21.生徒会発青春同好会行き、です!
生徒会室から解放された。
自分の部屋へと急いで帰る。
ところかしこから元気な声が聞こえてくる。
学園から出るまで、部活動や同好会の活動が目に入る。
学校中がある種お祭り騒ぎみたいな感じになっていた。
校舎の方から楽しそうな声が沢山聞こえるからか。
「ほら、いたわ!」
校舎とは逆の方向。
橋の先。
「伊久留! 待たせたわね!」
火之浦先輩がこちらに走って近づいてきた。
楽しそうに。
「ごめんなさいね! 萌揺に勉強を教えていたから、迎えに行くの遅れちゃった」
「待ってないですけど」
「ほら、生徒会もなんか忙しそうだから、さっさと逃げるわよ!」
「ぐええ!」
首根っこ掴まれて、引きずり回された。
「どうも~、御形君」
「御形、遅い」
「別に集合時間も俺聞かされてないんですけど」
「フィーリングでなんとかして」
「うぅ、ひっく、もう数字見たくないの……」
「萌揺。毎日やんないとダメよ!」
「というか、なんでこいつがいるの! まだ認められてないじゃない!」
「ほら、今日は何する 私、やりたいことがあるわ!」
土浦は無視された。
「とりあえずどっかで休憩したい」
「前のファミレスのドリンクバーの無料券持ってますよ~」
「じゃあ、まずはファミレスに向かうわ!」
「ねえ! 私の言葉を聞いてって!」
ああ、もう、うるさいなこいつら。
話題が右往左往したり。
話題が合致したり。
なんか話を聞かれないやつがいたり。
「ファミレスまでどういく?」
「自転車で良くない?」
「伊久留、自転車持ってるの?」
「ない」
「じゃあ、徒歩ね!」
「……はあ、御形、使えない」
「目の前ででかいため息つくのやめてくださいよ。別に俺のせいじゃないでしょう」
「私はどんな移動方法でも構いませんよ~」
「御形に肉体労働させよう」
水無瀬先輩、何言っちゃってんの!?
「えぇ!?」
「それ、いいわね!」
「陽乃女、確かどっかに同好会専用の荷車があったはず。自転車で漕がせよう」
「なんでそんなもん持ってんですか!」
「ああ、確かにありましたね~。持ってきましょ~」
青春同好会の道具は陽碧市の至る所に置いてある。
昨日も橋の下に着替えがいくつか置いてあったりした。
どこかに向かった新樹先輩。
荷車付きの自転車を、ブンブン片手を振りながら持ってきた。
もうこの先輩に漕がせた方が絶対早いって。
「ほら、御形。ささっと運ぶ」
「全員乗り込むのよ!」
「マジで俺がやるんですか!?」
「青春同好会一番の新人なんだから、あんたがやるに決まってるでしょ!」
「土浦だって、俺と同じ新入生だろ!」
「伊久留、頼むわ!」
「ああ、もう、くそ!!!」
こいつら、ふざけてやがる!!
女子四人乗せた、荷台付き自転車。
目指すは、ファミレス。
これが、青春同好会内のヒエラルキーなのか。
この話を修正した日に、ランキングに初めて乗ることができました。
通知が来た時、とても気持ちが良かったです。
これが「脳汁体験」というやつか!?
もっと脳汁体験したいので、ブクマや感想、評価お待ちしています。




