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我々青春同好会は、全力で青春を謳歌することを誓います!  作者: こりおん
我々青春同好会は、全力で体育祭で勝ちを狙うことを誓います!

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39/81

39.体育祭に向けての作戦会議です! ②

 青春同好会がどうやったら、カメラに映ることができるのか。


「萌揺の力でハッキングよ!」


 初手、物騒な意見が飛び出した。


「……生配信って全国ネットですか?」

「もちろんよ!」

「却下で」


 火之浦先輩はダメだ。

 やはりここは、水無瀬先輩か。


「仲間割れ」


 と、水無瀬先輩の口から出た答え。

 言ってる意味が分からず、俺と土浦は互いに視線を合わせる。


「どういう意味?」

「悪者軍団が仲間割れを始めたら、面白いと思ったから」


 青春同好会内で戦うということか。

 

「アニメや漫画も、そういう展開があると面白ですよね~」

「ちょうど組も分かれているんだし、本気で戦う私達を見れば広報委員会も注目すると思う」

「結局やることは変わらず、と?」


 当初の予定通り、体育祭を楽しめばいい。

 つまりは、そういうことになる。


「でも、戦うってどうやってですか?」


 全員が同じ競技に選ばれるようにする、とか?


「体育祭の開催が告知されると、作戦とかそういったことを考える人達が集まる。大体三年生の人が中心になるけど」

「競技で戦うというより、組と戦うみたいな感じですか?」

「そう、合ってるわ。新人君は、筋がいいわね」


 小夜鳴先輩が突然やってきた。

 近くの椅子を取って、こちらの卓に近づけて座った

 周囲の生徒達もどこか安心したかのような表情を見せていた。

 ようやく味方がやってきてくれた。

 という感じか。


「や、凍里ちゃん」

「どうも」


 小夜鳴先輩と水無瀬先輩。

 挨拶を交わすだけなのに、なんでそんなピリッとするんだ。


「久しぶり!」

「ふふ。美琴ちゃんはいつもげんきね」

「どうもで~す」

「陽乃女ちゃんも。今度服のサンプル見せてちょうだい」


 水無瀬先輩とは違って、火之浦先輩と新樹先輩は仲良さげだった。


 土浦は嫌そうな顔をしている。

 どうやら土浦も小夜鳴先輩のことが苦手らしい。

 

 大方、青春同好会の活動に茶々を入れる厄介者。

 みたいに認識しているんだろう。


「御形君、あの時の伝言、伝えてくれたかしら?」

「え、はい。それは」

「伝わってる」


 俺が答えるよりも早く、水無瀬先輩が代わりに答えてくれる。

 ありったけの敵意を込めて。


「私、紫組なのよね」


 さっきの話、聞こえていたのだろうか?

 ただ体育祭での自分の所属組を伝えただけなのだが。

 それは、水無瀬先輩にしてみれば、宣戦布告。

 

「で、なに?」

「実は今日の放課後、紫組の作戦会議があるの。私も中心メンバーに選ばれてね。それでもし良ければ、同じ組の美琴ちゃんにも中心メンバーになってもらおうかなと思って」

「…………」


 水無瀬先輩が思いっきり睨む。


「いいわね! やるわ!」


 んー、ちょっとは空気を読んでリーダー。


「あら、美琴ちゃん来てくれるの?」

「もちろん! ちょうど体育祭全力で勝ちに行くって話をしたばっかりだから!」

「それは嬉しいわ。私も最後の体育祭、絶対勝ちたいと思っていたから。ついでに、御形君も一緒に来てね?」

「え?」


 え?


「それじゃ、保健委員の仕事があるから私はこれで」

「じゃあ、あとでね!」

「凍里ちゃんも、私達の生徒会長をよろしくね」

「……はあ」


 小夜鳴先輩は、端正な顔に笑みを浮かべて食堂を後にした。

 最後にちらっと言っていたけど。

 水無瀬先輩と初衣ねえは同じ組なのか。

 不安だけれども。


「青と紫か……」


 俺の知る限り、知略に長けた二人が体育祭で激突する。

 そしてそれは、生徒会会長と青春同好会リーダーとの激突でもあるわけだ。


 ふむ。

 なんというか、燃える展開というやつだ。


「御形」


 なんて考えている俺の襟を掴まれる。

 水無瀬先輩が怒りを滲ませながら詰め寄ってくる。


「生徒会長と知り合いでしょ? 連絡先教えて」

「え……」

「教えなさい」

「あ、はい」


 こっわ。

 水無瀬先輩、こっわ。

小夜鳴先輩率いる、紫組。

水無瀬先輩率いる、青組。


どちらの組に所属したいですか?

コメント等でぜひ教えてください。


僕は小夜鳴先輩。

お姉さん好き。

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