十話 虹魔法完成!
「クロス・・・・耐えてくれよ。」
俺はそう呟きながら、全魔法合成の練習、もとい、新魔法を作り出そうとしていた。
「ガウガウッ!」
クロスは、魔法耐性は全く無いが、魔法が当たらないくらいの速さを持っている。
それでも範囲系の魔法を使われ、ダメージを少しずつ受けているが。
「後・・・10秒だっ!」
その十秒が五分よりも長く、一時間よりも長く思えた。
「キャウン・・・。」
もう、クロスは限界そうだ。
犬のような弱々しい鳴き声をあげている。
「完成だ!スライム君、覚悟しろよ。」
俺はそう宣言しながら、スライムの目の前に立った。
頭の上には虹色に輝いた魔法球があった。
「これが俺の魔法、虹魔法だっ!」
虹魔法、それは六種の魔力を一つに纏め、それを魔法の変換し使うという、時間のかかる魔法だ。
しかし、効果は絶大で三つ以上魔法耐性が無いと即死だ。
今回は闇だけなので、余裕でサヨナラだ。
「じゃあな、スライム君!」
俺は虹魔法をスライムに当てた。
・・・・ポン!
虹魔法はスライムの中に入り込み破裂し、内側からスライムを破壊した。
「・・・・・終わった。」
この虹魔法は効果こそ絶大だが、普通の人は一時間に一回が限度だろう。
しかし、俺は一時間練習すれば楽に使えるようになる。
今すぐにでも練習をして使えるようにならなければ。
「クロス、お疲れ!」
そんな事を言いながら、俺は光魔法をクロスに使う。
光魔法は、治癒や浄化の効果もあり、僧侶や神官は絶対覚えて居る。
しかも、身も守れるので、一石二鳥だ。
また、闇魔法はそれの反対で、不浄化、悪化など悪い効果がある。
しかもモンスターや、人を操る魔法もあるので一部の術は禁術指定されている。
そして、無魔法だが、名前のように何かを消す魔法でもあるが、魔法熟練度によっては、時を少し戻せたり、何も無いところで小爆発を起こせたりもする。
もちろん、何も無い訳では無い。
無魔法は透明なのだ。
だから、魔力が流れているのは分かるが見えないため、魔法使いでも避けれず魔法をくらってしまう事が多い。
この世界で無魔法を使えるのは分かっているだけで15人。
人口が大体三億人くらいらしいので、少ないのは分かるだろう。
何故こんなに少ないかと言うと、無魔法は「スキルもどき」なのだ。
スキルでは無いが、生まれたときに使えるか決まるということ。
だから、スキルのように子供にも受け継がれない。
俺は、練習したが。
どうやったかと言うと、何も無い場所のど真ん中に魔力を流し込み、目を閉じて見えないようにして、魔力の流れだけで魔法を使うという物だ。
この練習のおかげで物などの状態を三分程度戻せるようになった。
伝説の魔法使いのデメウス・リオンはすぐに木を種から成長させれたらしいがな。
この世界で俺は強いのか弱いのか分かんないな。
まぁ、油断はしないがな。
「さぁ、もうちょっと奥に行こうか!」
俺は森の奥へと進んでいった。
ガサガサガサ!
ここは、十分前まで雅がいた場所。
「・・・・。まだ奥に進むのか。」
「そうみたいだな。」
「少しヤバいかもな・・・。」
「あぁ、この森の奥にはまだ俺らしか見つけて無い遺跡があるからな。」
「どうにかして止めるか、村に戻すかな・・・。」
そんな事を言う二人組が雅を狙っていた。
次回も戦闘です。