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槍使いと、黒猫。  作者: 健康


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千三百四十九話 アキサダが長い人生の間に集めたマジックアイテム


 人生か、ふと、人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなりという言葉を思い出す。


 そして、レン家、黒髪の魔族の寿命が、どれくらいか分からないが、


「どんな宝を埋めたんだ?」

「……荒神イギラムアの魔精地下堂の遺跡に埋めたが、それも宝と言えるだろう。その荒神イギラムアの魔精地下堂の中に……ミシャグジさまの大鏡石・乙、旧神エフナドの秘奥黒寿宮殿への道・地下大動脈層大図、神魔の大燭台、神魔の大蝋燭、古の義遊暗行師ミルヴァの仮面、古の義遊暗行師ミルヴァの防護服、古の義遊暗行師ミルヴァの短槍、古の義遊暗行師ミルヴァの神剣、古の義遊暗行師ミルヴァの靴、神魔シャドクシャリーの書、覇霊魔牛次元魂石などが埋まっている」

「「……」」


 皆、驚いて沈黙してから、


「「「「おぉ」」」」


 と、俺を含めて皆が驚きの声をあげた。

 ヴィーネも、


「驚きました、古の義遊暗行師ミルヴァの一式のアイテムをアキサダが保管してようとは!」

「ん、古の義遊暗行師ミルヴァの短剣は、シュウヤが持っている」

「はい、宗主は二剣流の時に蒼聖の魔剣タナトスと義遊暗行師ミルヴァの短剣をよく用いる」


 キッカの言葉に頷いた。


「これだな――」


 義遊暗行師ミルヴァの短剣を出す。


「「おぉ」」

「はい」

「では、正義の神シャファ様を信奉する組織の【義遊暗行師会】の義遊暗行師が……」

「ん、正義の神シャファ様の眷属ミルヴァが魔界にいた?」


 ヴィーネとエヴァの言葉に皆が頷いた。


「いたんだろう」

「はい、魔界セブドラに来ていたから、アキサダが入手したのでしょう」

「……神魔シャドクシャリー……我の祖先が住んでいた神魔山シャドクシャリーのアイテムか?」


 キスマリの発言に頭部を傾げるが、


「名前的にそうなるか?」

「はい」


 キスマリの魔族は六眼トゥヴァン族だ。

 神魔山シャドクシャリーと関係があってもおかしくない。

 古の義遊暗行師ミルヴァの短剣を消す。

 すると、レンが、


「皆様の反応を見ていますと、シュウヤ様は正義の神シャファとも関係が?」

「そうだ。俺は魔界セブドラの神々と神界セウロスの神々とも通じている。セラでは、呪神ココッブルゥンドズゥ様に通じている」


 と言った瞬間、微かな生暖かい風を感じたような氣がした、気のせいだろう。

 アキサダに、


「入手経路は?」

「魔商人、大魔商人、闇魔商人、魔傭兵団、魔界の神々の大眷属、眷属、諸侯では、恐王ノクター様本人と目される魔商人ベクターと、その部下ゲラから、様々な物と交換で入手してきた」

「恐王ノクター本人だと……」

「わしがそう感じただけかもだ、髪の毛が無く、灰色の布で双眸を隠していた。眼がないように思えるが、普通に歩いていた。そして、シュウヤ殿のような雰囲気を醸し出していたのだ……見えざる魔手に短槍、魔槍、魔剣も出現させているのは見たことがある」

「ん、また驚いた」


 頷く、皆、レン・サキナガにルミコも驚いている。


「「「「……」」」」


 驚くのは当然だが、ここで恐王ノクター本人とはな。


 聞く限り、魔界セブドラの神絵巻に載っていた恐王ノクターだろう。過去に、魔商人ベクターと名乗って【レン・サキナガの峰閣砦】がある【バーヴァイ地方】に来ていたということか。

 レンは、


「メイジナ海には、黒海覇王会の船がありましたが、その船も様々な取り引きに利用していたのですか?」

「その通り、上草連長首座の立場を大いに利用させてもらったわい」

「……」

「……源左やマーマインに魔界王子テーバロンテの軍がうざかったが、この【峰閣砦】は、【サネハダ街道街】と【メイジナの大街】に【メイジナ大街道】や【メイジナ大平原】に【メイジナ海】と通じているからな……」

「……マーマイン側とレン・サキナガ側の争いはあまりないように思えたが?」

 

 と、発言したのはサシィ。すると、アキサダではなくレンが、


「はい、マーマインの軍は、魔界王子テーバロンテの軍と同じく、私たちを無視することが多かったですね」

「「……」」

「それよりもアキサダ、私の〝秘鏡ノ大具〟と〝合わせ秘境〟で皆さんに見せた、貴方の部屋にあったアイテムもそれなりに貴重な品だと思いますが……」

「うむ、当座の取り引き用だ」

「……アキサダ、その秘宝クラスの品は、どこに埋めたの」


 とルミコが聞く、アキサダは、


「【サネハダ街道街】の近くの山道外れだ。そして秘密もある」


 アキサダが長い人生の間に集めたマジックアイテムはそこか。


「へぇ、近い。けど、わざわざ体に魔印として地図を記したからには、見つかりにくい何かが施されているのかしら」

「そうだ。わしが居れば簡単に見つかる」

「なるほど、それも保険か」

「……そうとも言えるが……本筋は【峰閣砦】の魔君主に君臨することだったことに変わりない」

「では、その【サネハダ街道街】にまで案内してもらうとしようか。今すぐではないが、レンたちもいいかな?」

「はい、謀反人ですが、捕らえたのは神獣様ですし、シュウヤ様がいなかったら、私たちも危なかったですから、アキサダの命はシュウヤ様に譲ります」

「……そうねぇ、貴重な宝物の情報も確実のようだからね、でも、アキサダ……勝手に動こうとしたら、あたいは許さないからね」


 ルミコの言葉にアキサダは項垂れて、


「……シュウヤ殿たちの絶対的な戦力がここにはいるのだ、ヘルメ様とグィヴァ様と言ったか、今もわしに敵意を向ける時がある。こんな状況で、わしに何をしろと……」


 と発言。そりゃそうだな。ヴィーネ、ビュシエ、キッカ、エヴァ、ミレイヴァル、キスマリがいる。

 アキサダの保険が作用しても従うしかない状況だ。

 さて、そのアキサダの身柄は皆に見ていてもらうかな。


続きは明日。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まさかのミシャグジさまのアイテムが。それに古の義遊暗行師ミルヴァの装備一式に、キスマリの故郷と関係有りそうな神魔シャドクシャリーの書まで。流石は諸侯のNo.2の立場に居ただけ有るな。 >…
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