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我々青春同好会は、全力で青春を謳歌することを誓います!  作者: こりおん
我々青春同好会は、全力で雨にも風にも負けないことを誓います!

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94/105

94.梅雨になったら、何をする?

 梅雨だ。

 雨が朝からずっと降っている。

 

 六月。

 俺は少し嫌いな時期だ。


「雨!!!」


 中庭。

 屋根のある場所で昼飯を取る同好会。

 

 火之浦先輩はいつも通り楽しそうだ。

 俺とは正反対の反応。


「梅雨の時期は、食堂もどこも空いてない。腹立つ」

「分かります~」

「雨の音、すっごくいいわよね!」

「萌揺、大丈夫?」

「頭がずっと痛いぃ」


 土浦は片頭痛持ち。

 天気が悪いとこうなるらしい。


「雨だと屋内に活動が限定されちゃいますね」

「私は構わないけど。そもそもインドア派だし」

「私は髪とか服が傷むので~」

「雨の中で遊ぶのも、いつもと違う感じで面白いわ!」

「部屋の中でゆっくりネットサーフィンしたい……」


 んー。


「雨に濡れるのも、意外と楽しいのよね!」


 若干一名。

 雨でテンション上がってる人がいるね。


「美琴は昔からそう。雨でも台風でもお構いなし」

「凍里と一緒だと、雨がもっと楽しいわ!」

「それ聞くのも何度目だろうね」

「え~、雨でも活動するんですか?」


 新樹先輩は活動に消極的だった。


「珍しいですね」

「なにが?」

「水無瀬先輩と新樹先輩がそんなに消極的なのが、です」

「私達のも意見を言う権利は一応あるからね」

「楽しそうなら、ちゃんとついていきますよ~」


 火之浦先輩次第、なんだろう。

 この二人なら、火之浦先輩が何を言っても面白がりそうだけど。


「でも、雨がこのまま続くなら考えないといけないね」

「去年は何をしてたんですか?」

「だらだらしてた」

「美琴ちゃんが部活にするために奮闘してましたよ~」


 実質、活動は行っていない。

 話を聞く限り、そんな感じだった。

 

 体育祭で新樹先輩と出会い、同好会結成。

 という流れだったっけ?


「じゃあ、青春同好会での梅雨は初めてですね」

「そうなんですよ~。すこ~しだけ楽しみなんです~」

「三人は、梅雨の時期とか具体的に何してたんですか?」


 青春同好会の五人。

 俺と新樹先輩以外の三人。

 彼女たちは昔からの幼馴染。


「さっきも火之浦先輩に連れ出された、とか言ってましたけど」


 多分三人の関係性は今とあまり変わっていないのだろう。

 そんな三人の梅雨の過ごし方。


「一番嫌な思い出は、大雨の中の散歩」

「散歩?」


 大雨とはいえ、散歩だったら。


「大雨で荒れる海が見に行きたいんだって」

「は?」

「次の日、高熱だったの思い出した……」

「私も萌揺も数日学校休んだね」

「私は梅雨でも元気よ!」


 二人を巻き込んだ人がいうセリフじゃないな。


「リーダーについていけるのは、陽乃女ぐらいだよ」

「御形君いけるんじゃないですか~?」

「俺は遠慮したいです」」


 やだよ。

 大雨の散歩なんて。


「伊久留と雨の散歩してみたいわ!」

「あの、部屋に突撃してくるのやめてくださいね?」

「で、どうしますか~、梅雨」

「困った問題だね」


 どうやら水無瀬先輩は、外での活動を避けようとしているみたいだ。


「まずはみんなで雨の陽碧市を探索よ!」

「……」

「お~」

「やだよぉ」


 今までに見たことのないぐらいの統率力の無さ。

 火之浦先輩のカリスマ性も、梅雨の前では無力か。


「御形、なんとかして」


 気だるげに。

 水無瀬先輩から無理難題を押し付けられた。


 やる気の火之浦先輩を動かすための作戦考える。

 それがあなたの役割でしょ?


「とは言ってもなあ……」


 火之浦先輩をインドアに向ける意見。

 俺もそこまでインドアに傾倒しているわけではないからな。


 部屋で漫画を読むとか、ゲームするとか。

 一人でも遊べるものしかしない。

 時々初衣ねえが遊びに来てたけど。


 他の友達と遊ぶなら、外遊びだったしな。


「インドア、インドア……ああ、そうだ」


 土浦に視線を向ける。

 ゲームから連想した結果、土浦に意見を求めることにした。


「……なに?」

「みんなで遊べるゲームとかないのか?」

「へえ、いいじゃん」


 水無瀬先輩のお墨付き。


「萌揺、皆でできるオンラインゲームとかどう?」

「FPSとか前やってたのは?」

「すぐ終わるから、ダメ」

「私、ほのぼのしてるのがいいですね~」

「ほ、ほのぼの……?」


 土浦はポケットからスマホを取り出し、検索開始。


「ゲームするの?」

「青春同好会でやったことないっしょ、ゲーム」

「萌揺が進めてきたのをやったじゃない!」

「御形がいる時には、初めてでしょ」

「それもそうね!」


 水無瀬先輩の一言に、火之浦先輩はすぐに納得した。

 やっぱり火之浦先輩の扱い方は上手かった。


「じゃ、じゃあ、これはどう?」


 土浦が全員にスマホの画面を見せてくる。


 『ミナモトノカミ』と書かれたゲームアプリだ。


「ミナモトノカミ……?」


 なんか聞いたことのある名前だった。

 動画サイトの広告とかだったかな?


「なにそれ知らないわ!」


 火之浦先輩達も知らないらしい。


「二ヶ月前から配信開始したんだけど」

「スマホアプリ?」

「うん。パソコンだとみんなやりにくいかなって」


 土浦なりの優しさのようだ。

 俺もパソコンを持ってないから、ありがたい。


「やっぱり先輩達もゲームとか一緒にやってたんですか?」

「基本萌揺が誘ってくるんだけどね」

「私は萌揺ちゃんとのゲームは好きですよ~」

「萌揺が楽しそうにしてくれるから、それで十分よ!」

「こ、このゲームは現実世界と時間がリンクしてるし、色んな役職で色んなことが自由にできるから、きっと長く楽しく遊べると思う!」

「ダンジョンとか、ギルドとか、色々充実してるんだね」

「聞いてると、ちょっとやりたくなったわ!」


 と、我らがリーダーも少し前向きになっていた。


「じゃあ、今日放課後になったらみんなで集まって……」

「ん?」


 なにその小学校の放課後は。


「リーダーは、オンラインゲームを現実で集まってやる気なの?」

「そっちの方が楽しくない?」


 楽しい、のか?

 集まってやるなら、他の楽しいゲームがあると思うけど。


「オンラインで通話とかしながらやりたい!」


 俺も、水無瀬先輩も、土浦の意見に賛成だった。


「私はどちらでも~」

「しょうがないわ! 今日は各自部屋でやりましょ!」


 というわけで、今日の青春同好会はオンラインゲームに決定した。

 

 ミナモトノカミ。

 土浦から教えられたこのゲームを中心に。

 青春同好会が引き起こす大騒動に発展することとなる。

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