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63 真面目に彼氏対策の話……あれ? 彼は彼氏で合っているのだろうか?

 さて、笑いがおさまった富永氏と、ソファーに並んで座っています。ぶすっとした顔をしていたら、また「クックッ」と笑われてしまいました。横目で睨んだら、富永氏は口の端をクッとあげて、どことなくいたずらっぽく笑ってきました。


「それじゃあ、本題だ。大石はこいつをどうしたいんだ」


 いつの間にか充電コードに繋がれた私の携帯を、テーブルの上に置きながら言ったのよ。こいつというのは、一応私の彼氏ということになっている彼のことだろう。携帯を取って開いてみると、あのあと2件彼からメッセージが入っていた。


「どうしたいって、課長が言ったんですよね。3か月後に綺麗になって振ってやれって」

「ああ、そうだ。だけどそれは俺が言い出したことであって、大石の気持ちじゃないだろう。だからな、大石がどうしたいか聞きたいと思ったんだ」


 フムッと考えてみる。


 Q 富永氏の言葉ではないけど、私はなんで彼と付き合おうと思ったのだろうか。

 A やはり、初告白で舞い上がってしまったのだろう。


 好きではないと気がついたのは、会えなくても不満に思わなかったことから。いくら付き合ったことがなくても、4カ月も付き合って4回しか会わないってどうなんだろうと思ったのよね。見ないようにしていたけど、彼はデートの時につまらなそうにしていた。今なら義務感満載だったとわかるもの。


 賭けの対象で近づいてこられたのに、気がつかなかった自分が嫌になる。やっぱり癪に思うもの。意趣返しをするのは面白そうだと思った。だから――。


「私も意趣返しはしたいです」

「そうか。それなら、これをどうにかしようか」


 これとはこのメッセージのことか。私もこの2日間のメッセージの多さに辟易しているから、それには大賛成だ。


 それに一番最新のメッセージの言葉にイラッとしたしね。


「どうするのがいいと思いますか?」


 私は悪だくみをするような笑顔で、富永氏のことを見つめたのでした。


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