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我々青春同好会は、全力で青春を謳歌することを誓います!  作者: こりおん
我々青春同好会は、全力で雨にも風にも負けないことを誓います!

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101/106

101.七夕祭りに向けて! ②

「さあ、出店の準備よ!」


 俺と火之浦先輩の七夕祭りの運営参加が決まった夜。

 いつものファミレスで、青春同好会集合。

 呼び出し人は、火之浦先輩。

 

 さっきの言葉は、俺達が呼び出された理由だ。


「夏の祭りは暑いからいや」

「私のお仕事で出店がありますが、その手伝いですか~?」

「わ、私も凍里お姉ちゃんと一緒」


 時刻は九時。

 突然の集合に、集まる時間は遅くなった。

 眠いのか、皆の反応は少し悪い。


「私達が、祭りの出店を、するの!」

「運営の手伝いはどうするんですか?」


 ついさっき、初衣ねえ達と約束したばっかだけど。


「もちろん、手伝いもしっかりやるわ!」

「その上で出店もしたいと?」

「そうよ!」

「出店の内容は?」

「何も考えてないわ!」


 とりあえず、屋台の出店ということだけは頭にあるみたい。


「じゃあ、内容を考えるわよ!」

「あれ、もうこの方向性ですか?」

「リーダーがこうなったら止められない。考えるしかない」

「ちなみに、私の仕事の方のお手伝いはどうですか~?」


 新樹先輩が経営する、ファッションブランド『アマテラス』。

 そういえば、体育祭でも出店してたよな。


「それはまた別でやるわ!」


 やるんだ。


「でも、青春同好会として出店したいの!」

「なるほどです~」

「凍里お姉ちゃん、できるの?」

「…………」

「凄い言いにくそうな顔ですね」


 すぐに口が開かない水無瀬先輩は珍しい。


「青春同好会で出店は無理」


 数十秒後、水無瀬先輩が口を開いた。

 俺もそれには同意見だ。

 学園側、生徒会が俺達の活動を公式に認める訳がない。


「だから、するなら別の方法」

「青春同好会として出店できないなら、もう方法はないでしょ?」

「だから、御形はダメ」

「ほら! 凍里お姉ちゃんも同じこと思ってた!」

「土浦は黙ってろ」


 それに多分、意味が違う。


「もっと考えないと、リーダーについていけなくなる」

「それは俺の仕事じゃないでしょう」

「青春同好会としてダメなら、別団体を偽ればいいわね!」


 火之浦先輩がすかさず意見。

 今までも何度か、この手を使ったことあったっけ?

 桜の木を自作した時かな?

 確かに、そのやり方しかないか。


「それもダメ」

「え、ダメなんですか?」

「どうして!」

「七夕祭りの出店の審査は厳しいと思うから」


 と、水無瀬先輩の一言。

 そして、土浦へ何やら指示を出し、土浦はタブレットを扱い始める。


「萌揺、見つけた?」

「ちょ、ちょっと待って……あ、あった!」


 土浦のタブレットを受け取り、テーブルの真ん中へ。

 全員がタブレットの画面に注目する。


「どうせリーダーは見てないだろうけど」

「なにこれ!」

「出店に関する資料」

「生徒会室で見ましたよね?」

「覚えてないわ!」


 俺も詳しくは覚えてないけど。

 でも、火之浦先輩はその資料があったことすら忘れていたらしい。

 多分、出店という文字だけは覚えてたんだろう。


「ここ」


 水無瀬先輩が指さしたのは、出店の基準。

 

 どうやら、今回のイベント。

 生徒主体というよりも、学園外の人達が主体になっているようだ。

 出店の枠数はおおよそ決められている。

 その中で優先されるのは、学園外からの出店希望者だ。

 陽碧市で飲食店を経営している人達など。

 

「今までこういうイベントがあったかは分からないけど、生徒主体の団体の出店は厳しいと思う」

「陽碧市でお店を出している人達はかなり多いですからね~」

「出店だったら、飲食店以外もできますしね」


 そもそも、生徒が出店できる枠が少ない。

 その中で、青春同好会としてやるとなると。

 やはり現実は厳しいか。


「他の団体の審査も入る以上、団体名だけで判断することはない」

「中身もしっかり吟味されるのか」

「御形の言う通り。多分、偽名でもバレる」


 じゃあ、厳しいどころの話じゃない。

 無理か。


「じゃ、じゃあ、陽乃女お姉ちゃんのところならいけるんじゃない?」


 土浦のアイデア。

 さっきも話題にあがったやつ。


「体育祭の時も出店できてたし!」

「可能性はある」

「……でも?」

「ほぼ無理」

「な、なんでえ!?」

「生徒会側も、そこまでしっかり考慮してると思う」


 『アマテラス』の出店。

 その条件に、青春同好会メンバーとの関わりがないことがありそう。


 と、水無瀬先輩。


「体育祭の時も色々と聞かれたらしいですからね~」


 体育祭の時も、そういうことがあったらしい。


「じゃ、じゃあ、無理じゃん……」

「なんでお前がそんな残念そうなんだ?」

「うるさい!」


 土浦に思いっきり足を踏まれる。


「でも、大丈夫!」


 そんな土浦の暗雲を晴らす、火之浦先輩の圧倒的自信。


「なんでそんな自信満々なんですか?」

「凍里が考えてくれているからよ!」


 言うと思った。


「で、水無瀬先輩はどうなんですか?」

「案はあるよ」


 即答。

 凄いな、この人。


「下準備が凄く面倒だから、今すぐできるかどうかは言えない」

「下準備、ですか」

「そう、下準備」

「面白そうね!」


 下準備、しか言ってないけど。


「私がメインでやるから、必要な時は呼ぶよ」

「あ、私も手伝いますよ~」

「そうだね。陽乃女は手伝ってほしいかも」

「わ、私は!?」

「萌揺はいらない」


 『ガーン』ていう擬音が本当に聞こえてきそうだ。

 それぐらい、落ち込んでいる。


 土浦が必要ない、と。

 となると、パソコンを使う作業ではないみたいだ。

 

「俺は?」

「私は!」


 残されたのは、俺と火之浦先輩。


「二人は生徒会の手伝いがあるんでしょ」

「手伝いはみんな一緒にやるべきよ!」

「生徒会が許すわけないじゃん」

「ですね」

「私が説得してみせるわ!」

「で、御形はリーダーのお世話ね」

「いつもの役回りですね」

「私だけお留守番……」


 七夕祭りの出店に関しては、水無瀬先輩が中心となって動いていく。

 

 俺達、青春同好会。

 七夕祭りに向けて、行動開始。

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