3 到着1日目(まだ開校前)
ここから文体が変わり、叔母の生き生きした様子がうかがえます
☆★ スクール到着!!
まずは寄宿舎の方へチェックイン。しかしチェックインタイムは1時だという。今はまだ11時。(ハワイ時間で朝4時)。バーバラが私をハワイから来てヘロヘロだからなんとかしてあげてと頼んでくれているのが聞こえる。荷物をロビーに置いて2人でギルドスクールの事務局がある棟に行くことにした。(ここから文体が変わります)
事務局は学生食堂の入り口近くにある。バーバラが入って行くと何人かスタッフがいて、彼女はお久し振りのハグ(抱擁)をすべての人と交わした。バーバラが私を「スカラーシップの生徒を連れてきた」と紹介するともう1人のバーバラがやってきた。
この人こそバーバラ・デービス、ギルドスクールのディレクター(総指揮官いので誰も私の顔は知らないし、私も誰も知らない。
スクールキットをもらって、スタッフを紹介してくれたような気がするが、一度に名前を覚えることは私には不可能。でも皆名札をつけているので安心だ。今ここにはスカラーの選考委員の人はだれもいないらしい。開校前日なので嵐の前の静けさ、明日はどっと200人も来るのだ。
もうすぐランチの学食が開く(いつもシャッターがおりている)と言われたが、依然気持ちが悪く、食べたいが体が受け付けないみたい、眠い方が今はつらい。もう一度ドミトリーの受け付けに行って見ることにした。ラッキーなことに私のヘロヘロモードをみかねて部屋のキーをくれた。とにかくベットに倒れこむ。・・・・・
目がさめると4時。5時間は寝ていたようだ。そういえば確か5時半から夕食だったような気がする。私の窓からダイニングルームの半分が見えるのだけど人の気配がない。嫌な予感(←よく当たる)学食棟に出かけるとまさにクローズ。そういえば今日はまだ少しの人しかいない。(じゃ なんでランチはやってたの?)と疑問は残るが仕方ない。ハワイを出てから、夕食+朝食+ランチ抜きで、お菓子だけで過ごしてきた私のお腹は空腹を超えて大量の食べ物は受け付けない感じ。
学校の人に、そこの坂を降りていくとダウンタウンだからレストランがあると教えられ夕暮れ時の(といっても8時ごろまで明るいが)キャンパスを海へ下っていく。練習船があるようなのだが今は航海に出ているらしい。他に釣り舟があるけどロブスターの船ではないようだ。
坂道を下って左に曲がるとストアらしきものと、ガソリンスタンドっぽいものと、お土産屋と、あと数軒。これがダウンタウンのすべて。10歩で終わるくらいの規模。まずストアらしき店へ踏み込む。一応スーパーマーケットもどきだが田舎のコンビニか、イチゴはかびがはえてるし、賞味期限=販売期限ではないという商品が並んでいる。とにかく食べはぐれのトラウマからとりあえず、バナナとヨーグルトを買う。どこかにスープかチャウダーを食べられるところはない?と聞きつつ、(あるはずないよなあ)と自答したが、一応3軒先にパン屋があると教えてくれた。
行くと閉店。店自体が営業してないようだ。近所の人も知らないとは。隣にrestaurantの文字を見つけ駆け込む。があったのはバーカウンター、しかもビールを飲んでるむくつけき男3人、まるで映画の酒場のシーンそのもの。レストランらしき部門には誰もいなくて、まだやっていないようだ。からまれても嫌なのででおもわずそのままの姿勢であとずさりして店を出る。
その隣のゼネラルストアに入ってみる。店の奥にカウンター。その向こうで店の親父がピザを作っている姿が見える。その頭上にはレンタルビデオ。ほんとに何でもあり。覚悟を決めてホットドックとホットチョコレートをオーダーする。隣には地元の常連のおじいさんが、始めてアジア人を見るような視線が冷たい。ハワイならここで「どこから来なさった」と日系のオジイちゃんに聞かれるのだが、このオジイさんはアル中気味だった。
近所の人がツナサンドをテイクアウトしに来た。この村の人口はどのくらいなんだろうか。これで私は全ての飲食店を訪れたことになるようだが店の数からすると50人くらいかな、などと勝手な想像をする。満腹感はないが、それでも、何か食べたぞという自己暗示にはなった。
ちょうどバイト君がピザを取りに来たので、頼んで学校まで車に乗せてもらう。あの坂道はけっこう急なので、のぼりはつらそうだったから。
なぜか私が日本人だとわかったようで、練習船で日本に上陸したことを話してくれた、物価が凄く高かったことだけが印象にあるようだ。ハワイにも来たけど給油だけで上陸はしなかったとのこと。バイト君の将来は沿岸警備隊か海軍か。でも本人は卒業後法律を勉強したいようだ。
部屋に戻って、今夜は寝てしまおうとウトウトしていると、9時半ごろにドアにノックの音が・・・
☆★ スーザンとの出会い
いっしょに来たバーバラも4階なので彼女かと思ってドアを開けたら、もっと太ったオカッパ頭の中年女性がニコニコ顔で立っていた。
「私はルームメイトのスーザンよ。今日はここでは寝ないけどあしたから来るからよろしくね」と言って去っていった。彼女は何回も来ているベテランなので、きっと友達の部屋にでも行くのだろうと思いながら横になったが、どこの人だか気になったのでもらった名簿でスーザンを探した。
ところが何と6人もスーザンが。苗字は例のごとく忘れていたのでどのスーザンかわからず、ちょっと焦ったが「まっいいか」と寝てしまった。
依然空腹感があって時差ぼけと重なり朝方目がさめてしまったが・・・・食べはぐれは続く・・・・。
さて、明日からの希望を託し一句
指先の 極細技を 世界から 学び集うは ギルドの7日




