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37 私に課せられた仕事

 私は一つため息を吐き出すと、この一週間で目に付いたことを報告することにした。


「それでは報告させていただきます。営業2課の課員、特に事務の女性たちは、富永課長とお近づきになろうといろいろ画策しています。ですが私が専任の事務方ということで、何とか私を課長から遠ざけて、後釜に収まりたいとおもいだしたみたいですね。そのために歓迎会でアピールをしようとしたようです」


 そこまで言って言葉を切り、室長の反応を伺う。室長は想定内と思ったのか頷いていた。


「歓迎会を開くことにしたのはいいのですが、他の課の独身女性にも課長のことがバレたようで、かなり大規模になったようです。少しでもライバルを減らしたいと、私を誘うことをしなかったのですが、そのことを知った課長が参加しないと言い出したため、急遽私と仲良しアピール&参加させる方向に持っていくようにしていました。まあ、見え透いていたので課長もお気づきになっていらしたようですが」


 ここで富永氏のことを軽く睨んでおく。富永氏は……少しきまり悪げにしたけど、私から視線を逸らすことはなかった。


「歓迎会で課長に相手にされなかった腹いせと、私が男性課員と仲良く話していたことが気にくわなかったようで、私のことを酔い潰そうとしてくれましたね。なので、トイレに立った時に、彼女たちの協力者であるお酒を運んできた男の、不法行為を周りに知られたくなければ、私と同じ濃さのカクテルを他の女性たちにも作るようにと言い含めました。その男は素直に、私と他の女性たちの別なく、同じ濃さのカクテルを作って運んでくれましたよ。ああ、お店についてはわかっていたので、先にオーナーに了解を取って監視カメラをつけさせてもらいました。証拠はばっちり押さえてあります。オーナーや店長はこのようなことが行われたと知らなかったでしょうが、たぶん私からの申し出に何かあると思ったと思われます。監視カメラの映像を見せて欲しいと言われておりますので」

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