PW1-2
ん、、靄だ。
ああ、そうか、もう起きる時間なんだ。
靄が私を包んでく。
それが晴れた時、私は ー
「ん、、んーーー!」
大きな伸びをしてベッドから起き上がる。
昨日の様に、窓とカーテンを開け、
鏡で寝癖を直し、ドアを開け、部屋を出る。
昨日と同じ、いつもの日常。
「おはよう、じゃなくて「おそよう」だわ?
もう11時よ!休みだからって遅すぎ!」
「おはよおー、ママ。。」
「顔洗って来なさい?ご飯はもう出来てるわよ」
「らじゃ、、」
朝食の後、私は昨日の事を思い出した。
昨日は、
漢字の練習の代わりにデッサンしたんだった。
だから今日は漢字。
気が乗らないけど、
いつかやらなきゃいけないから。
そう思い、部屋に行こうとすると、
「今日は絵、描きなさいよ?」
とママに言われた。
「え?いいの?昨日もデッサンしたんだけど」
「昨日漢字やってたでしょ?
そんなのでアニメーターにはなれないわよ!」
「ま、まあ良いけど」
昨日は確実にデッサンしたはず。
でも、ママが勘違いしてるなら、
今日もデッサンしよう。楽しいし。
せっかくだし、昨日の絵を完成させよう!
昨日描いたのは、たしか靴。
2段目の引き出しの一番上に ー
「え?」
「あれ?」
「絶対ここに入れたのに!なんで無いんだろ?」
おかしいな、本当に無い。
まあいっか。そのうち出てくるはず。
そう思い、別の物をデッサンして、
またゲームに潜る。
いつものルーティーンだ。
「・・・たよー!みーちゃん?」
あ、靄だ。
私が一歩踏み出すと、靄が現れて私を包む。
夢が覚める前兆。
私はそう思ってる。
(そういえば、昨日の夜、
現実世界でこれを体験したんだっけ。)
(どうして忘れてたんだろ。
あんな不思議な出来事。)
(たしか電気を消しに行って、部屋の角から
目が離せなくて、一歩踏み出した、んだよね?)
(そしたら靄に包まれて、
部屋に戻って寝ちゃったんだ。)
(あの違和感、戻って来てる。)
(もしかして今日の出来事は夢だったり?)
(絵が無くなったり、ママが勘違いしたり、
夢だったら辻褄が合う気がする。)
あ、靄が、消えて、く ー
「みーちゃん!夜ご飯だよ!」
「ふぁ、、うん」
(あ、れ??)
(夜ご飯、昨日と同じだ)
(まるでタイムリープしてるみたい。)
「ねえママ?昨日のご飯余ってたの?」
「え?今日作ったんだけど、、」
(本当にタイムリープ?
いや、ありえない。これは、
夢だ。)
「どうしたの?みーちゃん」
「ううん?なんでも無い!いただきます!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おやすみ、みーちゃん」
「おやすみ、ママ!」
あ、また電気付けっ放し。
昨日と同じだ。
タイムリープじゃない事は、さっき確認した。
日付は昨日から当たり前だけど1日進んでる。
だから繰り返しはしてないけど、、
似てる。
パチ
(うわ、また真っ暗。
昨日の靄の場所は、、)
あれ?無い。
昨日の場所には、何も無いし、何も、
感じない。
(まあ、いっか。
朝起きたら、またいつもみたいに、
一日が始まるんだ。)
ん?
あれ、
私の部屋の入り口、
昨日も感じた、あの感覚に、
そっくり。
何かある。
ここで戻れるのかな?
夢から醒めるのかな?
やってみなきゃ、何も分からないし、
変わらない。
近づいて、
一歩。
それだけで、すべてが変わった。
同じ場所、同じ空間なのに、
何かが決定的に違う。
また靄に包まれた私は、
また違和感を感じながら、
部屋に入り、ベッドの上で、
夢に落ちた。
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拙い文章を読んでいただきありがとうございました。