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我々青春同好会は、全力で青春を謳歌することを誓います!  作者: こりおん
我々青春同好会は、全力で新入生を勧誘することを誓います!

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28.美琴 ー麻雀がしたい女ー

このタイトルの元ネタ、なーんだ?

「伊久留!!!」


 ドガアン、と教室の扉が開かれた。

 今日一日の学校生活の終わりを示すチャイムと同時に。


「遊びましょ!」

「火之浦先輩っ!?」


 ざわざわ、教室中が騒ぎ出す。


 悪名高き青春同好会だ!

 期待の新星を迎えに来たぞ!


 そんな声が聞こえてくる。


「おいおい、御形よ。お前マジで青春同好会に入ったんだな!」


 舘向がゲラゲラ笑っている。

 俺の肩を何度も何度も叩いてくるし。

 うざったい。


「うげ、お姉ちゃん来るじゃん」


 水無瀬涼乜はなんだか怖がっているようだった。

 火之浦先輩が来るということは、水無瀬先輩が来るということ。

 どうやら自分の姉に会うことを嫌がっているようだ。


「良かったな、お前のお姉さん来てるぞ」


 火之浦先輩の後ろ、ジトッと佇む水無瀬先輩を指差す。


 チッ。

 涼乜の舌打ち。

 そして、颯爽と教室を後にする。


 この二人、仲が悪いのだろうか。


「ほら、さっさと行くわよ、伊久留! 全員すでに揃ってるわ!」


 ああ、もううるさいリーダーだな本当に。


「ほら、くくく、行って来いよ。ぷぷぷ、災難だな、お前」


 くそ、この舘向の野郎。

 自分に関係ないからって。


「クラスの奴らも怖がってるから、さっさと行ったほうがいいぜ~。誰かが風紀委員に通報しちまうぞ」

「また反省室なのかぁ……」

「歴代最速の大罪人は、さっさと教室をでていきなよ~」


 舘向に煽られて、俺は青春同好会のほうへ向かう。


「ギャンブルをするわよ!」


 合流した直後、火之浦先輩がそんなことを大声で言い放った。


 もちろんこの日本で勝手に賭け事をしたら、違法も違法。

 風紀委員だけでなく、警察にもお世話になることもある。


 今のところ、周りに風紀委員はいない。

 生徒が数名、廊下で談笑してるぐらい。


「警察沙汰だけはやめましょうよ……」

「もちろん、お金は賭けないわよ!」

「帰りの飲み物誰が奢るか、とかそういう感じですね~」


 それなら、いいのだろうか。


「まあ、それぐらいならじゃんけんで決めたりするし……」

「でもやっぱり、ギャンブルって言葉は駄目かも」


 そうですね。

 言い方は変えたほうがいい。


「私、麻雀をしたい!」

「それはまたどうして……」


 また突拍子もないことを。

 今まで麻雀なんて、火之浦先輩の口からきいたことない。


「無料公開で、麻雀の漫画を見たらしいよ」

「イカサマ上等の麻雀漫画でしたね~。私は読みごたえがあって好きでした~」

「え~、私あれ好きじゃないな。麻雀のやり方、まったくわかんなかったもん」

「まあ、あれは麻雀漫画であって麻雀漫画ではないからね。私も」

「私はババ抜きでもいいと思うけどなぁ」

「やるわよ、燕返し!」

「なんですか、燕返しって」

「イカサマの名前」

「あー」

「イカサマが、カッコいいんだってさ」


 麻雀というか、イカサマがやってみたいのか?


「私は、テンホーで上がってみたいです~」


 新樹先輩も同様っと。


「で、やる気に満ち溢れた二人が麻雀をするっていいだした」

「こんなにやる気だったら、止められませんね」

「なによ。あんた、麻雀出来るの?」


 横から土浦が喧嘩を吹っかけてくる。


「まあ、ネット麻雀やったことあるし」

「なんでこいつができて、私ができないわけ!? いみわかんない!」


 土浦は麻雀のルールを理解できなかったようだった。


「……でも麻雀って最大四人ですよね? ネット麻雀使うんですか?」

「ダメよ! イカサマできないじゃない!」


 麻雀って、普通イカサマ禁止なんだけど。


「雀卓、用意するわ!」

「買うんですか?」

「すぐ使うからダメだね。明日にはリーダー飽きてるだろうし」

「確か麻雀同好会ありましたよね~」

「萌揺、調べてある?」

「う、うん。麻雀同好会はどこでも麻雀ができるように持ち運び用のものを使ってるって。雀卓は買えても学園に置く場所ないし」


 凄いな。

 そこまでの情報を手に入れるなんて。

 

「ええ、どうやってそこまで調べるの……?」

「うるさい! あんたは黙ってて、めんどい!」

「なんで二人はそんなに仲が悪い」


 水無瀬先輩。

 どっちかというと、土浦から拒否されているんです。


「じゃあ、その雀卓を盗めばいいですね~」

「いや、普通に借りにいきましょうよ!」

「萌揺、雀卓の置き場所わかるの?」

「一応」

「凄いな、こいつ」

「うるさい!!!」

「じゃあ、それを借りにいくわよ!」

「借りる……?」


 火之浦先輩は国語のお勉強が嫌いなのか?


「御形、ツッコんでもいいよ」

「いや、水無瀬先輩お願いします」


 ツッコミの役割をお互いに譲り合った。


 青春同好会で麻雀をやることは確定。

 その準備は勝手に拝借して整える。


 今日やることはこんな感じ。

 普通の麻雀ではなく、イカサマ麻雀をしたい。

 なんて、青春同好会らしいとは思う。


 雀卓を借りる(ぬすむ)、というのもだ。


「ちなみに、負けた人は闇鍋完食よ!」

「ちょおっと待ってくださいね!!!」


 聞いてないし。

 聞き捨てならないよそれはっ!!!


「なんすか、闇鍋って!」

「闇鍋を知らないの?」

「知ってますけど、理由を知りません!」

「じゃあ、いいじゃない! 闇鍋がしたいわ!」

「これも漫画の影響ですか?」

「多分」

「火之浦先輩と新樹先輩の関わる闇鍋、恐怖でしかないです。水無瀬先輩はいいんですか? 闇鍋なんて危険物を許可して」

「勝てばいいから」


 水無瀬先輩もやっぱりどこかおかしかった。


「土浦」

「……なによ」


 唯一、こいつは同じステージにいる。

 そう勝手に思っている土浦に声をかける。


「闇鍋、お前がする羽目になるけどいいのか?」

「なんで私が負ける前提なのよ! おかしいでしょ!」


 だって、俺の方がまだ強そうだし。


「ふん。いいのよ。お姉ちゃんたちが決めることだし。私はそれに従うわ」

「お前、闇鍋を食えるのか……?」

「お姉ちゃん達が選んでくれた食材を、私は絶対無碍にはしないの」

「愛は闇を超えると?」

「ええ。そうよ!」


 とりあえずこいつが馬鹿だってことを改めて認識できた。

 土浦には闇を超える愛がある、らしい。


 だが、俺にそんなものはない。

 この麻雀決闘、どうにかして回避しなければ。


「ちょっとまったあああああ!!!!」


 ああ、来たよ。

 聞き馴染んでるよ、その声は。


 初衣ねえの乱入だ。

タイトルの元ネタ、分かる方いますか?

ヒントはこの話の中に隠れています。

とは言っても、語感を似せただけなんですけど。


麻雀にはまってた時に読みました。

全く参考にならなかったですが。


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