29.勃発! VS 生徒会です! ①
「その勝負、私達が受けて立つわ!」
陽碧学園生徒会長、鐘撞初衣。
ああ、頭が痛くなってきた。
「あら、生徒会長じゃない! 青春同好会と真っ向勝負がしたいの?」
「そうよ、うつけもの集団! 今日こそ、いっ君を返してもらうんだから!」
「う、うつけもの?」
「愚か者って意味ですね~」
「愚か者集団って、生徒会長が言っていい言葉じゃない」
「私、この会長嫌い~。お姉ちゃん達は馬鹿じゃないのに!」
生徒会一同揃い踏み。
初衣ねえはやる気満々の顔だ。
でも、他のメンバーはそうでもない。
というか。
「一体うちの生徒会長はなんてことを言いだすんだ」
みたいな顔をしている。
「会長。まだ仕事が残っていますが?」
大導寺先輩が呆れ顔でそう忠告する。
「そんなの、私が後で全部終わらせるわよ! 今はそれより、こいつらのとの決闘よ!」
「……はあ」
「大導寺先輩、どうにかなりませんか?」
「御形君、あなたでどうにかならないならもう無理です。そもそも、会長がこのようなことになっているのは、あなたが原因でしょう?」
反論すらできない。
わかってる。
初衣ねえは俺のことで、おかしくなってるってこと。
「麻雀勝負って、話が聞こえたわ!」
地獄耳だね。
「私達が勝ったら、いっ君を生徒会として迎え入れます!」
「え、俺強制的に生徒会なの?」
「ふ、いいわ、受けて立つ! もし私達が勝ったら、伊久留に闇鍋を食べさせてやるわ!」
「おいまて、あほか!!!」
「あーあ、かわいそ」
「これはもう逃げられないね」
「都合のいい人ですね、御形君は~」
「生徒会も受けて立ちます!」
この人たち、勝手に俺を人柱に使わないでほしいんだが。
いくら声をあげても誰にも聞いてもらえなかった。
この人たちは、本当に。
どうして俺のために争っているのだろうか。
こうして、青春同好会と生徒会。
脈絡のない麻雀大会が始まった。
火之浦先輩と初衣ねえに巻き込まれ続ける、御形君。
不憫枠だけど、なんだかんだ付き合ってくれる優しい男です。
なんだかんだ?
まあ、拒否できる相手二人ではないですもんね。
ブクマ・感想、お待ちしております!




