夢を売る仕事 作者: cloverの三ツ葉の方(二百or四百文字) また来てねと手を振って見送られ、病棟の影で着ぐるみの頭を外した目付きの悪い男は、看護士に助かると肩を叩かれ睨み付ける。 「俺はパティシエ、客を喜ばすサービス業だ。アレルギー性物質を抜いた菓子で旨さを追求するのは良い修行だが。解せん。何故床に落とさねばならん。俺の命とプライドの結晶だぞ?」 「え、命? や、OK、別の演出考える」 子供の夢は、真面目な菓子職人の命とプライドの結晶に付随する粋なサービスである。