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我々青春同好会は、全力で青春を謳歌することを誓います!  作者: こりおん
我々青春同好会は、全力で新入生を勧誘することを誓います!

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2.クラスメイトです!

 陽碧学園への入学が決まると、学園側から生徒専用のタブレットが配られる。

 そのタブレットには、陽碧学園で学生生活を送るために必要なもの全てが入っている。

 学園生活、とにもかくにもこのタブレットが必須だと言う。

 もちろん違法サイトなどの接続が確認されたら即警告される。

 でも、閲覧禁止にはしないんだな。


 そのタブレットの中身を確認する。

 掲示板には教師や生徒会からのお知らせ。

 掲示板には多種多様なスレッドが並び、生徒達が各々情報交換を行っている。

 授業のフォルダに移動すれば、そこには今後行う授業の動画データが入っている。

 ザッと見たところ、高校一年間分しか入っていなかった。

 学年が上がったタイミングで、データの入れ替えでもあるのだろうか。


「やべえ! これで授業中ゲームできんじゃん!」

「ばあか。そんなことしたら、風紀委員に捕まんぞ」

「きゃあ。これ写真も撮れるじゃん!」

「え、撮ろ撮ろ~」


 入学式の開始まで、クラスの皆はタブレットに夢中だった。

 俺のクラスは、B。

 陽碧学園の授業体制の性質上、そこまでクラス分けに意味があるわけではない。

 授業の時間になったら個人で学習を進め、最後にミニテストを受ける。

 このクラス分けは単純に同学年同士の仲を深めるため、と初衣ねえは言っていた。


「なあ」


 と、前の席の男子生徒が話しかけてくる。


「お、タブレットで卑猥ワード検索してんのか?」

「…………」


 さて、明日の予定を確認しておこう。


「て、おいおい、無視すんなって! 冗談じゃん!」

「一応通報システムというのもあるぞ。風紀委員がすぐに駆けつけてくれるらしい」

「や、やめろって!」

「冗談」

「なあ、俺の名前は『舘向(たちむかい) (ふう)』。地元の友達がいなくてよ、心配だったんだわ。よろしくな」

「こちらこそ。御形伊久留。よろしく」

「なんか式神使えそうな名前だな」 


 御形、なんて陰陽師みたいな名前だもんな。

 実際は、由緒正しくもないただの一般家庭だ。


「使えるぞ。このタブレットの通報アプリを使えばな」

「だから冗談だって! ったくよ、初対面でも容赦ないな」

「そっくりそのまま、舘向に返す」

「だよなぁ、アハハ! 御形は面白いやつだな~」

「ねえねえ、私も混ぜてよ」


 お次は隣の席に座った女子生徒。


「私、『水無瀬(みなせ) 涼乜(すずめ)』。君たちは?」

「御形伊久留」

「舘向風。よろしくな、涼乜ちゃん」

「ははは。私を呼ぶ時は、み・な・せでよろしくね。舘向」

「「……こっわ」」


 俺と舘向は苦笑い。


「ほらほら、可愛い子と最初に仲良くなれてよかったじゃーん」

「え、自分で言っちゃうんだな、お前」

「み・な・せ、な。聞けやオラ」

「これでも柔道やってたから、喧嘩には自信があるぜ!!」

「へえ、か弱い女の子にすーぐ手をあげちゃうタイプなんだぁ。しかも武芸を修めた人が喧嘩なんて言葉使っちゃっていいんだぁ。そんなんで柔道やってたなんて、言ってもいいのかなぁ!? 恥ずかしくないの、お前ぇ!!」

「おい、御形。こいつとは仲良くすんじゃねーぞ!」

「……二人だけで盛り上がるなよ」


 目の前で暴れまわる二人組の扱いに少々戸惑ってしまった。

 初対面なのに、仲いいね君ら。

 舘向風と水無瀬涼乜、か。


 初衣ねえと言い、青春同好会の女子生徒と言い。

 この二人もそうだが。

 今後の学園生活、本当に退屈しなさそうだな。


「おい、御形! こいつに柔道の技を見せるから、相手になってくれ!」

「御形君! この男に金的食らわせてあげて!」


 あとは、平和な学園生活になることを祈るばかりか……。

今の学校では、タブレットが授業に導入されているようで。

僕だったら、隠れてゲームしてますね、絶対。

陽碧学園の学園生活が気になる方は、ブクマをよろしくお願いします。


ちなみに、舘向はこの日にタブレットの件で風紀委員に注意されたりしてます。

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