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70 7月も終わりが近づいてきました……

 あれからまた10日ほどが経ちました。今日は7月の最後の金曜日です。私の誕生日は来週ですから、その前に彼とのことを終わらせてしまおうということになりました。


 それで、なんで今日かというと、富永氏が少しでも恋人らしく見えるようにしようと、先週末に練習をすることになりました。


 ……練習なんているか、と思ったけど、これがまたね、私から言い寄って落としたようには、どうしても見えないと言われましたよ。


 誰に言われたのかですか? もちろん春菜さんと秘書室長です。


 だってね、春菜さんにはまだまだレッスンを受けているんですよ。先週の土曜日も、クラッシックコンサートに行く装いと、メイクを教えてもらいました。そのあと、なぜか4人でコンサートに出かけましたよ。室長と春菜さんの雰囲気を見て、勉強させてもらいましたけど……ね。


 なんでしょね。やはり富永氏のことを、彼氏扱いしづらいからなんですかね。全然、甘い雰囲気を作れません。富永氏が甘い言葉を言ってくれるのですが……どうしても社交辞令を言われている気がしてしまって……。


 結局は私の意識の問題だということになり、計画は少し軌道修正することになりました。


 えーと……お恐れ多いことに、富永氏のほうが私に惚れた! ……ということになったんです。


 凛香さんからも大丈夫のお墨付きをいただきましたよ。


 何がって、富永氏が私を口説こうとしているというね。実際にそうとしか見えないと、言われました。


 ええ。そうなんです。春菜さんから話を聞いた凛香さんの前で、実演しましたとも。恥ずかしいなんて言っていられませんよ。切実に些事は早く終わらせたいです!


 あっ、でも、困ったことが一つ出てきました。いや、困ったことにならないのかな。どっちだろう?


 えーと、私は、彼の名前をど忘れしていることに気がついたんです。言い訳ではないのですけど、彼が周りに黙っていようと言ったので、彼の登録名は『4課』としていました。会った時も、名前を呼ばずに「あの」と呼び掛けていたような……。いや、彼から話しかけられてそれに答えていた気がします。


 これを富永氏に言ったら、大笑いをされました。そして「そのまま思いださなくていいから」と、言われてしまいましたよ。何でも、それだけで凹ませられるからと。


 う~ん、でも、失礼ですよね?


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