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我々青春同好会は、全力で青春を謳歌することを誓います!  作者: こりおん
我々青春同好会は、全力で新入生を勧誘することを誓います!

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30/81

30.準備! VS 生徒会です! ②

 麻雀用具は用意された。

 生徒会権限で。


 麻雀同好会の人達。

 何が何だか分からない顔をしていた。


「さあ、生徒会からは誰を出すの?」

「私と、るるちゃんよ!」

「いやいや、保健委員長じゃん」

「ども~」


 生徒会と関係ない人来ちゃったよ。

 いや、委員長だから、ちょっとは関係あるけれどもよ!


 二年生の教室を借りて、麻雀決闘が始まろうとしていた。

 窓や扉を封鎖している。

 ギャラリーが集まると、面倒くさいから。

 

 この部屋の中には、青春同好会と生徒会のメンバー。

 そして、委員長三人。


「あれ、土浦先輩と岡本先輩は?」

「あの二人は、生徒会の仕事をしてもらっています」


 初衣ねえのしわ寄せが、二人に……。


「はあ、それはなんか申し訳ありません」

「実のところ、生徒会の仕事の多くを今まで会長自身がされていたので、これに関してはさほど問題ではないんです。日頃の感謝の気持ち、ですね」


 へえ。

 初衣ねえ、働き者なんだな。


「そうですか。それならいいんですけど。でも、なんで委員長達がいるんですか?」


 俺の疑問に、扉付近で門番をしている武見先輩が答える。


「風紀委員がこの辺の見回りを強化してる。委員長の俺がいた方が、事の重大さが周知されやすいだろ? 生徒会と青春同好会の戦いなんて、全生徒が見たいと思ってるだろうし」


 そんな名物行事みたいなことになるんすか。


「わ、私はこ、広報委員長としてこの戦いを収めたいと思っていますから!」


 テレビでよく見るカメラを設置している芽出先輩。

 小さい体で、重そうな機材をテキパキ設置している。


「小夜鳴先輩は、今回委員長としてではないんですね」

「ふふ。それもそうね。でも、私彼女と戦うの好きだからさ」


 小夜鳴先輩が、水無瀬先輩の方を指差した。

 その先の水無瀬先輩。


 無表情なのに殺気立っている。

 何か酷いことでもされたんですか?

 ってぐらい恨みのこもった表情をしている。


 小夜鳴先輩が来たのは、麻雀に参加するためか。


「じゃあ、こっちはリーダーと私がやるから」

「ようやくやれるのね、楽しみ!」

「陽乃女、あとはよろしく」

「はい~」

「ん?」


 水無瀬先輩は新樹先輩の肩を叩いた。

 何か考えていることでもあるのか。


「土浦、知ってる?」

「知るわけないじゃない!」


 怒られた。

 なぜ。


「初衣ねえ、麻雀のルール知ってるの?」

「大体はね。でも、勝ち方は知らないから、そこはるるに任せてる」

「あ、そう。それなら、うん、頑張って」

「うん。いっ君、ありがとう」


 青春同好会の敵である。

 が、その前にお世話になり続けてる幼馴染だ。


 頑張ってほしいという気持ちは、初衣ねえに捧げるとしよう。

 なぜか。

 それは、生徒会には最高に不利な点が存在する。


「新樹先輩……?」

「なんですか~?」


 新樹先輩に近づく。

 そして、誰にも聞こえないぐらいの声量で質問をする。


「初衣……生徒会側はこれがイカサマ麻雀だってしってるんですか?」

「ん~、なんのことか分かりませんね~」


 ひどい奴らだ。

 この異質の麻雀バトル。

 初衣ねえは、性格的に絶対に制すことができない。


 本人の言う通り。

 ここは小夜鳴先輩に頼るしかないのだ。

 

 なんか色々腹黒そうだし。

 小夜鳴先輩ならやってくれるはず。


【麻雀】

 14枚の牌で手札を作り、役を作ってアガリを目指す。

 役は多ければ多いほどいいし、点数の高い役がいい。

 もちろん高い点数を取るためには、運と技術と経験が必要になってくる。

 どの牌を捨てて、最速で最高の手札を作り上げるにはどうすればいいのか。

 これが考えるポイントになっている。


「というのが、麻雀の大まかな流れですよ~」

「さっすが、陽乃女お姉ちゃん!」


 新樹先輩による、土浦への麻雀講座だ。


 普通の麻雀の説明はそうなるだろう。


 だが、今回青春同好会が行うのはイカサマ麻雀。

 とにかく何でもあり。


 青春同好会の連携イカサマプレー。

 小夜鳴先輩の頭脳を超えるかどうかが勝負の鍵。



 初衣ねえ? 

 とりあえず頑張ってくれればそれでいい。


「じゃあ、始めるわね!」


 (イカサマ)麻雀が始まった。

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