18 フリード
あれから、あの私の婚約解消から10年以上の月日が流れた。もう、あの時のことを言われることもない。
基本的には領地で仕事をしている。
ただ、妹夫婦が忙しい時や都合がつかない時に代わりに皇都へ行くことも増えた。
社交界へも復帰している。
未だに独身なことをからかわれる事はあるが、それくらいなものだ。
最近は、肩の力を抜いて社交できるようになってきた。
未だに独身なのは、縁談相手があまりにもオランジェット領からの援助を欲しているからだ。
中には交易の際の手数料を無料にするように求める相手もいた。
それは、あまりにも失礼な要求だった。
もしかしたら、一生このままかもなんて悲観したこともある。でも、妹だけはこのまま静観するように遠回しに伝えてくることがあった。
何だろう。
やがて、
妹がノーチェ子爵家からの縁談を伝えてきた。
子爵家嫡女への婿入りの打診だ。
話自体はありがたい。自分にはとても良い縁談だ。
だが、まだこの令嬢は学園生なんだよな。
12歳も年下なんだが、こんなオジサンで良いのか?
セシカからは何も伝えられないまま、顔合わせの日となった。
いや、何も言わなかったがセシカは私を見て笑ってたよな。何だろう。
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やられた。
あの時の子か。
あの子が貴族に引き取られたとは聞いていたけど、まさか自分に縁談を持ってくるなんて思ってもなかったよ。セシカは知ってんだな。
真っ直ぐな彼女眼差し。
あの頃も可愛かったけど、成長した今はまるで天使のようだ。
その眼差しを私に向けたまま彼女はこちらが恥ずかしくなるほどの熱量で自分の恋心を伝えてきた。
あまりにも飾らない彼女の真心に私の胸も貫かれてしまった。
こんなに私のことを思ってくれていたなんて、本当に驚いた。そして、素直に嬉しかった。
まだ、気持ちの整理はつかないが私はこの話を受けるだろう。
彼女の真っ直ぐな眼差しが眩しく感じられる。
そんな彼女をこれから、支えていいきたい。
そう、思った。
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