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第九回 ぼーいず みーつ……

黒須






「……綺麗な湖ですね」


「そして奥にはなんかあると言わんばかりの洞窟が見える、な」


歩く事数分。道の行き止まりにさっきも見た穴が空間に開いていた。その先にはちょっと大きめの丸い湖と、俺等のいる側から見て丁度反対側に洞窟があった。


洞窟に向かって歩こうとすると、湖の中央の方から何やら気配がした。見ると、水面に波紋が広がっている……えっ?


「……エリア、石投げ込んでたりとかしないよな、な?」


「してないですよ……魚でも跳ねたんでしょうか?」


「にしてはでかいような、な……?」






気になって湖を覗きこんだ俺は、水中に光る何かと目が合った。






「!? 湖から離れろ、な!!」


「えっ!?」


俺等が離れると同時に、水中から何かが飛び出した。


水面から3メートルはあるだろうその姿は、まさに『水龍』だった。




『別に取って食う訳ではない。逃げなくて良いぞ』


「うわああああああ喋ったああああああ!?!?」


「……殺意を感じない、本当のようだ、な……エリア、何言ってんだ、な。ドラゴンは喋るものだろ、な」


『……待て、お前も何を言っているんだ』


「……ドラゴンとはいえども、初対面でお前呼ばわりは頂けないな、な」


「そんな事言ってる場合ですか!?」




『それはともかく、お前はこの世界の者では無いな?』


「そうだが、な……だからお前呼ばわりはやめてくれ、な。俺は西京 圭だ、な」


『……ケイか、なるほど。それなら話は早い……この世界の『キー』を助けてくれ』


そう言うと、水龍は俺に向かって頭を下げてきた。


……俺の名前に心当たりがある、そしてそのワード、『キー』を知ってると言うことは……




『キー』とは、その世界において居なくてはならない人物---たまに人じゃなかったりするが、な---の事。小説で言う主人公やヒロイン等に当たる、な。どの世界にも1人はいて、その人物が死ぬと次の人物へと役目が移る。


キーは、世界に定められた時より前に死ぬ---異世界の者やそれによってもたらされた物でしかあり得ないが---事は、世界の崩壊へと直結する。異世界等へ行く分には大丈夫だが、死ななくてもそれに近いこと---次元の狭間に落ちて行方不明など---が起きても世界の崩壊や凍結へと繋がる。生きる分には大丈夫だが、キーとしての役目と力は本来死ぬタイミングで次の人に移るらしい。


ちなみに『サブキー』という存在もいる。脇役やスピンオフ主人公に当たる者がそれに当たる。キーほどではないが、サブキーも特定のタイミング以前で死ぬとまずいらしい。


誰がキーなのか知るのはその世界を小説などとして知っている世界の住人か、神位しか居ない筈だ、な。ちなみに、俺キーは誰か知らないが、俺と海堂がサブキーだと、ある異世界で出会った神様から告げられている。キーの説明もその時に知った。




「このドラゴンも俺と一緒で別世界からきてるんだ、な。だから俺を知っていたんだ、な」


「……キーの説明は分かりましたが、少し矛盾してませんか?」


『我が何故知ってるか、という事だろう?』


「龍だから神に近いし知っててもおかしくない、なと思ったんだが、な……その様子だと違うみたいだ、な?」


『そうだ……そっちの者には少し辛い話かもしれないが、聞くか?』


「……エリアに任せる、な」


「僕ですか……聞きます。教えてください」


『……ほとんど悩んでないが、本当に良いのか?』


「いずれ聞く事になりそうなので……お願いします」






この会話中、俺は何故エリアにとってきつい話なのかという理由を察していた。


それと同時に、この世界に来る直前のことを思い出した。何故忘れてたのか、な……






『この世界は……』


あの時、先生が持っていた絵本。その題名は……











『ここが、創作物の中だから、だ』


「……えっ?」


確か、『人魚姫』だった、な。






違和感や、エリアの記憶喪失の件も理由がわかる。


日本の絵本なので、日本語で書かれている。だから、どう見ても英語圏の人物なのに、日本語が話せる。


名前などを覚えてないのも同様。そりゃそうだ、な……『名前が設定されていないから』、な。


「僕は……小説のキャラクターという事です、か……?」


『厳密には絵本だが……そうだ。我は気まぐれにこの世界に入ってただけに過ぎない。そして、人魚がこの先へ連れ去られるのも、それによって世界が崩壊し始めているのも見た』


「その人魚が、この世界のキーという事か、な……エリア、気にすんな、な。どうせ俺もどこかの世界だと小説とかの人物だろうし、な」


「そ、そんなものなんですか……」


『ああ。そんなものだ……話を戻すぞ。我も世界の崩壊は見逃せない。加えて、お前が入って来たのを感じたから待っていた……正直手遅れな部分もあるが』


「……世界じゃなくてキーを救ってくれってそういう事か、な」


そうと決まったら、早く洞窟の中へと行かないと、な……


『ちょっと待て。この世界の者よ、これを持っていけ。もしもの時に役に立つであろう』


向かおうとしたら、水龍がエリアに何かを渡した。光る球に見えるエネルギー体の様だが、俺にはそれ以上分からん。けど、エネルギーがかなり強いことは分かる……一体何を予知したんだ、な?

キャラ設定ばっかり進んで本文進まねぇ

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