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4.カミサポと女神

少し遅い昼食を食べてから、皆で畑に行くことにした。

お父さんが魔法で水やりをし、お母さんと私は伸びてきた草取りをする。

そんな手分けして作業するこのひとときが心地良いなぁと思う。

町で購入してきたばかりの草刈り鎌を握って、サシュっと。

根っこが土に頑丈に絡んでいる草だけ選ぶ。

そうではない草は手でゆっくりと。根を切らないように引き抜かないといけない。

根っこを残すとまた生えてくるので慎重にしなくては。




不意に、うるさい鳴き声が聞こえてきたのでその音の主を探すと、どうやら近くを流れる川付近から聞こえてくるようだった。

何かが泳いでる、いや違うな。水浴びしてるのか。近づいていくと白いカラスと、黒い子猫がいた。

カーカー、ミーミー、鳴いてて迷惑だなぁ。非常に騒がしいです。

ひぃ~目が合った気がするけど、スルーしたい。

何だか間合いを詰めてきてるし。よし、逃げよう。

本能に従って、すぐ逃げなくては!


「ごめんお母さん、ちょっとお家に戻るね」

「気をつけて帰るのよ」

「分かってるから、大丈夫!」





☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆





ダッシュで自宅へ逃走しながら、チラリ振り返るとやっぱり付いてきていた。

何本か植わってる林檎の木の陰に身を隠しながら移動して、コッチの様子を窺ってるから怖いよ~。

家まで付いてくるつもりだったら、どうしよう。

ペット希望っていう訳でもないとだろうけど、ウチは飼えないと思うし。


そんな感じでうだうだと思考を巡らせていたら、不意に気配が消えたので安心して家の中へ。

手を洗って自室に入ったら、例のアレとアレがいることに気付く。

先回りして屋内で待ってるとは背中がゾクリとした。

もちろん私は絶対に、お行儀の良い子たちね~!なんて言わないよ。



「カー、サポ、キタ」

「ミー、サポ、キタ」


まさか、カミサポって…。カーとミーのサポって意味だったのかしら。

神のサポートじゃなかったんだわ。は、恥ずかしすぎる。

勝手に思い込んでた私がワルいのか、しょぼーん。


カーとミーはそれぞれ開けっぱなしになってた窓の枠と机の上にいる。


「トリセツ、ワタスネ」

「ギフト、カラオケ、イミ、オシエル」


やっぱりトリが説明するから、トリセツとかいうオチじゃないかと疑心暗鬼になってきた。

でもここはしっかり聞かなくてはいけない。勇気を出して私!


「女神様は此方には来られないということですか?」

「アト、カオ、ダス、カモ?」

「カオ、ダス、ムリ、カモ」

「……」


え、よく分からない回答されたわ。


「カミサマ、ウソツキネー」

「カミサマ、バツガ、ワルイネ」

「カイゴウ、シテナイヨ」

「ケンカ、シテナイネ」


何か変だ、私の前世の最期には秘密が隠されてるらしい。

これは女神様を問いだたさなくてはならない案件ですよね、絶対に。




「アー、バラシタノ、バレタ」

「アー、バラシタノ、オコッテル」


「クルネ、ヤバイヨー」

「クルヨ、ヤバイネー」


全く危機感が感じられない会話だわ。


でも印象とは裏腹に、カーとミーが互いに視線を合わせる。そしておもむろにその場から逃げようとした。

その途端、空間を切り裂くように稲光っぽい何かがが走る。差し迫るような緊張感に息が詰まって咳き込んだ。

屋内に雷は発生しないから別物なのは分かってるけど、呆然と立ち尽くしてしまう。

はっと我に返るとカーとミーが発光物体的な何かに捕まっていた。


『余分なことをしゃべってないで、白、黒、ちゃんと仕事しなさい!』


えー。彼らの名前って、カーとミーじゃなかったの?

私、今日は冴えてるわって自分で自分を褒めてたのに。

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