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我々青春同好会は、全力で青春を謳歌することを誓います!  作者: こりおん
我々青春同好会は、全力で新入生を勧誘することを誓います!

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32/81

32.終結! VS 生徒会です! ④

「国士無双よ!!!」


 バシンと思いっきり手牌を叩きつけた。


 多分マナー違反。

 無粋だから、声に出してツッコまないでおく。


「な、なによそれ!」


 初衣ねえは国士無双を知らないみたいだ。


「会長。国士無双ですよ。役満です。負けです」

「何それ知らない!!」

「ふふーん! どうよ、これが青春同好会の実力よ!!」

「ねえ、そんなわけないわ! 絶対何かしたわ!!」

「そんなわけあるわけないじゃない! 文句を言う前に負けを認めなさい!」


 イカサマしてる人が、偉そうだな~。


「るる! これ本当にダメなの?」

「そうね。役満を出されたら、負けね」

「ほら、保健委員長もそういってるけど? 負けを認める?」

「い、いやよ!」

「でも、麻雀は点数を競うゲームだから。生徒会側に点数がなくなったら負け」

「そ、そんな……るる、本当に負けなの?」


 泣きっ面初衣ねえ。


「そうね、役満の点数だったら、有無を言わせずに負けね」


 今回は牌を捨てた小夜鳴先輩が原因だ。

 小夜鳴先輩が負けた原因ということになる。

 のだが。


 それにしては結構冷静だな。


「生徒会の負けになっちゃうけど、どうしようかしら」

「え、本当に負けなの?」

「そうよ、初衣ちゃん。役満っていうのは、そういう役なの」

「さあ、負けを認めなさい!」

「ええ、初衣ちゃん。負けを認めなければならないわ」

「そんな……」

「でも、その前に」


 小夜鳴先輩は雀卓を指さした。


「一度、全員自分の捨てた牌を確認しましょうか?」

「え?」

「どういうこと、るる?」


 プレイヤー。

 そして、観戦している人。

 全員の視線が捨てられた牌へと集中する。


 俺も国士無双を作り上げた火之浦先輩の捨てた牌を確認した。


「麻雀にはフリテンというルールがあるわね」


 水無瀬先輩が小さく声を漏らす。


「自分の捨てた牌で、ロンアガリができないっていうやつね。私が最後に切ったのは、『北』の牌。美琴ちゃんはその時にロンアガリをしたみたいだけど、美琴ちゃんちょっと前に『北』を捨ててるわ」


 見る。

 確かに火之浦先輩が捨てた牌の中に、『北』の牌があった。


 が、俺は知っている。

 火之浦先輩と水無瀬先輩が行った交換。

 フリテンにならないように行われていたこと。


 事実、俺が後ろで確認していた時。

 北の牌はなかったはずだ。


「これで、フリテン。さっきの国士無双は無効よ。さあ、勝負は最初からね」


 小夜鳴先輩はふっと笑った。


「いや、いい。勝負はまた今度」


 水無瀬先輩は突然椅子から立ち上がる。


「あら、いいの? また国士無双でも作ればいいじゃない?」

「あなた、本当に嫌い」


 スタスタ部屋の外へ行く水無瀬先輩。

 俺達青春同好会メンバーは追いかける。


「そうそう、御形君?」


 その途中、小夜鳴先輩から話しかけられる。


「後で凍里ちゃんに伝えておいてくれる?」

「何をですか?」

「勝負は一旦引き分け。体育祭でまた勝負しましょう、てね」

「……分かりました」

「ああ、楽しみにしてるって。しっかり伝えて頂戴ね」

「……ええ、どういう風に言っていたかまで、事細かに伝えます」

「ふふ、ありがと」


 不敵な笑みをずっと浮かべていた小夜鳴先輩。


 生徒会と青春同好会。

 というより、水無瀬先輩と小夜鳴先輩。


 二人の麻雀決闘は、一応引き分けで幕を閉じた。

フリテンイカサマ、一番好きです。

相手を上から下へ叩きつける感じが。


皆様も好きなゲームのイカサマはありますか?

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