ブルーベリーをつみにきた
「行ってきまーす!!」
「行ってまいります」
「あ、みーつけたっ」
チェリーはブルーベリーをつみに、王宮の方へ向かっていました。
王宮の庭沿いには、たっぷり水と肥料をもらっている、ブルーベリーの木があるのです。 バケツ半分つむのに、大した時間はかかりませんでした。
そして、自分が食べる用のかごに持ちかえると、おいしいブルーベリーを口いっぱいにほおばります。
幸せに浸っていると、がさがさと音がします。
顔を上げると、遠くの花畑に赤いリボンが揺れています。
「おーい、そこの人ー!あなたはだあれ?」
「あなたこそだれなの?」
「あたしはチェリー!そこの村の子!9つ!」
「私はリース。ここの城の王様の娘。」
「ってことは、お姫様だ!もっと近くでお話ししない?」
リースはなんだかいい香りがしました。
雪のように白い髪をハーフアップにして、ふんわりカールしてあります。
きれいなかわいい``お姫様``です。
「あなたは何しに来てるの?」
「ブルーベリーをつみにきた。ここのおいしいんだよねぇ、食べてみるっ?」
「遠慮しとく。おやつは体に悪いんだって。でも、そこの市場に行けばブルーベリーを買えるよ。なんでわざわざここのをとっていくの?」
「お金がないんだよ。それに、あそこのおいしくない。」
「そうなのね。いつもここにきてるの?」
「うん。二日に一回、お使い。」
「そうなんだ…」
リースは少し考えました。
リースはチェリーが少し面白く感じました。
また散歩をするのもいいかもしれない、と思いました。
というのも、リースは外が嫌いで、今日もいやいや来たのです。
ぐるぐる考えているうちに、鐘がなりました。
「あっ、かねがなっちゃったよ!帰んなきゃ!じゃあ、逢えたらまたね!」
「あのねっ、あなたとまた話したいな。」
「いいよ。明後日の二時くらいにここに来ると思うから、またね!」
「うん、またね!」
その日から、リースは外が大好きになりました。