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最終回

愛菜は退院し、アイドル活動を再開した。そして、しばらくしてから愛菜が「最後のライブをしたい」とやりたいことリストに書いた事をやる事になった。しかし、「最後」ではない。「復活」のライブだった。





愛菜はライブ会場へ着くと、楽屋へ歩いて行く。啓介はそれより前にその楽屋に入っていた。なぜか啓介の方が緊張していた。楽屋でソワソワとしていて部屋の中をうろちょろしているのを見てメンバーの1人が啓介に「落ち着いて、愛ちゃんは最後までやれるよ。きっとね!」と言われ少しだけ落ち着いた。






愛菜が楽屋に来た。愛菜は啓介を見つけると駆け寄っていき抱きついた。数周回し愛菜とのハグをやめる。




「愛菜、がんばれよ。俺は舞台の袖から見てるから」と愛菜に言った。そしてまたハグをした。




「うん、私頑張るね。ちゃんと見ててよ?一瞬でも見逃したら、みんなの前に出てもらうからね?」と耳元で愛菜が言う。啓介は頷き、ハグをやめ向き合った。その目には、自信に満ち溢れていた。













「では、準備の方お願いします」とスタッフが、部屋に来てそう言った。それを聞いたメンバー達はそれぞれ準備を始める。そして、メンバー達はライブ会場へと歩みを進めていった。啓介もその後をついて行った。









歓声が聞こえる。その歓声がだんだんと大きくなってきた。





ライブ開始時間になった。それと同時に会場が暗くなり会場のボルテージは上がる。そして曲のイントロが流れメンバー達が舞台へと出て行った。それと同時に会場からは大歓声が聞こえた。その光景を舞台袖から見ていた啓介。その大歓声を聞き啓介の体に鳥肌がたった。




メンバー達は歌って、踊っていた。ファンに手を振りファンサービスなどをしていた。













気がついたら、もうライブは終盤に差し掛かっていた。曲を歌い終えメンバー達は笑顔で手を振っていた。そして最後の曲を歌う前に少しだけ雑談コーナーを設けた。あるメンバーが話を進めていた。





「そういえば、愛ちゃん言う事あるんじゃないっけ?」とメンバーの1人が愛菜に話を振った。いきなり振られて少し驚いていた。




「あ…うん」と愛菜は短く言い、マイクを口元へと持って行った。会場が静かになり愛菜が、喋るのを待っていた。






「えっと……ファンのみんなに言わなきゃいけない事があります。活動休止した理由です。ニュースとかでも知ってる人はいると思うけど実は私、2週間、生死をさまよっていたんです」




それを聞いて会場からは、ざわめきの声。それを気にせず愛菜は続けた。




「それで…みんなに嘘をついてごめんなさい。自宅で療養はしてません。入院していました。そして、その間…私の事を看病してくれた人がいるんです。母ではありません。この会場に来ています」愛菜がそう言うと会場にいる人は看病をしていた人を探していた。舞台袖にいるんだけどね。




「啓くん、出てきて」と愛菜が啓介の方を見た。遠くだが愛菜と目が合い驚く啓介。啓介は首を横に振り「無理だ」という事を愛菜に伝える。




「もー、出てきてよ!啓くん!」と愛菜が言う。その時近くにいたメンバーの1人が啓介の元へと来て腕を持ち無理やり舞台へと連れ出された。それと同時にスポットライトが啓介に当たり会場がざわつく。そして愛菜の隣に連れてこられた。





「この人が私の命を救ってくれました。啓介君です。啓くんとは小さい頃からの幼馴染で、それで…私の彼氏です」




「私の彼氏です」それを聞いた会場からは悲鳴と思える声が聞こえた。




「2週間の間ずっと私の看病をしてくれました。啓くんがいなければ、私はここに立っていませんでした。だから、みんな!アイドルが彼氏を作っちゃいけないけど…この事は許してください」と愛菜が言い、頭を深く下げた。啓介もそれを見て深く頭をさげる。







その時、会場からは徐々ではあるが拍手が聞こえてきた。その拍手も大きくなっていき会場中から拍手が鳴ってきた。




「愛菜の命を救ってくれてありがとうー!」「幸せになれよ!」そんな声が2人の耳に入ってくる。2人の目には涙が浮かんでいた。礼をやめ会場を見渡す2人。




啓介が泣いているのを見てファンの1人が「男だろ!泣くなよ!」と啓介の事を励ました。それが心に染み、泣くなと言われているのにまた泣いてしまった。











大歓声が鳴り響く中、愛菜がマイクを啓介にマイクを渡した。それと同時にメンバーの1人が啓介に駆け寄り耳元で「改めて告白してあげな」と言われた。





「愛菜」と言う啓介。会場が、一気に静かになる。会場にいる人が啓介が次に言う事を待っていた。





「愛菜の事が大好きです。俺が絶対幸せにするからな!」と言う啓介。それを聞き会場からは大歓声が沸き起こる。





愛菜は「うん!よろしくね!啓くん!」と言いまた会場は熱気に満ち溢れた。SMILE(スマイル)のファン達は本当にいい人達ばかりだった。






2人は抱き合い、そのままキスをした。





この2人は、誰にも引き離す事は出来ない。




生まれて、初めて会った時からその2人は運命の赤い糸で結ばれていたのだから。

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