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55 再び、富永氏の部屋

 目が覚めた私は……泣きたくなった。昨日の失態をどうすればいいのだろう。疲れすぎて駄々をこねた自覚はある。


 タクシーに乗って安心して眠ってしまうなんてー!


 それでも、生理現象には勝てないんだよ。部屋に引きこもるには、膀胱がそろそろやばいと訴えている。


 そろりと部屋を抜け出して、廊下に出た。トイレで一息を吐いて、そっと廊下を伺って外に出た。


 あれ? もしかして富永氏はまだ起きていないのだろうか?


 客間に戻り、腕時計を探し出して時間を見たらまだ5時前だった。今は7月の頭だから一番昼間が長い時期だ。


 とりあえず服を着替えることにした。お出かけ用に来ていた服はスカートもブラウスもしわしわになっていた。流石にサマーカーディガンは脱がせてくれたみたいだけどね。


 勝手にシャワーを借りるわけにはいかないから、着替えるだけにとどめておいた。それから……気持ちが落ち着かなかったけど、6時までは部屋にいた。そっと廊下を伺うけど、やはり富永氏は起きてこない。


 なるべく物音をたてないようにリビングへと行った。キッチンに入り……しばらく考えてしまった。勝手に朝食を作ってもいいのだろうか?


 冷蔵庫の中を覗かせてもらい、先週よりパンが無くなっていることに気がついた。あれから春菜さんに押し付けられなかったようだ。


 お米と炊飯器を見つけ、研いでセットをした。炊き上がるまで約1時間。お味噌や豆腐を見つけ出す。いいかな? いいよね。お味噌汁の具として四分の一ほど使い、残りはやっことして小鉢に入れた。そして冷蔵庫に戻しておく。あとは卵を出して卵焼きを作る。卵3個は多いかな? 残れば、あとで食べてもらえばいいか。あとは……。


 夢中になって作っていたから、「おはよう、よく眠れたか」と、声を掛けられるまで、富永氏が起きてきたことに気がつかなかったのでした。


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