霊と起衝霊』

『先天魔槍勢――飛怪槍・赤斂ノ戦炎刃』


 ピコーン※<飛怪槍・赤斂ノ戦炎刃>※スキル獲得※


『槍が来たりて、善と悪の古き神々に関わることなく、雷と炎が来たりて、怪が来たりて、小月を守りし一族と、妙と神が来たりて、呪われた狩りを行う女帝槍として、魔触媒が活きる『霊』と『臓』が宿る者が来たりて、獄魔が征くがごとく『獄魔』と『破豪』が宿る者来たりて、骨魔人の『戒骨』と『霊魔』が宿る者来たりて、反躬自省のまま『魔霊飛怪槍秘訣』を獲得し『魔軍夜行ノ槍業』を得るに至り『弟子』を求めば、絶招に繋がる』


 と文字が浮かぶ。

 炎のような魔力には戦旗のような無数の布切れも見えている。

 ガンジスは飛怪槍のグラド師匠の<飛怪槍・赤斂ノ戦炎刃>を魔斧槍で受け止めたが、魔斧槍の柄は溶けて消えると神槍ガンジスを防御に回して懐から極大魔石のような魔石を取り出し、それを潰し爆発させては、グラド師匠を「ぐあぁぁ」と吹き飛ばし、己の片腕を犠牲にして神槍ガンジスを持つ三腕を傷だらけにしながらも<飛怪槍・赤斂ノ戦炎刃>を止めていた。


「飛怪槍流武術、敗れたり――」

続きは明日。

HJノベルス様から書籍「槍使いと、黒猫。1~20」

コミックス1巻~3巻発売中。

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― 新着の感想 ―
[良い点] グラド師匠の大技<飛怪槍・赤斂ノ戦炎刃>をゲット!(その後の浮かんだ文字は集まった他の師匠たちの事で、最後の弟子ってのがシュウヤの事かな?) [一言] >グラド師匠の皮膚に増えている皺は、…
[良い点] 魔人武王ガンジスに腕を一本犠牲にさせるとは、魔界八槍卿の頭目の名は伊達ではない‼︎ 飛怪槍流武術は、<導魔術>系統による魔槍の遠隔操作と<影導魔>系統による影の操作が必要なようだし、修得…
[一言] グラド師匠の導魔術はアキレス師匠を思い出しちゃいました。アキレス師匠も4本の導魔術を扱っていたので。 グラド師匠の必殺技もガンジスには惜しくも届かず……ただガンジスも極大魔石を使ったり、片腕…
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