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我々青春同好会は、全力で青春を謳歌することを誓います!  作者: こりおん
我々青春同好会は、全力で体育祭で勝ちを狙うことを誓います!

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41.明日で決着です!

 結局不正が確認された時点でその組から点数が引かれることになった。

 宝を持っている人と接触、落としたものを強奪。

 これを許してしまえば、いつかは他人の荷物を漁ることに繋がると考えたのだろう。

 取られるのは宝だけなので、窃盗と言えるかどうかは微妙なラインだが。

 三日目以降は、より厳重に取り締まると風紀委員からの伝達があった。

 不正が発覚したら、反省室一か月らしい。


「いけると思ったのに」


 体育祭二日目、終了。

 青組の作戦指揮を担当していた水無瀬先輩はとても不満顔だった。


「いい作戦だと思ったわ!」

「流石凍里お姉ちゃん!!!」


 リーダーと青春同好会の妹分は、とてもベタ褒めだった。


「そういえば、新樹先輩まだ負けなしですよね?」

「そうですよ~。応援よろしくお願いしま~す!」


 新樹先輩と土浦。

 二人が所属する黄組の野球チームは全戦全勝だ。

 他の競技でも、黄組だけ輝かしい成績を残している。

 宝探しでどれだけの点数が稼げるか分からないけど、黄組との差は結構埋まらないと個人的には思う。

 ただまあ、俺の周りは優勝よりも別のことを考えている節がある。

 優勝が難しい状況でも、手を抜かないだろう。


「じゃあ、ご飯食べに行きましょう!」


 火之浦先輩発案で、晩御飯は青春同好会で食べることになった。

 一日目の夜は、作戦会議などで各自帰宅。

 新樹先輩の野球観戦以外で、初めて全員が揃った。


「一日だけですけど、久しぶりな気がしますね」


 放課後はもちろん、土日祝もほとんど青春同好会で顔を合わせていた。

 夕方から顔を合わせない日はほとんどない。

 学園生活のほとんどを青春同好会で過ごしているからか、こういう顔を合わせない時間が長いのも新鮮な感じだった。


「私とはずっといたわよ!」

「まあ、そうですけどね」


 紫組という関係上、確かに火之浦先輩とはほとんど顔を合わせていた。

 もちろん、初衣ねえとの約束で、二人っきりになったことはないけれど。

 紫組で動くときは小夜鳴先輩が常に一緒にいたし。

 ちなみに、火之浦先輩の紫組と初衣ねえの青組。

 点数は、紫組が少しだけリードしている。

 不正のせいで点数が減ってしまったのが少し影響しているみたいだ。


「不正にならないように、作戦組みなおさないと」

「これ以上悪質なことをしちゃだめですよ、水無瀬先輩」

「不正じゃないなら、悪質じゃない。正当だよ」

「大丈夫よ! 凍里の作戦が実行する前に、全部取っちゃえば済む話!」

「陽乃女お姉ちゃん、実際黄組の点数に勝てるの?」

「多分無理だと思いますよ~」


 俺も新樹先輩と同意見だが。


「私が勝ったら、会長公認で伊久留を独り占めできるの!」

「何それ聞いてない」

「ちょっと、御形!!! どういうことよお!!!」


 火之浦先輩の言葉に、声を上げたのは水無瀬先輩と土浦。

 新樹先輩はいつもの柔和な笑みのままだった。


「なんでそんな面白そうなことを早く言ってくれなかったの?」

「ねえ、私は! 私も独り占めしてほしい!」

「聞かれなかったから!」

「面白そうなことになってますね~。御形君頑張ってください!」

「どちらかが勝ったとしても、そこまで嬉しくないっすね」

「私は嬉しいわ!」

「なら別に青組を勝たせる必要がなくなってきたかも」


 水無瀬先輩は頭を抱えながら、そんなことを言っていた。


「え、いいんですか?」

「なに? 生徒会長よりリーダーが勝った方が色々と都合がいいし」

「小夜鳴先輩に負けるってことですけど?」


 火之浦先輩が勝つってことは、同じ組の小夜鳴先輩も勝つってことだ。

 二人の間接的な勝負は、別に優勝の話ではなく、順位の話だとは思うのだが。


「……やっぱりなし」

「ですよね」


 小夜鳴先輩相手には、負けず嫌いだなこの人。


「で、どこ行くんですか?」

「どの店も人が多いと思うよ」

「萌揺、何か空いているお店とかない?」

「流石にそこまで今すぐは分からないよ……」

「時間かければわかるのか……?」

「あ、私タコパしてみたいです~」

「タコパね!」

「材料買うだけだから、待つ必要もそこまでないからあり」

「俺もそれでいいと思います」

「わ、私もそれがいい!」

「じゃあ、買いに行きましょう!」

「買った後は、どこで食べるんですか?」

「伊久留の部屋!」

「御形」

「御形君の部屋でお願いしま~す」

「御形に決まってるじゃん」

「俺にも拒否権をください!!!」


 四人全員息を揃えて、間髪入れずに言いやがって!


「なんでダメなの?」

「可愛い女の子四人が部屋に来てくれるのって、とっても嬉しいことだと私は思うんですけどね~」

「そ、それはそれですけど、部屋も汚いですし」

「私は全然気にしないわ!」

「むしろ掃除してあげるから」

「安心してください~」

「いやですって! 火之浦先輩、勝手に寮に行こうとしないでください!」


 俺の寮の方向へ向かおうとしていた火之浦先輩を力尽くで引き留めた。


「往生際が悪いわ、伊久留!」

「きょ、今日だけはダメですから!」

「まあまあ、リーダー。今日だけはダメらしいから、また今度にしよう」


 水無瀬先輩はあっさりと引き下がってくれた。


「そうですよ~。今日だけはダメなんですからね~」


 新樹先輩も。


「???」


 火之浦先輩は、二人の反応にキョトンとしている。


「学校でやってもいいんじゃない?」

「学校ですか?」

「そう。一応体育祭期間中は解放してある」

「放課後の時間ですけど、大丈夫なんですか~?」

「それは分からない。萌揺?」

「あ、うん。ちょっと待って」


 土浦はタブレットを取り出し操作を始めた。


「いつも通りの時間に閉まるみたい。校舎内にいた生徒が帰ろうとしてる」

「じゃあ、忍び込むしかないわね!」

「またですか?」


 宝探しで歩き続けて疲れているから、肉体労働はあまりしたくない。

 それに、反省室は嫌だ。


「よし、早速材料を……」

「ちょっと待ちなさい、青春同好会!!」


 どこからともなく、聞き覚えの声。

 初衣ねえ達、生徒会と委員長が集まっていた。

 初衣ねえと大導寺先輩、小夜鳴先輩と武見先輩。


「他の人達は、初衣ねえ?」

「それぞれの仕事があるから、ここにはいないんです」

「私達は昨日仕事当番だったから、今からご飯食べに行こうとしてたの」

「いっ君! 一緒にご飯行くわよ!」

「ちょ、初衣ねえ!!」


 予想以上の力で、初衣ねえに引っ張られる。


「それは約束が違うわ!」


 初衣ねえとは逆の方向に、火之浦先輩から引っ張られる。

 

「掩ちゃんやるるちゃんもいるんだから、二人っきりじゃないでしょ!」

「そもそも、伊久留は青春同好会なんだから、優先はこっちよ!!」

「いったあああい!!!」

「お姉ちゃん、止めないの?」

「面白そう」

「面白いですね~」

「空君、風紀委員的にはこの喧嘩は止めないとだめじゃないかしら?」

「いや、そこまでのやる気はない」

「ほら、会長。御形君も困ってますから」


 初衣ねえは大導寺先輩に引きはがされた。

 

「って、あなたもいっ君から離れなさいよ!」

「誰も止めに来ないから、大丈夫ってことよ!」

「いや、腕が痛いんで離してくれるとありがたいです」


 さっき引っ張り合っていた時から全然力を弱めてくれない。

 

「じゃ、私達は用事があるから」

「他のメンバーも待ちなさい!」

「今年の生徒会長は元気だね」

「あなた達、今から何するの?」

「タコパよ!」

「どこで?」

「学校でよ!」

「はい、規則違反です!!」


 ああ、さっきの話聞こえてたのか。


「それ不法侵入だから! 見つかったら、反省室行きだぞ!!」

「見つからないもの!」

「見つからなければ問題ない」

「バレなきゃいいんで~す」

「なんでこの三人は、恐ろしいぐらい息ピッタリなのよ!」


 初衣ねえ、俺にそんなこと聞かないで。

 新人二人は何も言ってないよ。

 この三人の先輩がおかしいだけだよ。


「武見君、こいつら捕まえたほうがいいんじゃない!」

「いや、まだ何か事件を起こしたわけじゃないし」

「ぐぬぬ……!」


 そんなに俺達を捕まえたいの、初衣ねえ?


「じゃ、また明日会いましょう!」

「……ッ、ちょっと待ちなさい!!」

「もう、うるさいわ! 往生際が悪いわよ、生徒会長!!」

「わ、私達も一緒に行きます!」

「は?」



**********



「さあ、タコパの始まりよ!」

 

 火之浦先輩の一声が、タコパ開催の合図。

 生徒会室で、青春同好会と生徒会委員長組がテーブルを囲む。


「勝負よ、勝負!!」

「負けた人が、明日全員分の飲み物を買うのよね!」

「そう! 今日で青春同好会を叩きつぶーす!」


 なんか初衣ねえ、テンション高いなあ。

 疲れてるのか。


「この人数分のたこ焼きの中から、激辛味を引き当てた人が負けだから」

「でも、作ったの初衣ねえだろ?」

「だから、私は最後に取るの。これで公平でしょ?」

「それはまあ」

「ね、ねえ、お姉ちゃん。私激辛いや」

「萌揺、我慢」

「ちょ、御形。私の分も食べなさいよ」

「やだ」

「もう!」


 頭を掻き毟るほど、土浦はこの中で一番追い込まれていた。

 苦手なものが多すぎだろ。


「初衣ちゃん、順番はどうするの?」

「ん~。じゃんけんでいい?」

「じゃんけんでいいわ!」


 というわけで、全員でじゃんけん。

 勝った順で、たこ焼きを一つずつ選んでいく。


「はあ、なんで俺がこんなことに」


 たこ焼きをジッと見つめながら、武見先輩は嘆いている。

 今回生徒会室を使用できたのは、生徒会長の懇願と風紀委員長の監視があるから、という理由が大きい。

 損な役回りを背負わされた武見先輩がそんなことを言う理由も分かる。


「残念でしたね~」


 そんな武見先輩の肩を叩く新樹先輩。


「というか、新樹。お前今日練習あるの忘れてるだろ?」

「え、そうでしたっけ?」

「……はあ」


 なんでこんんあ上手く回らないんだ、とぼやいた。

 この人が生徒会委員長組の苦労人枠か。


「じゃあ、せーので食べるわ!」


 たこ焼きを口に入れる合図は、火之浦先輩が担うようだ。


「ちょっと待って」


 と、水無瀬先輩がその合図をいったん止めた。


「交換するのはあり?」

 

 つまようじに刺さったたこ焼きを指さして、そんな質問をした。


「面白そうね! ありよ!」

「相手が合意すればだけど……」


 火之浦先輩と、少し難色を示したが初衣ねえもそれに合意した。

 というわけで、たこ焼き交換会が始まるのだが。

 たこ焼き全て同じ色をしているので、何が激辛なのかは見た目では一切分からない。

 そもそも、激辛って何を入れているのだろうか。


「初衣ねえ、これ激辛に何入れてるの?」

「化学同好会が以前作ってた、滅茶苦茶辛い原料、みたいなのだっけ?」


 曖昧に覚えていた初衣ねえが、隣の大導寺先輩に確認する。


「カプサイシン、ですよ」

「そうそう、それそれ!」

「以前それを無関係の生徒の飲料に混入してしまった事件がありまして、その際風紀委員が押収したものです。無味無臭で、口に入れるまでその味には気づきません」

「そんな事件が……」

「風紀委員の押収物を勝手に使うの、本当はいけないんだからな」


 ジロリと武見先輩は初衣ねえを睨みつけた。

 これまた生徒会長の職権乱用ということか。


「あの……」


 水無瀬先輩の方に向かい、小声で話しかける。


「この事件と青春同好会、無関係ですよね?」

「うん。この事件とは無関係」


 それは、うん、よかったよかった。


「カプサイシン頼んだのは、私達だけど」

「事件の元凶じゃないっすか」


 青春同好会。

 発足してから、陽碧学園の事件全部に関わってるんじゃないか?


「気にしない。頼んだ時は匿名で送ったから」

「そういう問題……いや、いいか」

「そういう精神、大事だよ」


 と、水無瀬先輩。

 

「はい、御形。交換」


 俺の言葉を待つよりも早く、水無瀬先輩は俺のたこ焼きを自分のと入れ替えた。


「ちょ、まだ何も言ってませんよ!」

「……やっぱいいや」


 だが、水無瀬先輩はすぐに元に戻していた。


「なにしてるんですか?」

「ん。確認」


 水無瀬先輩は顔をこちらに向けているが、目は別の方向に向けていた。

 視線の先には、初衣ねえ。

 特に何もなく、小夜鳴先輩と大導寺先輩と話している。


「あ、初衣ねえの反応見てましたね」

「知ってるのは、あの人だけだから。一応確認として見ておこうと」

「でも初衣ねえが、激辛のたこ焼きがどれか覚えているとは思えませんけど」

「だから確認だって。そうそう当たるもんじゃないし」


 水無瀬先輩は、どれが激辛ではないのか、なんとなく予想がついているのではないだろうか。

 見た目に何かしらの違いがあるのか。

 重さとか?

 ジッと自分のたこ焼きを見ても、よく分からない。


「交換はもういい?」


 初衣ねえの質問に、この場にいる全員肯定の返事を返す。

 さあ、運命の瞬間。


「行くわよ、せーの!」


 パクッ。

 火之浦先輩の合図で、全員が手に持ったたこ焼きを口に放り込んだ。


「がらッ!!!」


 男の叫び声が生徒会の窓を震わすほど響き渡った。

 この生徒会室にいる男は、二人。

 俺は特に何も感じなかったから、もう片方の人が当たったのだが。


「ぐああああああ!!!!」


 地面に倒れ込んで身もだえる武見先輩がいる。


「これってそんなに凄いのね!!」

「私もう少し柔らかいたこ焼きの方がいい」

「ぷふ~。風紀委員長の面白写真撮っちゃいましょ~」

「こ、怖すぎるよ……」

「新樹さん。その写真後で送ってくれるかしら?」

「会長、どうするんですか?」

「いや~、まさか武見君とは。ごめんね」

「誰か水か何か持って来ましょうよ!!」


 他の女性陣は、皆武見先輩を見て助けようともしてなかった。

 本当に不憫な人だな、武見先輩。



**********



「と、あの液体は処分するとして」


 残ったたこ焼きを全員で平らげて、武見先輩が戻るまでの間の一休み。

 武見先輩は飲み物を買いに行った。

 まだ痛みは引いていないようだが、歩けるぐらいには治まっている。

 心配だということで、大導寺先輩と新樹先輩も付き添いしている。

 新樹先輩は、面白がっているだけだと思うけど。


「まあ、空君には後で私から謝っておくわ」

「初衣ねえ……」


 そんなこと言いながら、申し訳なさそうな表情すらしてないな。

 片付けも終わり、テーブルを囲んだまま雑談の時間。

 話題はそのまま体育祭の話へと向かう。


「わ、私はそんな作戦知らなかったんだから関係ないわ!」

「一応会長にも作戦内容の資料を渡したんだけど」

「データが重すぎて開けなかったのよ! あんた謀ったわね!!」

「見てない方が悪い」

「凍里ちゃんの言うとおりね」

「る、るるは私の味方をしてよお!!」

「仲いいっすね」


 弄られる初衣ねえとそれを見て楽しそうな小夜鳴先輩。

 大導寺先輩とは、また違った関係性だな。


「流石、凍里! とてもいい作戦を考えるわ!」

「結局点数取れなかったけどね」

「それでもよ! 失敗は成功の母なんだから!」

「リーダー、痛いって」


 バシンバシン、と火之浦先輩は水無瀬先輩の肩を叩く。

 痛い痛いと言いながら、若干嬉しそうだ。


「わ、分かってるわね火之浦美琴! 明日勝った方が、いっ君を貰えるんだからね!」

「分かってるわ! 望むところ!」

「いや、あげないから」


 なんでこの二人は俺を無視して話を飛躍させるんだよ。


「大変ね、御形君も」

「小夜鳴先輩も助けてくださいよ……」

「そうね。じゃあ、少し助け舟を出そうかしら」


 小夜鳴先輩がそう言って、笑った。

 なんか悪だくみしてそうな感じ。

 助け船を求めるのは失策だった気がする。


「こんな話を聞いたんだけどね」

「なによ、るる。唐突に……」

「明日の宝探しなんだけど、一気に逆転できるお宝が隠されているんだって」

「なにそれ、凄く欲しいわ!!」


 小夜鳴先輩の話に、火之浦先輩は間髪入れずに反応した。

 水無瀬先輩も反応してなさそうに見えたが、少しだけ前のめりになっている。

 

「あ、確かにそんな話を聞いたってコメントもある」


 土浦は取り出したタブレットで小夜鳴先輩の情報の信憑性を確かめていた。

 俺もタブレットの情報を確認。

 確かに掲示板でそんな話題が結構な数上がっている。


「ちょ、見るなよ! お姉ちゃん達が先!」

「あぶねッ!」


 タブレットを振り回されて、危うく当たるところだった。

 土浦は席を立ち、火之浦先輩と水無瀬先輩の近くに身を隠しに行った。


「確定情報じゃないから、信用できない」

「でも、ロマンはあるわ!」

「労力を割く必要があるとは思えない」

「私も凍里ちゃんに同意ね」

「先生達が隠したってこと? そんな話聞いてないけどな」


 初衣ねえは、何か引っかかるところがあるようだった。


「でもまあ、これが本当ならこれを取れば火之浦美琴に勝てるわね!」

「見つけるのは私! あなたは負け!」

「小学生みたいな喧嘩しないで……」


 嘘であれ、本当であれ。

 この二人はその大量得点目掛けて競い合うんだろうな。

 他のことは水無瀬先輩と小夜鳴先輩がやってくれるだろうし。

 

「小夜鳴先輩、楽しそうですね」

「そう? 凍里ちゃんと遊ぶのもいいけど、遊ばれてる初衣ちゃんを見るのも結構好きなのよね」

「その、あんまり強く揶揄うのはダメですよ」

「ふふ。保護者からお叱りを貰っちゃったわね」


 どっちかというと、初衣ねえの方が保護者だと思うけど。


「あ~、明日が楽しみね」


 小夜鳴先輩はとても嬉しそうだった。

 なんだか明日は荒れそうだな。

 とりあえず怪我だけはしないでくれ、と願うのであった。

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