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107 休みの間の話……って、何を話しているのでしょうね

 まあ、いいか。富永氏は何も言わないことだし、続きを話しましょう。


「えーと、それで、木曜日になって、予定より一日早いけど実家に帰ることにしました。私の実家は今は、いとこが住んでくれているのです。でも、私が帰って来る時には、実家に戻ってくれるのですよ。いつも悪いなと思うけど、年頃の男女が一つ屋根の下じゃ、恋人が心配しますものね」

「ちょっと待て。いとこって、男か」


 富永氏が訊いてきた。


「そうですよ。だから、彼の恋人に誤解をされないように、実家に帰ってくれるのです」


 そう答えたら、何とも言えない顔をされてしまった。……一応言った方がいいかな?


「あのですね、いとこは弟と同い年で、誰も住まない家は傷みやすいのと、不用心だからということで、住んでくれているのですよ。完全に彼の好意からですからね」


 富永氏は……何か言いたそうにしていたけど、何も言おうとはしなかった。なので、次に行くことにしましょう。


「そういうわけで、実家では一人で過ごしました。と言っても、滅多に帰らないから、父方からも母方からも祖父母に呼び出されて、木曜と金曜はそれぞれの家で夕食をとる羽目になったのは、想定外でしたけどね。まあ、どちらにとっても女の孫が私だけなので、必要以上に構いたくなるのでしょうけど。土曜日にオタクで腐カップルの結婚式兼、高校の同窓会で懐かしい顔と会ってきました。いやー、腐の友人は持つべきですね。腐関係は彼らに聞くに限りますもの」

「ちょっと、待ってくれ。その『フ』というのはなんのことだ?」


 調子よく喋っていたら、富永氏から待ったがかかりました。


 いけない。わからない人にはわからない話だったわ。……えーと、ついでに私の性癖をぶちまけてしまった方がいいかしら?


「えーと、腐というのは腐るという漢字を当てまして、業界用語? になり……なるのかな?」


 説明しようとして、困ってしまった。その方面の漫画や小説に詳しくない人に、何と説明するのが正解なのでしょうね?


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