97 二次会は高校の同窓会……だった
同級生同士の結婚式ということもあり、ほぼ知り合いだらけの披露宴は、和やかに盛大に終わった。そして場所を改めての二次会は、同窓会の会場となった。
今回の同窓会の幹事こと実行委員を引き受けてくれた白根君によると、「ちょうどいい時に同級生同士の結婚式だろ。二次会で式に呼ばなかった同級生を呼ぶって聞いたから、それなら俺らの学年の同窓会をしてしまおうと思ったんだ」……ということだった。
クラス単位の同級会は開かれていたようだけど、学年単位は初だとかで、それぞれの担任だけでなく学科の教師も呼んでいて、かなりの方が出席すると返事を下さったそうだ。
一応、今回の主役の二人は、同窓会場に入場するときに、披露宴の時のような入場をさせられた。扉があくと出席者全員が道を作っていて、二人はその花道を歩いて壇上にあがった。乾杯までは二人が主役だったけど、そのあとは普通に同窓会の場と化していた。
三次会は元同じクラスだった有志が数名、新郎新婦を囲んで行っている。……そう、なぜか私も参加していた。明日は法事があるから、早めに休みたかったのに。
でも、久しぶりに気の置けない仲間たちと話せて、私もすごく楽しんだ。
そろそろ三次会もお開きにしようかということになり、お店を後にした。田村と愛花が私と並ぶようにそばに来たので、私も一緒に歩いて行く。そういえば、この二人なら知っているかもしれないと思い、少し声を落として二人に話しかけた。
「ねえ、愛花、田中君。宮君のことで聞きたいことがあるんだけど」
「宮君? ああ、宮下のことね」
愛花はきょとんとした顔で「それがどうしたの」と訊いてきた。
「あのさ、そんなことはないと思うんだけど、宮君が私のことを好きってことないよね」
私の言葉に目を丸くする二人。それからお互いを見合ってから、田中が口を開いた。
「なんでそう思ったの」
「鈴音がそう言ってたのよ」
「「ああー」」
納得したように頷く二人。そしてここだとなんだからと、私の実家で話をすることになったのでした。