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 8 飲みすぎは駄目よね -お姫様抱っこ-

 どうやって一緒に来た人達がいるテーブルに、戻ったのかわからなかった。戻ったら水割りの入ったグラスを渡されて、気がつくと一気に飲み干していた。


 それを見て、課の若い男の子が水割りを作ってくれる。勧められるままに飲んで、気がついたら立てないくらいに飲んでしまっていた。


「大丈夫ですか、大石さん」

「大丈夫よ~。タクシーに乗れば~、帰れるから~」


 私は手を振って返事をした。頭ははっきりしているのに、腰が重くて立てない。お水を渡されて飲むのだけど、一時間くらい経たないと動けない気がする。


 やってしまったな、と思いながらへたり込んでいたら、富永氏が高杉君にタクシーを頼んでいた。呼んでもらって悪いなと思いながら、おとなしく待つ。


 と、富永氏が長身を折り曲げて、私の耳に口を近づけて囁いてきた。


「大石、もう一度トイレに行くか?」


 カーッと、顔に熱が集まった。……一生の不覚。女として終わった気がする。でも、家に戻るまでにもよおすと困るのも確かだ。何とか立ち上がると富永氏がすぐに支えてくれた。そのままトイレの前まで連れて行ってくれた。


 トイレから出ると富永氏がまた支えてくれようと、わきの下に手を入れてきた。その手が背に回ったところで、止まった。どうしたのかと思って見上げると、富永氏と目が合った。眉間にしわが出来ている。これは機嫌が悪い時の彼の癖だ。


 と思ったら、膝の下にも手が差し込まれた。


「はえっ?」

「おとなしくしていろよ」


 富永氏の声が近いところで聞こえた。どうやら抱きかかえられたらしい。

 ……というか、これってお姫様抱っこよね?


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