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24 パンがいっぱい

 だけど悲しいかな。お腹がすいていたから、おいしくいただきましたよ。なのに、勧めておきながら、目を丸くするって何?


「二日酔いでご飯が食べられないというのはないのか」

「今までにはないですね」


 一言返して黙々と食べていく。……というか、このパンがうんまい! クロワッサンにバターロール、それからなんでコーンパンがあるの?


 小ぶりなコーンパンの2個目に手を伸ばしたら、富永氏が驚いたように見つめてきた。よく食べると言いたいのだろうか?


「そのパンが好きなのか」

「はい、好きです。特にちゃんとしたコーンブレッドが」


 そうなのよ。私は生地にコーンが練りこんで焼いてあるパンが好きなのである。もちろん、コーンを上に乗せてある総菜パンも嫌いではないんだけどね。


「それなら持って帰るか」

「えー、悪いからいいです」

「逆にもらって欲しいくらいだ。処理しきれなくて困ってんだよ」


 その言葉に ? となった。富永氏が言うには知り合いにパン作りにはまっている人がいて、こっちに帰ってきてから何度も届けられているそうだ。断っても『男なんだから食べるでしょう』と言われてしまうとか。


 食事が終わり悪いので洗い物をさせてもらう。……といっても食器洗浄機があるから、大まかに付着したものを水で流しただけだけど。それを食器洗浄機に入れたら、あとは機械にお任せだ。


 それで、富永氏が見せてくれたのは、冷蔵庫だけでなく冷凍庫にまで入ったパンたち。彼の言い分は大げさでも、なんでもなかったのよね。


「ところで、今日って大石はなにか予定はあるのか」

「えーと誰かと出掛ける約束という意味では、何もないです」

「出かける予定はないけど、なにかやることがあるということか?」

「やることっていうか、今日は予報で天気がいいと言っていたから、布団を干したいなと思っただけです。明日も天気がいいと言っていましたから、明日でも構いませんけど」


 そう答えたら、またしても微妙な表情をされてしまった。なんだよ。デートする相手がいないのは、昨日話しているじゃないか。


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