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未来の国
未来の国
均一に並べられた机と椅子がある。
部屋の中に36個同じものがある。
硝子張りに見える外の風景にも広く均された土地と、同じ意匠に建てられた建造物が均しく並んでいる。
部屋の中の1つの椅子に2人はそれぞれ腰を下ろす。
2人は妖精を何人も殺したことを覚えている。犯した罪をそれぞれ後悔している。誰も見ていなかったのだから咎める人もいるはずないのに。
青年は少し歩いて部屋に衣服を見つけた。とても上等なもの。
気分も変わるだろうと、お互いに着替えることを提案した。
姫の衣装は式典の日とあって最上のものだったが、汚れも解れも同時に目立っていた。
2人は硝子戸の大幕に包まり着替える。
青年は慣れない留め具に戸惑いながらも無事に着替えられた。
着替えた2人の姿はまるで見たことのない格好だった。
自分たちの国の技術では作ることのできないもの。
遠い先でようやく作られそうなもの。
青年は「とても綺麗だ」という感想を言って姫の顔に笑みが戻る。
同い年の2人は席に並んで座って話をした。自分が生きる未来はどうなるか、なんてことも話した。
この場に2人を縛るものは何もなかった。
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