キャンプ2日目
第二話配信できました
読んでいただけたら幸いです。
二話目まではストックとしてありましたが
三話目からは何もないので
連日の投稿更新は厳しいと思います。
暖かな目で見守ってください。
朝靄が濃い
とても清々しいとは言えない朝
「寒っ」
向井は体の痛みと寒さで目を覚ました。
普段の生活とはかけ離れた
とても幻想的な世界。
向井はそう感じていたであろう。
他人が見れば薄気味悪い朝であろうと
向井が幻想的と感じたならそれで良いではないか。
それがソロキャンプ(笑)
何はともあれ朝飯が食べたい。
向井は欲望に忠実な男である。
今回使う食材はこれだ。
昨晩の余シチュー :それなりの量
マカロニ :少々
スライスチーズ :1枚
①沢で手に入れた水を沸騰させマカロニを入れる
②茹であがったマカロニをシチューの中に入れ温める
③スライスチーズを上に乗せ温める
今回の食事はグラタンもどき。
美味い不味いは、また別の話。
「喰った喰った。」
向井の腹は満たされた。
素早く出来るこれは朝飯としては良いかもしれない。
他人に言わせれば朝にしては重すぎるのかもしれないが、そこは向井である。
お構いなしだ。
向井はテントや調理器具を片付け、
次の野営地へ向け歩き出す。
「この山、意外と高いのかなぁ」
1人で歩くくせに独り言が多い。
言葉を発さないと人であることを忘れてしまうのかと思わせるほど独り言が多い。
それもまた向井。
確かに車から見えた景色に比べ
歩いた距離は長いが、一向に尾根にたどり着けない。
周りの草木も今まで見たことのないものばかりだ。
しかし、向井。
歩く、ただひたすらに歩く。
「湖、、、だと、、、」
目の前に現れたのは
出発前、職場で確認したグールグルマップでは見られなかったそこそこ大きめの湖だ。
だが向井
疑問もすぐに消え
長く歩いたことで蒸れた足を
洗いたい欲望で既に頭の中は容量オーバーになりつつある。
向井はおもむろに湖に近づき
靴、靴下を脱ぎ捨てた。
向井、足を洗う。
「冷たくて気持ちいなぁ」
呑気、向井。
向井はソロキャンパー、しかもブッシュクラフトと呼ばれる最低限の資機材のみを持ち込み、必要な物のほとんどを現地で調達するスタイルのキャンプを好んでいる。
バックから取り出したのは
大きめのペン
キャップを取ると
ペン先は無く、細く先端には輪がある。
その輪の中から細い糸が出ている。
そう、ペンシルロッド
釣竿だ。
通販サイトアマンダで購入した
1500円の小型釣竿だ。
向井、釣りをする
向井は近場にあった石をめくり
ミミズを探す。
いない。
向井はそこそこ大きめの石をめくり
ミミズを探す。
いない。
向井は石で土を掘りミミズを探す。
いない。
向井は哀しくなった。
バックから残しておいた鶏肉を細く切り
針につける。
向井、釣りをする
向井はただただ
大自然を眺め、タバコをふかす。
無心となり魚に気付かれないよう
気配を消す
「!!!」
竿先が突然大きくしなる
浮に前兆など見られなかった。
向井は怯んだ。
大きくしなる竿をたて、リールをがむしゃらに回す。
普通であれば糸は切れ、竿は折れるほどの勢いである。
しかし向井、釣り上げる。
「食材ゲット!」
釣り上げた魚の体は蛍光ピンク
大きさは40センチほど
とても川魚とは思えないモノで
胸びれから昆虫のような脚が生えている。
しかも薄ぼんやり体が光っているようにも見える。
気づけばもう夕方、昼飯もだべずに無となりただただアタリを待っていた向井には
そんな小さなこと考えることではなく、
夕食の準備に取り掛かる。
今回の食材はこれだ
釣りあげたピンク魚 :1匹
塩 :少々
①魚の鱗を取り内臓を取り出す
②金属製の串に刺し塩をかける
③直火でじっくりと焼き上げる
そう、いたってシンプル
焼き魚である。
「色は変だけど味は美味いね」
向井もさすがにピンク色の魚の異常には気付いていたようだ。
しかし喰う。
向井、喰う。
白身魚とも赤身魚ともつかないソレを
向井は完食した。
食後の一服を済まし、向井はテントを立てていないことに気付く。
向井、落胆。
肩を落としつつもテントを張り終え
向井は床に着いた。
夜空には
赤色の月が2つあることにも気付かずに。。。
拙い文章をお読みいただきありがとうございました。
まだまだ頑張るつもりですので
お付き合いいただけたらと思います。
この物語は
5.6話で終わりにしようとは思ってます。