2 私の仕事
私はため息を吐くと、気持ちを切り替えて、今日の仕事に入ることにした。……まずは届いているファックスの整理からだ。緊急要件とそうでないもの、報告事項と連絡事項に、ボスに見てもらう順番に並び変えてまとめておく。
それから、今日のボスのスケジュールの確認。室長と私ともう一人。3人で誰がどれにつくのかを確認している間に、ボスが姿を見せた。
「おはよう。今日もよろしく」
「おはようございます、社長」
社長室の前室で、社長と挨拶を交わし、今日は室長がスケジュールの説明をするために、一緒に社長室に入っていった。
その姿をお辞儀をしたまま見送る。扉が閉まると同時に体を起こした。
そう、私の仕事は秘書だ。それも、今は社長秘書をしている。うちはかなり大手の会社で、役職のある方には専任秘書がついている。多忙である社長には室長以下4名の秘書がいる。私はその中の1人だった。
それも、あと2日。今日(木曜日)と明日(金曜日)が終ったら、来週から他の人の専任秘書となる。
仕事としてはやりがいがあるだろう。私がつく方はとても優秀な方だ。だけど、先ほど見た資料と私に課せられた仕事内容に、少し憂鬱な気分になってしまったのでした。