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27 早速レッスン?

 私は春菜さんに連れられて、彼女の部屋へと移動をした。春菜さんはクローゼットから服を取り出してきた。


「これはね、私が若い頃に着ていたものなの。もし、茉莉さんが着てくれるのならあげるわ」

「えーと、いただくわけにはいきません」

「もう、着ることはない服なのよ。この服たちも着てもらえるのなら、嬉しいと思うのだけど」


 そう言われても、ブランド物の服たちに気後れをしてしまう。流石高級ブランドの服だ。数年前のものとは思えない。流行って数年ごとに繰り返すというけど、まさに今の流行りに近いものたちだ。


「ちょっと背筋を伸ばして立ってくれる?」


 春菜さんに言われて背筋を伸ばした。


「ああ、いいわね。最近の子は立ち姿からなっていない子が多いけど、茉莉さんはちゃんとできているわねえ。そうね、とりあえず、これを着てみましょうか」


 渡されたワンピースに着替えた。そうしたらドレッサーの前に座らされた。


「お化粧も服で変えるといいのよ。息子がああ言ったということは、茉莉さんはあまりお化粧に関心がないのかしら」

「えーと、仕事の関係で、あまり派手にならないようには気をつけていますけど」


 そう答えたら「まあ、えらいわ」と感心された。その言い方に疑問をもったけど、質問をする前に理由は判明した。春菜さんが話してくれたから。


 ご主人はあまり仕事のことを家では言わないようだけど、たまに零すことがあるそうなの。それが秘書をしている女性のこと。欧米のドラマに影響をされてか、派手な化粧や服装の女性秘書が増えたと言っていたらしい。……と言っても、我が社のことではなくて他社の秘書のことらしいけど。それにそういう秘書を連れ歩いているのは、若造が多いとも言っていたとか。


「別にそれが悪いわけではないけど、公私の別は分けるべきと言っていたのね。茉莉さんはそれが出来ているのね」

「あー、違います。(こう)では気をつけていますけど、()のほうでは着飾って出掛ける相手がいないんです」

「あら、そうなの。息子が機嫌を悪くしていた相手とは、お出掛けはしないの」

「どうやら私をそういう相手だと見ていなかったようです」


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