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荒木空の佰物語  作者: 荒木空
3/8

『ゲケツ』


 男は唐突に血を失う病に罹った。医者に診てもらえば、『血失病(けっしつびょう)』だと言う。

 この病をわかりやすい言葉で説明すれば、『カロリーを消費するだけ同じ量の血が体から失われる病』らしい。


 男は徐々に失われていく血液により意識が朦朧となり、即入院。


 しかし1週間もすれば快復し、無事退院出来たのだった。






 そう、この話の男は『ヨケツ』の時の男だ。

 化け物と出会い、その化け物に助けられた男の話だ。『ヨケツ』の話はここで終わりだった。


 そう、『()()()()()()

 そして彼が『ヨケツ』と呼んだ怪異の名前が、()()()()()()()()()()()()()




 彼等彼女等が『ヨケツ』と呼ぶ怪異。その本当の名前は『ゲケツ』。

 漢字で書けば『外血』となる。


 『ゲケツ』は血を失い死んだ人の魂が歪み変質した怪異だ。

 『ゲケツ』は1人の血を失い困っている者の許へと現れる。あぁ、ここまでは『ヨケツ』と同じだ。しかしこの怪異が悪辣なのはここからだ。


 『ゲケツ』は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そして助けを求める人間の浅ましく生き意地の汚い「助けて」を聞いて、内心人間を嘲笑するのが大好きな怪異なのだ。


 あぁつまり、『ゲケツ』はずっと患者を作り続け、そしてその者が生を望めば新しい獲物を見繕う外道なのだ。


 ただ、『ゲケツ』に狙われても命の危険は基本的には無い。何故なら『ゲケツ』が望むのは生にしがみつく人間の生き意地の汚さなのだから。





 あぁ、だからこそ注意が必要だ。

 何故なら『ゲケツ』の問いの答えに、もし生を望まなければ……。



 これは本当は外道な、恐い恐い怪異のお話。



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