表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/216

 1 異動の通達

 今日は朝からついていなかった。


 いつもなら一度目のアラームで起きるのに、今日は三度目でやっと起き上がることが出来た。こんな日に限って寝癖が酷くて直すのに時間がかかるし、せっかくおろしたてのストッキングだったのに、駅に着くまでに垣根の枝にひっかけて盛大に伝線させてしまった。仕方がないから、コンビニで新しいものを買う羽目になり、さらに時間ギリギリでの出勤になってしまったのだ。


 そして、とどめがこれだ。


大石茉莉(おおいしまつり)さん、急で悪いけど、来週から他の人についてもらうことになったから」

「はっ? あっ、いえ、えーと、異動ということですか、室長」

「そうなんだ。本当に申し訳ないけどね」


 申しわけないと眉尻を下げて手を合わせて拝むようにしてくるダンディな室長に、私は慌てて「頭をあげてください」と言った。確かに急な異動で戸惑うけど、内容を聞かないことには判断のしようもない。


「それで、私が次につく方はどういう方なんですか?」


 真っ当な質問だと思うのに、室長は黙ってしまった。それからおもむろに机の上から、何かの資料を持ち、私に差し出してきた。見ろということなので、受け取ってページを捲っていく。


「室長、これって」


 資料を読み切って顔をあげた私に「よろしく頼むよ」と、室長は、頭を下げたのでした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ