第7話
愛菜が倒れ、しばらくしてから愛菜のグループ活動休止が発表されていた。社長は「前々から体調が悪く、今は自宅で療養している」と発表されていた。しかし、一部週刊誌で「病院に極秘で入院しているのではないか」などと報じられ愛菜の入院している病院に記者が来ていた。
その日も、愛菜は啓介と一緒にリハビリルームでリハビリの予定だった。部屋で2人はその準備をしていた。その時ドアが開いた。そこには、この病院の院長さんがいた。
「愛菜さん、いつもあのリハビリルームを使っている時いたのだが…ちょっとその事で聞きたいことがある」と院長さんが言う。
あのリハビリルームと言うのは、入院患者などが使っているリハビリルームだ。
「はい、あそこの…リハビリルームですよね?いつも使っていますけど…何かあったんですか?」と愛菜が聞く。啓介も手を止め、院長さんを見ている。
「このところ、君の入院が週刊誌で噂されているらしいんだ。記者もこの病院の近くにいるのは知っている。そこでなんだが…」途中で言うのをやめる院長さん。2人は、ゴクリと唾を飲む。緊張した空間が広がる。
「特別に、別のリハビリルームを作った。といっても前まで使われていたが、今は使っていないところだ。今から案内しよう」
院長さんがそう言い、2人は準備を再開した。啓介が愛菜に寄り添いゆっくり歩き始めた。
「この部屋だ。入りたまえ」と院長さんがドアを開け部屋の中を見せた。2人はそれを、見た。その部屋はいつも使っているリハビリルームとはほとんど変わっておらず、しいて言えば少しだけいつも使っているリハビリルームより小さい事だけだった。しかし十分な設備が揃っていた。
「君には、専属の理学療法士の先生をつけてある。この後来ると思うが…」
「はい、わかりました。すみませんここまでしてもらって…治せるように頑張ります」と愛菜のことなのに啓介がそう言った。え、というような顔をして愛菜が啓介を見た。
「なに啓くん自分の事みたいに言ってるの?」と愛菜は言う。
「え?愛菜に起こった事は俺に起こった事と同じだと思ってるんだよ。愛菜」愛菜はそれを聞き、「もうっ」と言い、照れた顔をして啓介の肩を優しく叩いた。それを院長さんは優しい目をして見ていた。
院長さんは、部屋を出て行き数分してから担当の理学療法士の先生が部屋に入ってきた。少しだけ話をし、愛菜はリハビリに入った。
そのリハビリが数週間続き、ついに愛菜は退院をするのであった。