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閑話 ◯◯型メリーさん

これは、今のエリア編が終わった直後のお話です。エリア編のネタバレを微粒子レベルで入れてます。

黒須 行人側






『私、メリーさん。今、黒須行きの電車に乗ったの』


「……は?」




いやなんでだよ。






事の始まりは今日の朝だった。


常時マナーモードにしているはずのスマホが鳴った。それだけでも十分おかしいのに、画面を見ると非通知。一応と思い通話ボタンを押すと、さっきの言葉だけ言って切れた。


……これ、間違いなく怪談で有名なメリーさんの電話よな? まずマナーモードで鳴った時点でおかしい。




「で、西京が欠席してるから私のところに来たと」


「ああ」


「……はぁ……うっそでしょ」


昼休み。学校でこの手の話に詳しそうな圭を探すも、欠席してるらしく居なかった。なんで宮野に話を聞きに行ったら頭を抱えられた。


「幽霊だったら大体わかるけど、妖怪やその手の怪奇現象になると……ほとんど出会った覚えないのよね」


「まじか……」


「出会った記憶あるとすれば……河童くらいか?」


「河童はあるんかよ……それも驚きなんだが」


「その話はいつかするとして……とりあえず、次の電話次第ね……日本の怪談にありがちだけど、後日談が無いやつだからどうなるか」


「あー……『今、あなたの後ろにいるの』で終わるよなぁ……」




「『私、メリーさん。今◯◯地区にいるの』……って言ってたよ」


「住んでるとこじゃねぇか」


この電話があったのは午後の授業間の休み時間である。黒須はケータイは持ち込み許可されてるものの、マナーモード必須なため先生に没収されかける……が、マナーモード状態で鳴ってるのに気付き先生が電話に出た。そしてクラスの人がパニックにならない様、後でスマホ返すついでにこっそり教えてくれた……それにしても先生、あんたも裏側か。


っと、それはさておき。宮野が「うちに来なさい」と言ってたためお邪魔させて貰おうと思う。男を家にあげていいのかと思ったが、宮野の母が大丈夫と言っていたらしい。


そんなこんなで放課後。宮野に付いて行ったんだが……


「ここが私の家よ……そんなに驚かなくても」


「……でけぇ」


武家屋敷。その一言で表せる、どでかい屋敷が目の前にあった。


「黒須って、私達のような裏に関わる者に転入するための資金とか出してくれるのよ。で、それ使って引っ越す前の家とほぼ同じの作ったらしくて」


「すげぇ……ちょっと待て。私達って言ったがそれ俺の事じゃないよな? って事は……宮野家一家と言う事か?」


「あれ、言ってなかった? 実はって程でも無いんだけど……」


家の中へと案内されながら、宮野はその赤色の混じった目をこちらに向けて話し始めた。




話を要約すると、宮野家はある家の分家で、本家は安倍晴明の直属らしい。つまり宮野にも清明の血が流れてる……まじか。そんで、基本兄弟姉妹で一番力の強い人が本家を継いで、他は分家になる上、大体分家は力が弱くなったり無くなったりする。が、宮野は先祖帰りしたのか強力な霊能力に目覚めてるとのこと。


「本家の人って、能力の代償か目が真っ赤なのよ。血というよりルビーな感じ。で、私の眼って生まれつきちょっと赤っぽいのよね。その段階で両親は勘付いてたらしいんだけど、本当に見えてたことを知って一度倒れてるわよ」


「麗華! いくら裏に関わる人だからって、親の恥ずかしエピソード気軽に話すんじゃありません!!」


と、顔を覆いながら言うのは宮野母こと宮野 (サクラ)さん。彼女の先祖に本家がいるらしい。最初俺の顔を見たとき敵の反応が出てたんだが、宮野が話を通すと味方になった……と言うことを伝えると、俺の能力を信用してくれたらしく、宮野が本家の話をするのを許可した方だ。


「母さまごめん」


「まぁ良いですけど……それより矢島君。あれ以降電話は来てないのかしら?」


「来てない『♪〜』と思ったら来ました……」


「わたしが出ても?」


「頼みます」


宮野母に電話を渡すと、マナーモードなどを確認して出て……俺や先生よりは長かったが、10秒経たないうちに耳を離す。


「……うーん。感覚的に本物っぽいけど、わたしにはよくわからないわね」


「なんと言ってました?」


「『私、メリーさん。今、貴方の家を見つけたの……貴女じゃなくてこの電話の持ち主の』よ」


「……後半なにそれ」


「……先生が出た時はそんな一言なかった筈なんだが……」


「あっ分かった。最初の声だ」


「は?」


「なるほど。矢島君、その先生男だったでしょ」


「えっなんで分かるんで……あーそうか、流石に女性が出たら声で別人か分かるか」


地の文にすら出てないが、俺も先生も宮野母も出た時に『もしもし』の一言がある。先生の時は気付かなかったが、流石に女性が出たら気づくよなぁ……


「けど、プログラムとかじゃない事はわか『♪〜』……早くない?」


「確かに」


今度は宮野に渡してみる。


「……『私、メリーさん。電話の持ち主が家にいなくて困ってるの』」


流石に吹いた。




「『私、メリーさん。今、貴方のいる家の前にいるの』」


「ついに来たか」


夜。晩飯をご馳走してもらい、そのままつぎの電話を待っていたのだが……ついに来た。


俺の前には宮野。後ろには宮野母。大量のお札を用意して、すぐ動ける態勢で最後の電話を待つ……宮野父は今日は帰って来ないらしい……大丈夫か?


『♪〜』


「来た……宮野、頼むぞ……」


「ええ……」






「もしもし?」











「『私、メリーさん。』」


「いま、貴方の後ろに「「確保ォ!!」」きゃあああああああああ!!」


後ろに何者かが現れた……と思った瞬間に宮野親子に確保された。






「もうだめだ、おしまいだぁ……」


「ネタに走るならまだ余裕そうね」


お札まみれになり、確保されたメリーさん(仮)。年齢は……俺らと同じくらいか? 白装束に長く乱れた白髪に……(仮)と付けた最大の特徴が第一印象だな……




「で、なんで白蛇がメリーさんなんかやってるのよ」


その最大の特徴は、赤色に黒い()の瞳孔。爬虫類とかと同じアレである。


「誰が教えるか……」


「あらあら、もう一発必要かしら?」


「言うからやめてくれ!! 頭グリグリはやめてくれ!!」


……母は強し。グリグリって頭の両側から拳骨で潰す奴な。


それはさておき、彼女? はちょっとずつ話始めた。


人化できる白蛇として生まれた事。人の恐怖心や信仰心で生きてきた事。時代と共にどちらも薄れてしまい生きるのがきつくなってきた事。メリーさんの真似をして集めようにも、大体が失敗した事。そして、最後と思って電話した先が俺だった事……


「お前から流れてきた恐怖心、純粋である上に何かの力があった。だから、その力を食おうと思って……」


「まじか……」


判定の色は、中立に近い敵。つまり……敵のままだけれども、敵意は無い。つまり、もう抵抗を諦めてるって事になる。


「……宮野、憎むに憎めないんだが」


「妖怪がデフォルメ化されたりする世の中だものね……私の知る河童もそんな事言ってたし」


「現代に妖怪が少ない理由の一つが、殆どの妖怪が恐怖心を糧に生きていたのに、それが無くなったから日本から消えた、というものよ。残ってるのは恐怖心以外で糧があるモノがほとんどらしいわ」


宮野親子からも補足を受け、改めてメリーさん(仮)を見る。


「もう何も出来ん。このお札が剥がされても元の姿に戻るだけだ。煮るなり焼くなり好きにしろ……」


「……なぁ宮野、俺にはどうすりゃいいか分からんのだけど……宮野?」


宮野の方を見ると、目を閉じてなにか考え事をしていた。






そして、目を開く。


『目から赤い光を発しながら』。


「白蛇、あなた、呪われているわね?」


「「は?」」






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






事の顛末。


宮野もチートだった。


『私の本当の能力ってね、呪いを浄化する事なのよ。もちろん幽霊が見えたりするのも能力なんだけど』


『は?』


『でね、白蛇って縁起物としてそれなりに信仰されてるものなのに、なんでこんな事する必要があるまで力落ちたのか気になって。『見た』んだけど……うん、なんかに阻害されてるよ』


『なん……だと……』


『とりあえず、解呪するわよ……これか、えいっ(メリーさんの首後ろを叩く音)』


『ぎゃっ……ん? なんか力が湧いてくるような……』


『それが本当の力よ。呪いでプラスの感情……信仰心とかの力が得られなくなってたみたいね……ってか気付け』


……その時の俺らの顔は日本一間抜けだっただろう。宮野母はまたかみたいな顔してたけど。


「……と言う事があったんだが……圭、大丈夫か?」


「けほっ……ああ……な」


あれから2日後。事件の翌日も居なかった圭が、マスクを付けて登校していた。なんでも、海に落ちたのに体乾かさなかったから風邪ひいたらしい……まずなんで海に落ちたんだ?


……それはさておき、放課後に事件のあらましを伝えていた。


「で、その白蛇メリーはどうなったんだ、な?」


「それなんだけどよぉ……」




「矢島君!! アレ来てない!?」


「また迷ってんのかよ!? 仕方ねぇ電話するか……」


「……『電話遅いぞ!!』 何やってんのか!!」


「アレってなん、な!?」


教室に突撃してきた宮野に返事をし、あるところに電話をすると、相手が出るのと同時に俺の後ろに人が現れる。


白蛇メリーさん、改めハクア。涙目でヘコんでいた。




『……え、家が分かんない?』


『分からない、じゃなくて無い。取り壊されとるからの……帰る場所も行く場所もない』


『俺から力得た後どうするつもりだったんだ……』


『考えてなかった。それに……礼もせずに帰るのもな……』


『……式神にでもなる?』


『いいのか!?』


そんなこんなであの後、宮野の式神と言う名の居候(だって戦いとか無いしなぁ)になり、ハクアという名前をつけられた。家事全般請け負ってるんだが……ここで問題が発生したんだよなぁ……




「「家から一歩外に出たら、即迷子になる」」


「ならなんで外に出すんだよ、な……?」


地図を渡しても、何をしても同伴者が居なかったら迷子と言うか瞬間移動する。宮野母が町の案内をしてるのだが、人混みではぐれる度に、黒須からは出ないもののあり得ない場所へ行ってしまう……お陰で買い物等が任せられない。


俺が電話する事で何故か戻って来れるのが救いである。


『しばらくすれば、飛ばない(迷子にならない)範囲は広がるはずだ……はずだ……』と言ってたがどんだけ時間かかるんだろうなぁ。


「……ん? そっちのは……なんだこの有り余る力の持ち主は」


「そいつがよく話に出してる圭だよ」


「なるほど」


「……なるほどで済ませるな、な……げほっ……」











数ヶ月後のこと。


「えっ、マジで?」


「本当よ……」


迷子にならない範囲が学園まで広がったハクアが、宮野白亜と名乗り来年度から黒須に入ろうと勉強してる事を知った。

本当の題名:白蛇型メリーさん


しかし、いつもスピード違反で時間進んでますな……どないしたらええんやろ……




余談

5/8は誕生日です。誰の? 作者のだよ(

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