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Level.0:Introduction
――辺境の世界。
ここではない、どこか。
遥か遠くの、世界。
そこには一体、何があるのか。
どんな生命が、存在しているのか。
そんなことを、俺はずっと考えて生きてきた。
考えながらも、永劫に関わることは無いと思っていた。
そんなものは虚構であると、そう自分に言い聞かせていた。
だから俺は、あの日あの瞬間のことを、生涯忘れることは無いだろう。
意識が途切れ、再び目覚めた時、目の前に広がっていたあの光景は、今でも鮮明に覚えている。
そしてその場所で出会ったその人を、まるで氷の魔女のように美しい彼女を記憶の中から消し去ることは、例え俺の肉体が死を迎えたとしても不可能だろう。
これは、俺が辺境の世界で紡いだ物語。
その地で描いた、軌跡と奇跡。
辺境世界にレベル1で迷い込んだ俺は最強の戦士でした。