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我々青春同好会は、全力で青春を謳歌することを誓います!  作者: こりおん
我々青春同好会は、全力で体育祭で勝ちを狙うことを誓います!

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40/82

40.紫組の作戦会議です! ①

 放課後。

 体育祭の準備が始まった。


 クラス内の同級生も体育祭の話が盛んになる。

 外に出れば、学園内を動き回る人達がいたりする。

 風紀委員も心なしか忙しそうにしている。


 体育祭ということで。

 主にスポーツ系の部活や同好会に所属している人達が元気そうだ。

 だが、その中でも『宝探し』なんて競技もある。

 そのおかげか、運動不得意な人も元気がないということもなかった。


「体育祭楽しみね!」


 青春同好会リーダー、火之浦美琴。

 今から俺達は所属する紫組優勝のための作戦会議に参加する。


「体育祭の作戦会議、何をするのかしら!」

「火之浦先輩は知らないんですか?」

「去年は呼ばれなかったもの!」


 意外だ。

 忍び込もうとしなかったんだ。


「なんでそんな驚いた顔をしているの?」

「いや、なんでもないです」

「変な伊久留ね」

「でも、作戦会議なんて仰々しいこともするんですね」


 そこまで本気でするのか、とは思う。

 火之浦先輩や水無瀬先輩ならしそうだけど。

 

 聞く限り、そういう伝統みたいな感じだし


「それはもちろん! 優勝したら賞品がでるんだから!」

「え、そうなんですか?」

「そうよ! 体育祭当日に発表されるの!」

「今年って、学園全体で何人いるんでしたっけ?」

「1200ぐらい?」

「じゃあ、250人規模の商品が配られるってことですか」

「去年は、食事券だったわ! お昼ご飯を無料で食べれるの!」

「250人分の昼飯無料……?」


 めちゃくちゃお金かかっとる!


「一昨年もそうだったみたいだし、その前も同じで……」

「そういう伝統なんですね」


 250人分の賞品と言ったら、無難にそうなると思うけど。

 それでも、結構な額が動いている。


「でも、賞品抜きにして、本気で戦う体育祭はそれだけで楽しいものよ!」


 と、去年体育祭を経験した火之浦先輩は嬉しそうに語る。

 

 そんなこんなで、作戦会議室へ到着。

 『紫組作戦会議室』。

 教室を示すプレートに、そう書かれた紙が貼りつけられている。


 窓が黒い布で囲まれていた。

 中の様子が一切分からないようにするためか。

 早速中に入ろうとするが、扉に鍵がかかっていた。


「あら!」

「めちゃくちゃ本気ですね……」


 作戦が漏れないように、あれやこれやと策を講じている。

 まさか、ここまでとは。


「合言葉」

「え?」


 と、扉の奥から男性の声が聞こえてくる。


 合言葉とは?

 聞かされてないけど。


「合言葉」

「え、いや……」

「合言葉」

「……火之浦先輩、どうするんですか!」

「開けなさい! 青春同好会の火之浦美琴よ!」

「よし」

「え?」


 いや、ただ名乗っただけやん。

 合言葉というより、ただの名乗り。


 だが、ガラガラと扉が開いた。

 火之浦先輩は教室に入り、俺もそれに続く。


 ――ガシャン!!


 俺が教室に入ろうとすると、寸前で勢いよく扉が閉められた。

 目と鼻の先。

 恐ろしい速さで閉められたんですけど。


 そこまで厳重にする必要、あります?


「合言葉」

「…………」

「合言葉」

「……え、と。御形伊久留です」

「どの御形伊久留だ」


 どのってなんだよ、どのって。

 所属も言わないといけないのか?


「青春同好会の、御形伊久留です」

「他には」


 他には?

 なにやら聞いたことのある女性の声でそんなことを聞かれたのだが。


「他にはって。青春同好会以外に所属してないですけど」

「御形伊久留は、生徒会長とはどういう繋がり?」

「どうって……」


 そこ、必要?


「どういう、繋がりなの?」

「……幼馴染ですけど」

「どう思っている?」

「ええ……」


 合言葉、関係ねえ!


「どう、思っているの?」

「た、頼りになる姉のような人だとは思っていますが」

「ええ。ありがとう、入っていいわよ」


 と、俺の言葉の直後に扉が開く。

 ニコニコ笑顔の小夜鳴先輩が顔を出した。

 聞いたことのある声だと思っていたが、小夜鳴先輩だったらしい。

 全く。俺にこんなこと言わせて何がしたいんだか。


「もう揃ってるわよ。二人を合わせて十二人」

「遅れて申し訳ありません」

「いや。私が伝えた時間通りに来てるから大丈夫よ。他は全員三年生だし」

「ほら、伊久留! 隣に座りなさい!」


 火之浦先輩はすでに自分の席に座っている。


 他全員三年生か。

 少し居心地が悪くなって足早に先輩の隣の席に座った。


 他の三年生。

 なんか色々と運動神経良さそうな人達ばかりだ。

 

「一応、他の参加メンバーには了承を得ていますが改めて。例年三年が中心になる作戦会議ですが、今年は二年生と一年生から一人ずつ、私の独断で選びました」

「火之浦美琴よ! よろしく!」


 前に立って俺達の説明をした小夜鳴先輩。

 間髪入れずに、火之浦先輩が挨拶。

 俺は口は開かず、会釈で続いた。


 他の三年生も特に疑問に思っていないようだ。

 暖かい拍手で迎えてくれた。

 さっき感じた居心地の悪さはもうない。

 きっと、小夜鳴先輩が色々手を回してくれたのだろう。


「そういえば……」


 小夜鳴先輩が作戦を考える。

 そういう場面を直に見るのは、初めてだ。


 水無瀬先輩の天敵、小夜鳴先輩。

 彼女を主導する、紫組。

 水無瀬先輩(と、初衣ねえ)を倒すための作戦会議が始まる。 

体育祭は部活などに所属している人にとって、とても大きなイベントです。

体育祭が例年行われる理由はそれです。

会議に運動得意なひとが集まるのもそういう理由です。


体育祭が無くなっても、必ず同じような行事を開催しなければなりません。



そんな体育祭。

気になる方は、ブクマよろしくお願いします!

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