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11歳の秋。
あの日も、私は孤児院へ帰っていた。
オランジェット家が領内で経営するパン屋が出来上がり、その職人として孤児院の一番年上だったベンが雇ってもらえた。その、お祝いをしていた。
私たちにできるだけの精一杯のご馳走。
みんなで口いっぱい頬張っていた。
そのささやかなお祝いの中、バザーで食べたパンを出すようにと柄の悪い人たちがやってきたのだ。
怖かった。涙が出た。
その騒ぎを聞きつけて、フリードお兄様たちが駆けつけてくれた。
フリードお兄様たちの姿を見て奴らは逃げようとしたが、結局捕まってしまった。
柔らかいパンの秘密を知って他領に売ろうとしたらしい。
駆けつけてくれた時のフリードお兄様、カッコ良かったなぁ。いつもと違う人みたいだった。そして、何だか偉い人みたいでびっくりしちゃった。
こんな素敵な人たちが守ってくれるなんて、本当に頼もしい。
困った時に助けてくれるなんて、本当に素敵だ。
お兄様、本当に私の勇者様みたい。
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そうして、私は侍女見習いの仕事を続けていた。
ただ、お嬢様がマナーなどの復習をする際に私を相手に教えながら練習されるようになった。
何でだろう。
でも、勉強にはなっている。
きっとこれから先、マナーは覚えておいて損はない。これから先の私が、助かるだろう。
お嬢様、優しい。
侍女頭のメイ様も時々私に宿題をだされるが、できたときには甘いご褒美を用意してくれる。
でも、貴族名鑑って私が見て覚えるものなのかなぁ?
ご褒美は嬉しいけど。
何かオカシイ気もする。
でも、褒めてもらえるし頑張ろう。
仕事自体、私くらいの年齢だと夕方までで終わりになる。これはきっとオランジェット領だからだ。それから宿題をして賄いをいただく。これも、とっても美味しい。最近はデザートまであることも増えている。
うん。
なんだかんだでたくさんのことを教えてくれる領館でのお仕事は忙しいけど楽しいし美味しい。
このまま、この生活が続けば良いのに。
そう、思っていた。
フリード様頑張ってます。
ルナリアも頑張らされてます。
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