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姫が消えた日
全10話ほどになると思います。
年老いた女性が語る。
「貴方は旅人ですか?」
私は旅話と旅が好きなの。
聞いてくれるかしら。
この話に名前を付けるなら【姫が消えた日】だと私は思うわ。
ある国の式典が行われる日のこと。
その日、姫が国の宝の首飾りを着けて国民の前に立つ。
姫の姿が城から国民に見えるか見えないかという時、姫の近くに黒い渦が突如発生した。
その渦は意思を持って姫に接近する。近衛兵が姫の身を案じて間に入るも、黒い渦に触れた瞬間に体はバラバラになる。まるで回転する刃物のように近づく者をすべて切り裂いた。
姫は走り出した。殺されないために。本能だったのでしょう。死にたくない、生きていたい。その強い思いで黒い渦から逃げた。
黒い渦は姫を追い、姫を守ろうとする者は皆、渦に切り裂かれて死んだ。
姫はなぜ自分が狙われるのか見当も付かなかった。城下の市場まで逃げるも、狙われるのは自分だけ。もう息も上がって、脚も重くて動かない。国民は目の前の光景にただ理解が追いつかないのでしょう。
姫は疲労の末、足がもたれ倒れる。
「大丈夫ですか、姫様」すぐ近くにいた青年が話しかける。
黒い渦はもう近くに来ていた。
青年が姫に覆いかぶさるように遮った時、黒い渦が2人を飲み込んだ。
ありがとうございました。
恐らく次話は【砂の国】というタイトルです。




