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フィールド調査2

 武器庫と兵器庫、ヘリポートの直下にあり、製造工場が隣接する。工場に関してはこないだ確保した例の場所があるのでラインの半分を停止していて、今は分解したアサルトギアのパーツが並べてある。大小ひとつずつのエレベーター以外には階段の出入り口が一箇所だけで、普段は安易に立ち入れない場所なのだが、鈴蘭に見せるという名目で今回特別に許可が下りた。運び込まれる資材と一緒にエレベーターで最下層まで行き、薄暗い通路を直進、1層上がって武器庫の上層へ入る。

 アサルトライフル、迫撃砲、ミサイル等々、あらゆる装備が格納された場所だ、学校の体育館をふたつ並べたくらいの容積で、下層と上層に分かれており、上層の床は下の見える金網になっている。軽いものは上、重いものは下、という分け方で、サーティエイトが入った上層にあるのはライフルやマシンガンがほとんど。ちなみに、新品ピカピカのまま出番を待つものはごく一部だ、大部分は予備役、劣化防止処理を施された旧式の装備である。


「扉のロックは登録された担当者の生体認証か、緊急時はどうすんですかね」


「データセンターからなら初期化と無効化ができたはず、実行するにはパスワードと物理キーがいる」


 だから、という訳でもないが、鈴蘭以外は内部に対して興味を抱かなかった、廊下の幅と監視カメラの数の方がまだ重要そうにしている。さっと見学を終わらせ、扉の施錠を確認したのち工場の方へ向かう。

 バンカーの地下工場は半分が開発用途に振り分けられ、残り半分の業務はほぼすべて組み立てだ、素材から生産するのは薬莢と弾頭しかない。荒野から部品を持ってきて、ここで組み立て、戦闘隊や航空隊が装備するのだ。


「あれ…?」


 その工場手前、置かれた長椅子でフェイが休憩していた。のんびりと湯のみで緑茶を飲んでいたが、意外な来訪者に声を漏らす。


「どうしたの」


「見学です」


 仕事が入った時以外は姿を消していると思ったらここにいたのか、近付くと彼女は立ち上がる。

 兵器開発に関わっていたようだ、開発というかアサルトギアのコピーだろうが。


「コピーじゃなくてダウンサイジング」


「ほう」


「最近ようやく操縦系統の目処が立って」


「テストパイロット」


「そう」


 今のところ、フェイは人類唯一のアサルトギア操縦経験者だ、量産を計画するなら当然関係者となる。目処が立って、と言う際に鈴蘭をちらりと見、その後一行を工場内部へ招き入れた。


「ドアの幅4メートル、高さ3メートルくらい」


「薄いなこの扉、4.6ミリ弾も防げんだろ」


 しかしシオンの興味は相変わらず出入り口にしかなく、巻尺を巻き巻きするのに余念がない。フェイにハテナ顔されつつ丹念に計測、改めて工場へ入る。

 AGX-1ランドグリーズ、鹵獲したアサルトギアの頭部がお出迎えしてくれた。トカゲっぽい形状で無数の小型カメラがあり、それぞれがある程度うごめくので若干気持ち悪い。完全に追尾されてるのを眺めつつ奥まで進んでいくと次にあったのはコクピット、胴体から引っこ抜かれた球状のユニットで、さらにその先には五体満足な別のロボットがあった。


「アサルトフレーム」


 足の裏から頭の先まで5m、およそ半分まで縮んだようだ。固定武装無し、装甲も装着前で、フレームむき出しの姿は骨っぽい。胸のコクピットは人間1人がギリギリ座れるサイズで、まぁF1マシンよりはまだ広いかな、という程度。とはいえそれは成人男性の話、座席に座って配線をいじくるアリソンにとってはまだ余裕がある。ランドグリーズをモデルにしたからか頭部はやはり複眼で、背後に通信アンテナを持つ。


「火力は維持する予定、装甲は薄くなるけど速度は上がる」


「飛ぶ?」


「飛ぶ」


「わぉ」


 それ以外にはランドグリーズの残りパーツと、こないだ使っていたドローン。製造ラインではブースターを作っており、こちらもモデルと同じ搭載方式になりそう。


「思考操作システムを完全コピーできなかったから、信号伝達に魔力を使う、だから人間にしか動かせない」


「魔力を? 弾に入れて撃ち込む以外に使い道が?」


「つい最近までみんなそう思ってたけどね」


 フェイが歩いていった先にはポットと急須、伏せた湯のみを見せて飲むかどうか聞いてくるも、ここでやる事はもうない、地上に戻ってヘリポートを巻尺しよう。


「そんじゃ、あなたがソレに乗る日を待ってますんで」


「私は乗らない」


「え?」


「アリソン」


 と、

 手を振りながら言ってみたらそう返され、

 フェイはコクピットの幼女を指差した。

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